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比熱と熱伝導率の違いが本やウィキペディアを見てもはっきり分かりません。どなたか知恵をお貸しください。
比熱というのは与えた熱量⊿Q、質量m、比熱c、上昇した温度⊿Tの間には⊿Q=mc⊿Tが成り立つので、比熱c=⊿Q/⊿Tは与えた熱量に対して実際にどれくらい温度が上昇したかという割合を指すのだと思いますがこれはまだ理解できます。しかし一方の、熱伝導率はウィキによると熱流束J、温度T、熱伝導率λとするとJ=-λ∇Tと表せるのですが、λは熱流束Jを温度勾配∇Tで割った量とはどういう意味ですか?また何故負号があるのですか?まずここが理解出来ていないので、大雑把なイメージでも良いので教えてください。

そして比熱と熱伝導率の違いですが、満タンまで水が入った立方体の容器のド真ん中に電気抵抗線などの熱源があるとします。加熱を始めると熱源周りの水から温かくなっていきます。温度計を入れて水温を測定する時に、熱源付近に配置した場合は比熱を測る事になり、熱源から離れた位置に温度計を置いて水温を測定した場合は熱伝導率を測る事になるのですか?どちらの測定も熱量を与えてある位置の温度変化の観察ですが、どうやって区別するのか分かりません。
また熱い水は水面の方へ溜まり易い理由は何ですか?比重が軽くなるという言葉の意味がよく分からないです。これは”高温の水”が上へ移動したという熱伝導率に関わる現象でしょうか?

A 回答 (3件)

こんにちは。



比熱と熱伝導率は、一応、別なモノ、互いに無関係なものです。

比熱(熱容量) = 熱量の変化量/温度の変化量
記号で書くと、
 c = ΔQ/ΔT
で定義されます。
で、
 熱量の変化ΔQの符号が「プラス」ならば、熱を外部からもらう
 熱量の変化ΔQの符号が「マイナス」ならば、熱を外に放出した
となります。

で、熱流束Jというのは、
ある時間tの間に面積Aのある面を熱量Qが通過した時、これらには、
 J = (Q/t)÷A
という関係があります。
通過した熱量をΔQ、時間間隔をΔtとすれば、
 J = (ΔQ/Δt)/A
となります。
つまり、熱流束Jには、時間(tやΔt)と空間の要素(A)が加わっている。
で、このとき、面積Aをもった面に対して、熱量が入ってくるとき、Jの符号を「プラス」、熱量が出てゆくときを「マイナス」と定義します。
 「プラス」は、 Q→□
 「マイナス」は、Q←□
のイメージ。
□は、何かのモノだと思ってください。
そして、矢印は熱量Qの入ってくる、あるいは、出て行く方向くらいの意味です。

ということで、これが
~~~~~~~~
☆また何故負号があるのですか?
~~~~~~~~
の答えになります。
「熱は、温度の高い方から温度の低い方へ流れる」。
温度の高い方をTh、温度の低い方をTlとすると、
温度差(Th-Tl)の符号は「マイナス」、したがって、温度勾配も「マイナス」になります。
しかし、温度の高い方から低い方へ流入する熱の符号は、「プラス」。
符号が「マイナス」と「プラス」で合わないから、温度勾配に「-1」を掛けないと、辻褄が合わない。
なので、この辻褄合わせのために、温度勾配∇Tの前に「マイナス」の符号がつくんですよ。
「マイナス」がつくのは、辻褄合わせ(ニコニコ)。

温度の高い方を□、低い方を■であらわすと、熱の流れは、
 □→■
温度差(Th-Tl)はマイナスなので、温度勾配もマイナス。■に入ってくる熱をプラスにするためには、正負の符号を反転させる、つまり、温度勾配に「-1」を掛けないといけない。
はっきり言って、辻褄合わせです(ニコニコ)。

でですね、
熱流束Jというのは、電気の方でいいますと、電流(電流密度)に相当するもの。
熱量は、電荷量にあたります。
水の流れで言いますと、熱流束は、ホースを流れる水の単位体積、単位面積当たりの量(流量)、
熱量は、ホースの先につながっているバケツにたまっている水の量
になります。



~~~~~~~~~
温度計を入れて水温を測定する時に、熱源付近に配置した場合は比熱を測る事になり、熱源から離れた位置に温度計を置いて水温を測定した場合は熱伝導率を測る事になるのですか?
~~~~~~~~~
測っているのは、「温度」です。
熱伝導率や比熱は関係ありません。
熱伝導率を測定するためには、温度勾配と熱流束を測定しないと、求まりませんよ。
それに、水ですと、温度差が生じると、密度差が生じて、
結果、自然対流(熱伝達)が発生してしまい、熱伝導率を測れなくなってしまいます。



~~~~~~~~
どちらの測定も熱量を与えてある位置の温度変化の観察ですが、どうやって区別するのか分かりません。
~~~~~~~~
そら~、そうなりますよ。
この現象には、熱容量(比熱)と熱伝導率の両方が絡んでいますから。
さらに、温度計と測定する水との間で熱の授受の関係が発生しています。
しかも、自然対流(熱伝達)まで絡んでくるので、超~複雑な現象ですよ。



~~~~~~~~
また熱い水は水面の方へ溜まり易い理由は何ですか?
~~~~~~~~
温度が高くなると、一般に、密度が小さくなります。
軽いモノは、重いモノの上に登ってゆこうとするでしょう。
重いモノは、下に沈んで行く。
ですが、これは「重力」がある時の話です。
無重力場では、このような現象は起きません。
ですから、重力による自然対流をなくすために、
宇宙ステーションなんかで測定するといいのかも知れませんね~。


~~~~~~~
れは”高温の水”が上へ移動したという熱伝導率に関わる現象でしょうか?
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”高温の水”とは、高い熱エネルギーを持った水のこと。
これが上に向かって移動しま~す。その穴を補う形で、低温の水がそこにやってきます。
ですから、
熱の移動(?)という観点からすれば、単純な(水が動かない時の)熱伝導とはメカニズムが大きく異なりま~す。
数学的にかなり難しい方程式(連立微分方程式、最低でも四つの微分方程式)を解かなければならなくなります。
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この回答へのお礼

とても分かりやすかったです。どうも有難うございました。

お礼日時:2013/12/19 22:40

比熱と熱容量からして混同してますよ?単位を確認しましょう。



~~~
C=⊿Q/⊿Tは、熱容量の式であり、ある物体を1K温度を上昇させるのに必要な熱量を示します。Cは大文字。
だから熱容量に温度変化量を掛ければ物体に出入りした熱量が求められ、与えられた熱量を熱容量で割れば物体の温度変化量が求められるわけです。単位は [J/K]。

cは比熱で、物質1[g]の温度を1[K]上げるのに必要な熱量です。cは小文字で単位は [J/g・K]です

ですから、物質の比熱cにその物質の質量mを掛けると、熱容量になります。
C=m・c

~~~
熱伝導率λは内部が均質な固体内での熱の伝わりやすさを示したもので、1m離れた2点の温度差が1Kで安定している時に、1秒間に2点間を移動していくエネルギー量の形で表します。単位は[W/(m・K)]

符号マイナスがつくのは、「低温側に移動した熱量」として値を出すためです。
ちょっとややこしいですけど、Jは「ある点Aから別の点Bへの熱の単位移動量」として求めますから、仮に、点Aの温度が500K、点Bの温度が300K、AB間の距離が2mとすると、∇Tは(A→Bに移動する間の温度変化)÷(AB間の距離)で、(-200[K])÷(2[m])=-100 [K/m] となります。
そのままλ・∇Tを計算するとどうなりますか? Jはマイナスの値になっちゃいます。「λ・∇T」は点Aから移動する熱量、つまり「点Aが失った熱量」として算出されるのです。Jの計算で求めたいのは「低温側に伝わった熱量」ですから、これに合わせるためにあらかじめマイナスを付けておきます。つまり、マイナス符号はλではなく、∇Tに付いている符号です。単位を見ても分かるように、λには方向性はありませんからA→Bの熱の移動でもB→Aの熱の移動でもλは正の値です。


棒の一端にヒーターを付け、ヒータから1cmの点Aと、点Aから更に1m先の点Bに温度計を付けた場合で考えてみましょうか。棒の側面は全て理想断熱材で覆って、棒内部以外に熱の出入りはないと仮定します。ヒータを付けたのと反対の端は断熱材なしで温度一定の空中に開放しておきます(※)。
今、ある電流をヒータに流して長時間置いたところ、点ABともに温度変化しなくなりました(安定状態)。
このとき、ヒータ回路の電流値から、投入されているたエネルギー量Jが求められます。点Aと点Bの温度差と距離、それからJの値から、λを求めることが出来ますね。

ところで、上の(※)の解放端も全て理想断熱材で覆えば、放熱が無くなってヒータに電流を流すほどに棒全体の平均温度は上昇を続けますね。このとき、棒全体で見た平均温度を1K上げるために必要な熱量を熱容量と呼び、その値を棒の重さで割ったもの、つまり棒の構成物質1gを1K温度上昇させるのに必要な熱量を比熱と呼ぶわけです。

~~~
ついでに、個体と流体の間の熱の移動率を示す「熱伝達率」ってのもあります。
こちらは対流など「移動による熱の拡散」が関わってくる分だけ厄介で、一筋縄ではいきません。

質問で例に挙げられた地上の水タンクだと、温度差による密度差が出来て自然対流が生じるので、熱伝達の考えを容れる必要があります。そもそもヒータと水の間の熱交換からして熱伝導では求められないのです。

温度が高くなると水は膨張し、密度が小さくなります(つまり比重が小さくなるってこと)。このため低温で密度が大きな周囲の水と比べて「浮力」を得たことになり、上方に移動します。熱い「お湯」は上に、水は下にというのはそういうことです。

タンク全体を断熱材で覆えば、ヒータの熱量と水の平均温度変化、体積と比重から熱容量・比熱を求めることが出来ます(沸騰が無ければ、時間変化に対する平均温度変化はほぼ比例関係になるでしょう)。

おわかりでしょうか?
> どちらの測定も熱量を与えてある位置の温度変化の観察
> ですが、どうやって区別するのか分かりません。
固体の場合はどちらの温度も熱伝導率に左右されます。

ヒータ直近の物質はヒータから伝わる熱で温められていくわけですが、同時に熱伝導により外部に熱を渡していきますからそこの温度変化だけから熱容量や比熱を求める事は出来ません。先に熱伝導を評価する必要があります、そのためには放熱先の境界条件まで求める必要があります。なお、立体では距離と共に伝熱面積も指数的に増大するので計算は手間ですね。
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熱伝導のイメージは,何かものが流れている状況を頭のなかに思い浮かべることだ。

馴染みがあるのは水の流れだろう。
川は山地では勾配が急でどんどん流れていくけど,平野ではゆっくり流れます。この川の勾配が∇Tに対応して,川の単位断面積あたりの流量がJに対応しています。
J=-λ∇Tのように負号があるのはλを正の値にしたいからです。水が左から右に流れるとき流れて行く方向が高度が低いはずです。つまり勾配は負の値です。Jは正の値ですからλを正にしようと思えば,負号が必要ですね。

> 熱源付近に配置した場合は比熱を測る事になり

それは温めた熱が周りに逃げていなければ,与えた熱量と測定された温度差で比熱が得られます。実際には熱は移動しているはずですから,その分は考慮して計算する必要があります。

> 熱源から離れた位置に温度計を置いて水温を測定した場合は熱伝導率を測る事になるのですか?

2箇所で温度を測定すれば温度勾配が分かります。熱流束は与えた熱量から推定できるので,結局,熱伝導率が計算できるというわけです。
1箇所での温度の時間変化からは,直接には熱伝導率はわかりません。しかし,上の比熱の測定でもそうですが,適切なモデルに当てはめることで熱伝導率を求めることが出来ます。

> また熱い水は水面の方へ溜まり易い理由は何ですか?

暖められると体積が大きくなることは分かりますか?物質量が変わらずに体積が大きくなれば,つまり(比重が)軽くなったということです。軽いものは重いものよりも上方に移動するのは日常生活でもよく目にするでしょう。
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