
ピアニストとヴァイオリニストに関する質問です。
(1)古今東西のピアニストで最も実力があったピアニストとして、リストの名前がよく挙げられます。
理由としては、ラ・カンパネラをはじめとして、超絶技巧練習曲(特に第二稿)・ピアノソナタなどの数々の超難曲を作曲した上に、初見も即興も得意であったからとのことです。
しかし、リストがどの程度の実力であったのかは分かりませんし(決して下手ではなかったと思いますが)、彼が自身の楽曲を弾きこなせていたのかどうかも不明です(イスラメイを弾きこなせないと語っていたバラキレフの例もあります)。
アムランやベレゾフスキー・シフラ・カツァリス・ペトロフなどの現代のヴィルトゥオーソたちがリストの曲を巧みに演奏している姿を見ると、もう「リストが一番上手かった」という時代は終わったといえるのではないか? と思うのですが、どうでしょうか。
(2)ヴァイオリニストについて、(1)と同じような質問です。
対象はパガニーニとハイフェッツです。
私は現代のヴァイオリニストについては詳しくありませんが、現代のヴァイオリニストでパガニーニやハイフェッツを超える者はいるのでしょうか。
私の知人でヴァイオリンを弾いている者は、
「パガニーニは間違いなく上手かったと思われるが、それは当時の話。今のヴァイオリニストの中には、パガニーニよりも上手い人はいると思う。
ハイフェッツについては未だに超える人がいない」
と語っていました。
A 回答 (6件)
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No.6
- 回答日時:
僕はあまり聞いたことが無いので答えは短いですが
(1) 技巧でなく、原曲の意図を彷彿できる音楽家としては、スヴィアトスラフ•リフテル、演奏会が印象的でした。
口も八丁手も、というならグレン・グールドでしょうか。
(2) オイストラッフ(お父さんの方)も好きです。
楽器をものにしていると言う点ではヨーゼフ•シゲッティの演奏会で弦が2本も切れてぶら下がっているのが照明で見えるのに、全く何事もなかったように曲を終えた時でした。
リストもパガニーニも聞いたことが無いので分かりません。
No.5
- 回答日時:
#3です。
>いつも気になっているのですが、フラジオレットやピッツィカートは彼の完全なる独創なんでしょうか?
それとも、他の楽器で使われていた奏法をヴァイオリオンに応用したんでしょうか?
パガニーニは一時ギターにのめり込み、ギターのための曲も作曲しているのはご存知ですよね。
<ヴァイオリン> <ギター>
ダブルストップのフラジオレット=2弦同時のハーモニクス
左手のピチカート=プリングオフ
というようにギターではわりと初歩的な奏法です。初心者でも容易です。
それがフレットのないヴァイオリンでは難しく、右手も弦をはじくのではなく弓によるボウイングです。
演奏効果はギターとは段違いに上がりました。(ヴァイオリンの音量はギターの比ではないので)
ということで、パガニーニはギターのテクニックをヴァイオリンに応用したと思われます。
勿論、彼が初めてです。
No.4
- 回答日時:
(1)に関してですが、リストがどのような演奏をしていたか・・ということに関してほかの方がおっしゃるように、はっきりとは判明していないということを考慮に入れるべきだと思います。
古い時代であるがゆえに録音が残っているわけもなく、ただ単にすごい演奏だったということだけが
イメージとして定着している。が、しかし・・・・
一つだけはっきりといえることは、ベートーベンの楽曲であれ、リスト自身の楽曲であれ、リストがピアノ演奏をする場合、今現在のピアニストたちが演奏しているような形態で演奏していなかったということだけは言えることだと思います。
いま現在はすでにすたれてしまって、ほとんど話題にもなりませんが、リストには有名な
“リストの奏法”という演奏方法があります。
楽譜に書かれている音符に補助的に1音もしくは2音の音を足して演奏する演奏形態で、非常に
演奏の難易度が高くなるためいま現在はリストの楽曲ですらこの奏法で演奏されることはありません。
特に2度以上の和音が補助音として付け加えられる場合・・・大抵の楽曲が超絶技巧のような
すさまじく難しく壮大な曲になってしまうのでいま現在のピアニストでも、弾くことができる人はほとんどいないのです・・・・。リスト自身の楽曲の中でも「ラ・カンパネラ」のような曲は、“リストの奏法”で2度の和音を補助音として弾くようにリスト自身が指示しています。ですが、いま現在、若いピアニストたちのほんの数人が弾いているのをまれにみる程度で、シフラなどの有名ピアニストでも
“リストの奏法”で演奏しているのはYouTubeでも見たことがありません。
実際にそういうやり方で演奏してみたらわかりますが、ちょっと異常なくらい難しいのがわかります。
リストの演奏をじかに聞いた人は、彼のことを異常者だとか、頭がくるっていると思ったそうで、
そのために彼は“Fiendish(魔王のような、鬼のような、とりつかれた)”“ピアノの帝王”と呼ばれていた事はとても有名です。
しかし、だからといって、リストのような異常な速弾きの超絶技巧がピアニズムの上で誰よりも勝っているとは限りません。楽曲を演奏するうえで重要なのは、音楽の本質をとらえていかに正確なスタイルで
正しい音楽観念のもとに楽曲を解釈し、それを演奏に実現できるか・・・だと思います。
だから一概に、リストよりも現在のピアニストのほうが上だとか、リストを超えるピアニストはいない
とか、そういうことを断定的にいうことは考えが浅いと思いますね。
(2)のパガニーニに関しても、パガニーニのスタイルがあった以上は同じことが言えると思います。
回答ありがとうございます。
> 楽譜に書かれている音符に補助的に1音もしくは2音の音を足して演奏する演奏形態
この話は初めて知りました。リストがそのようなことを楽譜か本に記していたのでしょうか?
No.3
- 回答日時:
回答はご自身の質問の中に概ねあるように思われますが・・・
リストとパガニーニ。
どちらも演奏家として見た場合、現代のヴィルトゥオーソたちのほうが達者に弾くかと。
けれど、この二人は作曲家としての顔もありますからね。(まあ、時代がそうだったのですが・・・)
インパクトある魅惑的な曲を作ったという点を考慮すれば、やはり二人の方に軍配が上がるかと。
尚、自作の曲を自身がどれほどの演奏能力で弾けたか云々はそれほど重要ではないかと。
けれども当時の記録や文献(特に同時代の著名な作曲家たちに与えた影響)によると文句なく上手かったのは間違いのないところでしょうね。
で、ハイフェッツ。
残念ながらすでに世を去っていますので生演奏を聴く機会がありませんので・・・
でも、録音や映像から窺い知るに「凄い!」のは確かですね。難曲をあのように顔の表情一つ変えないでサラリと弾き流す人はそうはいないかと。
例えば、アッカルドやパールマンが来日した際、聴きに行ったのですが(どちらも当時は屈指のヴィルトゥオーソ)。
彼らの演奏が聴衆を音楽に誘い・酔わす演奏だとすれば、ハイフェッツは衝撃を与えるというか吸い込ませる魔力を持っていて、そういう意味ではパガニーニを彷彿とさせるのでは?と思います。
(パガニーニ以上か?と云われれば、ヴァイオリン演奏にフラジオレットや左手のピチカート等、革新的な数々の技巧をあみ出したイタリアの魔人と単純には比べられないので・・・)
しかし、何よりもハイフェッツの「個性」を超える人は未だいないか・・・とは思います。
回答ありがとうございます。
> 難曲をあのように顔の表情一つ変えないでサラリと弾き流す人
演奏家は結構「顔芸」であったり身振りが激しい人が多い中、ああいう演奏をする人は少ないですね。
> ヴァイオリン演奏にフラジオレットや左手のピチカート等、革新的な数々の技巧をあみ出したイタリアの魔人
いつも気になっているのですが、フラジオレットやピッツィカートは彼の完全なる独創なんでしょうか?
それとも、他の楽器で使われていた奏法をヴァイオリオンに応用したんでしょうか?
No.2
- 回答日時:
やはり、録音などの記録が残っていない以上、上手い下手の比較はしようがないのではないでしょうか。
ただ、リストやパガニーニの時代は、優れた演奏家=自分でも作曲する作曲家であったわけで(ベートーヴェン、ショパンやサラサーテなど)、優れた演奏家の資質として、聴き映えのする即興演奏ができること、というのもあったと思います。
協奏曲のカデンツァなどは、演奏家がその場で即興演奏する、というのが本来の姿だったはずです。
20世紀以降は、分業が徹底して、演奏家はただひたすら楽譜に書かれたものを演奏するという形になってしまいました。協奏曲のカデンツァも、かつての名演奏家の作ったもの、あるいは作曲家自身が作ったものを演奏する、というのが当たり前になってしまいました。(クラシック音楽自体が、「古典芸能保存」という位置付けに成り下がったから?)
従って、20世紀の演奏家は、即興演奏ができない分、19世紀の演奏家よりも腕が立たないと対等ではない、ということもあるのかもしれません。
フリードリヒ・グルダがジャズに走ったのも、そういう理由もあると思います。
そういった演奏家の役割の変化というのも考慮すべきなのではないでしょうか。
回答ありがとうございます。
> 演奏家はただひたすら楽譜に書かれたものを演奏する
ホロヴィッツやシフラのように編曲や即興をもりこむ演奏家もいますが、基本的には原曲ありきですからね。
> フリードリヒ・グルダがジャズに走った
このピアニストは存じませんでした。
ドイツ古典派の曲をたくさん演奏された方のようですが、ジャズだと何を演奏されているのでしょうか。
No.1
- 回答日時:
詳しくはないですが、見解でいいでしょうか。
まず、リストは「優れた作曲家」であったからこそ、「優れたピアニスト」としての名を残せているというのはあるはずです。
演奏者はいくら優れていても、作曲家ほどのインパクトを残せないのが現実だと思います。スポーツ選手は永遠ではない・・・に似ているかもしれません。「記録は塗り替えられる」という点、そして「リアルタイムで演じることの価値が大きい」ということがあるからかもしれません。演奏者は「体や自己演出が資本」という点でスポーツ選手や芸能人の立ち居地には似ていますが、クリエイター(作曲家など)からは案外遠いのです。
一方で、クリエイティビティは(その性質上優劣がつけられないこともあり)本当に凄いものは長く残ると思います。
そういう意味では、「当時ですらリスト以上のピアニストはわんさかいたかも」とか「今のヴィルトゥオーソの方が上手いかも」というのは、充分可能性としてあると思います。
「作曲とか指揮とか発言とか色々出来て、何かと逸話があって、さらにピアノも上手い」ということが、当時のピアニストとしてのリストのパフォーマンスにはなっていたはず(今でもなっていると思う)です。
ましてや、リストの演奏は記録に残っていないのですから、現代の演奏と比較しようがないのは言うまでもないですよね。
ちなみに、少し後の時代のドビュッシーの録音は結構残ってますね。この人も早くからピアニストとしての才能があった人ですが、早々に作曲にシフトした人だったので、残っている演奏記録はやはりどれも「作曲家にしては上手い」くらいの感じですね。でも「ピアノも上手い人だった」というのが現代の一般に知られる話です。これも彼が優れた作曲家であるからこそ、というのは遠からずでしょう。
ハイフェッツも評価は色々でしょうが、録音時代の人なので当然評価は録音中心になると思います。そういう意味でパガニーニはただの憶測、ハイフェッツは今より良いor悪いとあれこれ言える・・ということになると思います。
しかも、リストの曲よりも難曲と言われるようなピアノ曲は、ラヴェル「夜のガスパール」から現代にかけて(クラシック畑以外でも)たくさん作られているはずですから、「当時の曲を上手く演奏できる」のと「現代にある曲を上手く演奏できる」のでは、単純比較は出来ないと思います。
回答ありがとうございます。
> リアルタイムで演じることの価値が大きい
グレン・グールドなどはそれを嫌って録音活動に専念してしまいましたね。
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