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数時間調べたのですが載っていなくてわかりませんでした。

ブラウン管オシロスコープで微分回路測定をしたのですが、(任意のCーRの組み合わせで出力波形を作りました)この実験から求まる時定数τとCR積の値がほぼ一致するのはなぜでしょうか??

宜しくお願い致します。

A 回答 (4件)

難しく書いてしまったようで申し訳ありませんでした。



Teleskopeさんからも指摘を頂いていますが、まず「どのような実験をされたのか」「時定数は測定データからどのようにして求めたのか」は質問の際にぜひ記してください。それがありませんと推測で答えるしかなく、回答の精度はどうしても下がってしまいます。

さて微分回路の特性測定法(時定数を求める方法)ですが、主なものに
(1)周波数特性を調べる(No.2の回答のもの)
(2)ステップ応答の波形を調べる(以下に述べるもの)
の2つがあります。おそらくはそのいずれかの方法を使われたことと思います。
ステップ応答による方法についてはNo.2の回答で漏らしていましたので、この回答の後半で補足しておきました。必要であれば一読ください。
どちらの方法で時定数τを求めても構わないのですが、どちらであってもτは本質的にCRの積と同じ値になります。

最初にまず定性的な理解のしかたとして、こんな方法はどうでしょうか。
いま水道からホースを使って水槽に水をためるとします。水槽の大きさやホースの太さは何種類かあるとします。
水がいっぱいに溜まるまでに要する時間と、水槽の大きさ・太さにはどんな関係があるでしょうか。
・水槽が大きいほど、それに比例して時間がかかる
・ホースが細いほど時間がかかる
のは自明です。
「水槽がいっぱいになるまでの時間」は、「水槽の大きさ」×「ホースの流れにくさ」で決まることもご理解いただけると思います。
微分回路の場合もほぼ同じです*1。コンデンサは電荷を溜めるものですから水槽に相当し、Cの値が大きいほど水槽の容量が大きいことになります。抵抗はホースに相当し、Rの値が大きいほど水が流れにくいことになります。
微分回路の場合、CとRの積が大きいほど「水が溜まりにくい」、即ち電荷の移動に時間がかかることはお分かりいただけると思います。これがmag44tedさんのおっしゃる「コンデンサの容量と抵抗にも比例するから」の部分に相当します。これで時定数が、CとRの積に比例するらしいことまでは見当が付くと思います。

繰り返しとなりますが時定数とは「対象としている系の応答の速さを表す時間的な尺度」です。応答の速さの目安ですから、何か係数を掛けて0.37CRでもCR/8でも何でも、好きな数字で代えてもやはり目安として使うことはできます。しかし単にCRの積で十分な目安として使えるのですからわざわざ係数を掛ける必要もないところです。従って単にCRの積をもって時定数τとしていると理解すればよいでしょう。
ただ「わざわざ係数を掛けない」というのは人間が決めた約束事ですので疑問は残るかも知れません。mag44tedさんの補足の前半部分、「τ=CRの比例定数が1になるような割合が設定され」はこのことを意図されているのか思います。CR積と時定数が比例関係にあることは分かったが、それがぴたり一致する(係数が1である)のがどうも不思議だ、ということですよね。

これを説明するにはどうしても式を使わざるを得ません。「物理が苦手で・・・」とのことですがしばらくおつき合い下さい。
微分回路の動作を支配する方程式は、以下の【補足】の式(A1)~(A3)を連立させた
V_i = R dQ/dt + Q/C   (8)
です(V_iはこの場合、定数でなく時間的に変化する関数でもよい)。この式はNo.2の回答の場合を含めすべての場合に適用できます。
この形の微分方程式を解くと常に
Q = A exp(-t/CR) + B(t)   (9)
という形の解が得られます。詳しくは微分方程式の教科書を参照してください(一番最初に出てくるはずです)。Aは定数で、B(t)はV_iによって決まるある関数です。【補足】の例のように単に定数であることもあります。

(9)の前半部分にはexp(-t/CR)という項が入っています。時間tがCRで割られて無次元化され、指数関数exp(x)(ご存じかと思いますがe=2.71828...のx乗のことですね)の中に収まっています。この表現はCRの積が時間尺度であるとの意に解釈できます。ですからCRの積を「時定数」としてその系の応答を代表する時間尺度と考えるのは自然な成り行きです。
もし(9)で、exp(-t/CR)でなくexp(-t/3CR)だったりすれば、係数3が付いた3CRを時定数にするのが自然ですが、実際にはそのようなことはないわけで、CRを時定数そのものと考えるのが合理的ということになります。また方程式(8)はCやRの大きさによらず成立します。従って(理論上は)CやRがどんな値でも時定数はCR積でよく、なにか係数を掛けて補正する必要はないことが分かります。

まとめますと
(1)回路の応答の速さは、コンデンサの容量Cと抵抗Rに比例する。容量Cが大きいほどコンデンサに電荷を満たすのに時間を要する。またRが大きいほど電流が流れにくく、Rを通じて単位時間に供給できる電荷の量が少なくなるからである。
(2)時定数τがCR積そのものに等しい(係数をかけなくてよい)理由は、微分回路の応答を示す式(9)による。すなわちこの式の中の本質的な項exp(-t/CR)で、時間tを割っている分母がほかならないCR積だからである。
といったあたりになるでしょう。

*1 ホースの場合は水槽の水かさが増しても流量は変化しませんが、微分回路の場合は抵抗の両端の電圧が、コンデンサに電荷が溜まるに従ってだんだんと小さくなり、電流も次第に小さくなる点で異なります。
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【補足】ステップ応答から回路の時定数を求める方法
実験方法と、得られる典型的な波形は参考ページ[1]でご覧ください。
実際には単発のステップ入力(t<0で入力=0、0≦tで入力=1)で応答波形を調べるのは難しいので、繰り返しの矩形波を入力してその応答を調べます*2。これも参考ページ[1]の右側の図に出ています。

微分回路の入力に、時刻t=0で急に入力にV_i=V_1なる一定の電圧をかけたとしましょう。

X  C  Y
○─┨┠─┬──●
↑    <  ↑
入    <R  出
力    <  力
○────┴──●
     Z

コンデンサの両端の電位差をV_C(図中、Y点を基準にXの電位を正にとる)とすると、
V_C = Q/C   (A1)
が成り立ちます。Qはコンデンサに蓄積された電荷です。
一方抵抗Rに関しては、抵抗の両端の電位差をV_R(Z点を基準に、Y点の電位を正に取る)とすると、抵抗に流れる電流(Y→Zの向きを正にとる)をiとして
V_R = iR   (A2)
が成り立ちます。
出力端子からの電荷の出入りは無視できるので、Qの時間的な変化率がそのまま電流iになります。すなわち
dQ/dt = i   (A3)
が成り立ちます。V_C+V_RはV_i=V_1に等しいので
V_1= R dQ/dt + Q/C   (A4)
なる微分方程式が立てられます*3。この微分方程式は容易に解かれて
Q = A exp(-t/CR) + C V_1   (A5)
なる形の解が得られます。Aは定数です。
t=0でQ=0であること(初期条件)を考えると、Aは -C V_1に等しく、結局
Q = C V_1{1-exp(-t/CR)}   (A6)
を得ます。1次応答ではしばしば見られる形です。
さて出力電圧V_oはV_Rに等しく、またV_1 - V_Cでもありますから(A6)を使って
V_o = V_1[1-{1-exp(-t/CR)}]
   =V_1 exp(-t/CR)   (A7)
ということになります。これも1次応答でよくお目にかかる式です。t=0でV_1に等しく、t→∞で0に漸近します。
回路の挙動を考えればごく当たり前の結果で、t=0ではコンデンサは全く電荷を蓄えておらず両端の電位差は0、従って抵抗に全電圧V_1がかかります。十分に時間が経過してコンデンサには十分な電荷が蓄えられ、抵抗を電流が流れなくなれば抵抗両端の電位差が0になります。

さて実験では、オシロスコープの波形を(A7)とフィッティングさせて時定数τを求めるのが通常です。図2にその様子を示します。振幅が初期値に対し1/eになる時刻がτですが、その時刻では(A7)で1=τ/CRを満たすわけですからτ=CRになるのは自明です。逆に言えば回路の特性(時間的な応答の速さ)はCR積で決まるものであり、それを時定数と名付けている、と言ってもよいと思います。

V_o

* ←初期値 V_1        
│*
│ *
│   *         最後は0に漸近する
│      *       ↓
└───┼──────*───*───*───*─→t
t=0  t=τ
   (初期値の1/e≒0.368...倍になったタイミング)

図2 矩形波入力に対する微分回路の応答と、それからτを決定する方法


[1] http://www.sjc.ac.jp/facilities/hard/bibun.html

*2 矩形波の周期が、微分回路の時定数(CR)に比べて十分に大きければ、出力波形はステップ応答と見なせます。ステップ入力の場合に限らず、このような線形システムの応答特性は物理学・工学を学ぶ上での基本です。
*3 最初の回答(No.2)では微分を使わずに、代わりにコンデンサのリアクタンスを1/jωCなどとして処理しました。これは周波数一定の正弦波交流を加えた定常状態の解析にのみ使える方法です(微分演算と、jωをかける演算が同じことになるため)。過渡状態(過渡応答)に関しては上記のようにきちんと微積分を使って解きます。
もう少し先に進むとLaplace変換を習うと思いますが、Laplace変換を使うと過渡応答についても、微積分を行うことなしに代数的操作のみで回路の応答を調べることができます。

参考URL:http://www.sjc.ac.jp/facilities/hard/bibun.html

この回答への補足

こんにちは、再び懇切丁寧なご回答ありがとうございます。

私が行った実験は正弦波形で、ステップ応答の方法になります。

時定数は、実験から得られたCとRの値をτ=CRの公式に代入して求めました。

Umadaさんのご回答を参考にレポートが書けそうです、本当にありがとうございました。

補足日時:2004/05/05 10:53
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No1です、注意散漫で「一致しないのはなぜか」と誤読してしまいました。

どうも失礼しました。
実験は正弦波ですかパルスですか。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなってしまい申し訳ありませんでした、実験は正弦波になります。

どうもありがとうございました。

お礼日時:2004/05/06 16:20

こんにちは、ヤング率測定のご質問以来ですね。



ブラウン管オシロスコープで行った「微分回路測定」の内容が具体的に分からないのですが、想像いたしますとC, Rの値の組合せをいろいろ変えながら次のようなことをされたのではと思います。
(1)入力周波数(角周波数)をいろいろ変化させながら、入力電圧と出力電圧の振幅比を測定する。
(2)(1)の結果を対数グラフ(両対数グラフ)にプロットする (図1のようになると思います)
(3)図1のグラフの変曲点(二つの直線の交点)を求め、その角周波数をω_0とする。
(4)時定数τを、τ=1/ω_0で計算する

出力/入力比(振幅の比)

│       ↓あるところから平らな直線に
│      ──────
│    / 
│   /←最初は、周波数が倍になるごとに電圧は倍にになる
│  / 
├─/───┼─────→log ω
│/    ω_0

図1 微分回路の周波数特性

さて微分回路をもう一度描いてみます。
  C
○─┨┠─┬──●
↑    <  ↑
入    <R  出
力    <  力
○────┴──●

入力電圧をV_i、出力電圧をV_oとすると、
      R
V_o = -----------・V_i   (1)
    R+(1/jωC)
の関係があります。ωは角周波数2πf、jは虚数単位です。
いま、|1/jωC|≫Rの条件が満たされるなら、すなわちωが十分に小さいなら(1)から出発して、V_o とV_iの比を
V_o   R
---- = ------- = jωCR   (2)
V_i  1/jωC
と書き換えることができます。|V_o/V_i|が、ω(あるいはf)に比例して大きくなることが分かります。
一方|1/jωC|≪Rの条件が満たされるなら、すなわちωが十分に大きいなら(1)は
V_o   R
---- = ------ = 1   (3)
V_i   R
となってなんのことはない、V_o/V_iは1で一定ということになります。

さて二つの直線の交点ω_0を求めてみましょう。
これは(2)と(3)を連立させればよいわけです。図1では位相の変化は考えずに振幅だけを表していますので、絶対値記号を入れるのに注意。
|jω_0・CR|=1   (4)
と式を立てればよく、ω_0=1/CRとすぐに求まります。両辺の逆数を取れば時定数τ=CRになるわけです。

以下は余談です。
(2)(3)はωが十分に大きい/小さい時にのみ使える近似でした。ところがω≒1/CRの付近ではこの近似は使えず、(1)をまともに使うことになります。
V_o    R
---- = ----------    (5)
V_i  R+(1/jωC)
ですが、ω_0=1/CRであるようなω_0ではω_0=1/CRの関係を代入して
V_o  1
---- = ----    (6)
V_i  1-j
となります。絶対値では
|V_o |    1
|----| = --------- = 1/√2   (7)
|V_i | √(1^2+1^2)
となって、(2)(3)の交点から1/√2倍の分だけ下側を通ることが分かります。図1では図示の制約からこの部分を上手く描けませんでしたが、例えば下記のページ[1]のグラフなどだとよく分かると思います。

[1] RC微分回路 http://luckypool.hp.infoseek.co.jp/S/RC_differen …

参考URL:http://luckypool.hp.infoseek.co.jp/S/RC_differen …

この回答への補足

こんにちは、今回もとても懇切丁寧な解答ありがとうございます。

私は物理が全く苦手なものなので、Umadaさんの説明は難しくて、十分な理解はできませんが、

「τ=CRの比例定数が1になるような割合が設定され、
コンデンサの容量と抵抗にも比例するから」という答えでよいのでしょうか??

宜しくお願い致します。

補足日時:2004/05/03 19:33
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時定数=CRですから、掛けた値がたまたま同じなら有り得ますが、任意の値がすべて同じ時定数になったのならどこかが変です。



1.実験した抵抗とコンデンサの値を数組
2.実験回路の構成
3.波形から時定数をどのように得たのか

をできるだけ具体的に書いて下さい。一般に、これらが書いてある質問ほど役立つ回答がゲットできてます。
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