A 回答 (28件中1~10件)
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No.1
- 回答日時:
まず押さえておきたいポイントは、観測者である自分に対して速度を持っている物体では質量が増加するということです。
それが、相対論的質量と呼ばれています。例えば自分がロケットに乗ってぐんぐん加速していっても、決して自分は重くなりません。自分は自分に対して速度を持っていません。速度0であるわけです。
相対論で大事なポイントは「観測者である自分は常に静止だと考える」ということにあります。動いているのは、いつも自分以外なのです。例えば、ロケットに乗って火星へ向かっているとします。常識的には飛んで行っているのは自分です。しかし、相対論では「火星がこちらへ向かって飛んで来る」と考えます(数式がそのようになっている)。
常識的な表現とは、ちょっとかけ離れています。その点で誤解が生じやすいのですが、相対論は相対論流の言い方をしますので、こちらが慣れるしかありません。
速度も「相対速度」という言い方をします。ロケットからすれば「火星がある速度で近づいている」わけですが、火星からすれば「ロケットがある速度で近づいてくる」ことになります。そのように、速度が立場ごとでお互い様な見方をするので、相対速度と呼んでいます。
地球にいて、地球が加速されたとします。しかし地球にいれば重力は変わりません。地球は動かされていますが、自分も地球にいていっしょに加速されています。(相対)速度は0です。地球の相対論的質量は変わらず、重力も変わりません。
しかし、地球の外にいて(例えば火星)、加速されていく地球を眺めているとすると、地球はどんどんスピードを増していきます。このとき、地球の重力が変わるかどうかが問題になります。
結論を申せば、地球の重力は変わりません。速度によって変わってしまうのが相対論的質量です。これに対して、普通の意味での質量を静止質量と呼びます。重力は静止質量によって決まり、相対論的質量とは無関係なのです。
P.S.
ただし、地球が極めて頑丈だとして、自転をどんどん速めるとします(※理由説明は割愛しますが、外から力を加えることが必要)。火星から眺めていたとして、赤道が限りなく光速度に近づいていきます。この場合は、地球の重力は増します。
あるいは、地球を外からどんどん熱するとします。1兆度、さらにその1万倍、さらにその1万倍の……というレベルにしたとします。その場合も重力は増します。
これらは、エネルギーという点でみると、一か所にあるエネルギーが増えているということになります。質量も相対論で有名な公式「E=mc^2」から、エネルギーの一種だということが分かっています。
重力は、質量を含むエネルギーが一か所にあることによって生じるということです。
しかし等速直線運動だと、速度が速いほどエネルギーが大きいのは確かですが、場所を移していく度合いも大きくなります。そのように、一か所に留まっていないので(エネルギーの高さと、どんどん動いてしまうことがキャンセルして)、重力が増すようにはならないのです。
この回答への補足
詳しく回答を下さりありがとうございます。
いくつか分からない点がありますので質問しても宜しいでしょうか。
勝手ながら質問させて頂きます。
回答頂けましたなら幸いです。
>>重力は静止質量によって決まり、相対論的質量とは無関係なのです
について質問致します。
いくらエネルギーを使って地球を加速したとしても、相対性理論によると自分と自分のいる地球は"静止"していると考え質量増加はない(動かしにくさは変わらない)とのことですが、この加速に使うエネルギーはどこに消えるのでしょうか?
また、相対性理論によるといくらエネルギーを使って加速したとしても、そうでないエネルギーを使っていない他の観測者が加速したと考えるのでしょうか?
また、この理屈で考えると、いくらエネルギーを使って加速しても、自分は静止したままで、自分以外が加速することになるとおもうのですが、この場合、自分以外の加速したものの質量もやはり増えないのでしょうか?
やっぱり加速に使ったエネルギーは空間に消えてしまったということなのでしょうか?
最後にもう一つ質問させて頂きます。このように考えていくと、双子のパラドックスはパラドックスではなく文字通りの矛盾になってしまうと思うのですが・・・
このあたりの矛盾についてどのように折り合いを付ければいいのでしょうか?
No.2
- 回答日時:
「質量が増加する」が本当かどうかといわれると, 「質量って何?」って聞き返さざるを得ない.
まず, 力を作用させると運動量が変化する. ただし, 運動量が変化するほどには速度は変化しない. これは, (アインシュタインの) 相対性理論ではちゃんと定式化されているので何も疑問にはならない. しかし, ニュートン力学に固執すると (運動量 = 質量×速度だから) 「質量が増えた」と考えざるを得ない. これが「質量が増加する」の真の意味.
ただし, エネルギーが空間的に局在化すると「質量」として見える, というのは #1 の説明の通り.
No.3
- 回答日時:
質量と重量は別物です。
地球は人工衛星からみると何もない空間に浮かんでいる様に見えるはず=支えているものがない=重さがない?。
可能性の話として、重力(加速度)エンジンというものが可能なら。
質量が増えれば、重力による加速度も比例して増える、質量が無限大になれば、重力加速度も無限大になる、結果光の速度を超えることも可能???。
重さは普通は地球の引力(重力加速度)場で計測した時の表示、同じものを月面で計ると(月の引力)約四分の一の重さになるのは聞いたことがあると思います。
地球の重さ=地球の質量と同じものを地球の引力(重力加速度)場ではかっととしたら・・の計算上の数値です。
>相対論によれば地球の質量が増し
相対論のため相対的に・・・なので、言い換えれば、見かけ上ということもあり得ます。
No.4
- 回答日時:
ニュートンカ学的な慣性質量は
増加します。これは加速器を使って荷電
粒子で観測できます。
ただしこれは従来の質量とはかなり異質なもの
なので、最近は「質量」と呼びません。
重力が増えるという意味での重力質量は
増えません。
昔のマレイラインスターの名作、「揺れる宇宙」
というSFは、亜光速宇宙船がその増大した重力で
地球に大災害と引きおこすのを間一髪で防ぐという
内容でしたが、今思いおこすとまちがいだらけでした。
私も昔はこういうのを素朴に信じてました。
この回答への補足
回答ありがとうございます。
wikiを参照しますと慣性質量と重力質量は等価であると書かれています。
それなのに慣性質量が増して重力質量は変わらないということがあるのでしょうか?
No.5
- 回答日時:
#1です。
>いくらエネルギーを使って地球を加速したとしても、相対性理論によると自分と自分のいる地球は"静止"していると考え質量増加はない(動かしにくさは変わらない)とのことですが、この加速に使うエネルギーはどこに消えるのでしょうか?
何者か外から地球を押されたなら、押した者がエネルギーを使っています(地球は何もせず、エネルギーを使わない)。地球が、例えばロケット噴射した場合なら、噴射した推進剤のエネルギーとなっています。
>また、相対性理論によるといくらエネルギーを使って加速したとしても、そうでないエネルギーを使っていない他の観測者が加速したと考えるのでしょうか?
そうです。ただ、それを正確に記述できたのは特殊相対論(ニュートン力学と同等までしかやれていない)ではなく、一般相対論です。一般相対論になってようやく、加速系にいる観測者が「自分は静止で、周囲が加速度運動して見えるような重力場にいる」として、正確に記述できるようになりました。
もちろん、加速系の観測者が、自分が加速しつつあるとして現象を記述することも可能です。それは、ニュートン力学でもできているし、特殊相対論を加味しても問題ありません。
>また、この理屈で考えると、いくらエネルギーを使って加速しても、自分は静止したままで、自分以外が加速することになるとおもうのですが、この場合、自分以外の加速したものの質量もやはり増えないのでしょうか?
相対論的に加速系の観測者が自分が静止とするなら、そういう重力場にいることになります(地表に立っているのも、宇宙空間での1G加速も同じ、という等価原理的なもの)。自分が加速しているとすることも、もちろん可能です。
>やっぱり加速に使ったエネルギーは空間に消えてしまったということなのでしょうか?
地球がロケット推進したなら、推進剤が得たことになります。外から押したなら、押した者がエネルギーを消費しています。
>最後にもう一つ質問させて頂きます。このように考えていくと、双子のパラドックスはパラドックスではなく文字通りの矛盾になってしまうと思うのですが・・・
矛盾とはなりません。特殊相対論の段階でカタが付いている問題です。
>このあたりの矛盾についてどのように折り合いを付ければいいのでしょうか?
計算すれば双子の状況が一致することが出ます。なお、解説は割愛しますが(教科書やネットにゴマンとある)、双子のパラドクスは特殊相対論で解ける以上、特殊相対論を包含した一般相対論でも解けます。
この回答への補足
「地球が、例えばロケット噴射した場合なら、噴射した推進剤のエネルギーとなっています」
についてなのですが、地球がロケットを噴射して得た推進力は地球の加速に使われ地球の速度が上がると思うのですが、相対論ではこの場合は推進力は地球以外の全ての物質の加速に使われたと考えるのでしょうか?
だとするなら、地球のみを加速する場合とそれ以外の全ての天体を加速するのに必要な仕事量は全く違うと思うのですが、これについてはどのように理解すればいいのでしょうか?
例えば相対論では地球を1G加速した場合と、地球以外の他の全ての天体を1G加速した場合と等価となるということと理解しますが、それぞれの場合について必要なエネルギーが段違いだと思うのです。
No.8
- 回答日時:
#5です。
>地球がロケットを噴射して得た推進力は地球の加速に使われ地球の速度が上がると思うのですが、
その速度は誰が観測者になっていますか? そこを明確にしないと物理学の話にはなりません。
>相対論ではこの場合は推進力は地球以外の全ての物質の加速に使われたと考えるのでしょうか?
いいえ。一般相対論まで持ち出したとしても、さすがにそういう考え方は出来ません。
>だとするなら、地球のみを加速する場合とそれ以外の全ての天体を加速するのに必要な仕事量は全く違うと思うのですが、これについてはどのように理解すればいいのでしょうか?
だとしないので、これについては省略します。
>例えば相対論では地球を1G加速した場合と、地球以外の他の全ての天体を1G加速した場合と等価となるということと理解しますが、それぞれの場合について必要なエネルギーが段違いだと思うのです。
等価ではないです。等価なのは、加速度運動と重力です。
特殊相対論では、等価原理を導入していないゆえ、加速度系の観測者は自分を慣性系にいるとして考えることはできません。自分が接慣性系を次々に乗り換えているとみて、(時々刻々、自分と並走する慣性系を考えるということ)、それが慣性系からどうなっているかを記述します。
一般相対論では、加速度系にいる観測者が自分を静止だと考えることが可能になります。その場合、自分が重力場にいて、自分以外が自由落下していると見做して、世界を記述します。そのため、例えば地球上にいて、世界を自分を中心とする天動説な記述すら可能です。
地球がロケット噴射をするとして、地球上の観測者が自分が静止だと見做すとすると、ロケット噴射は重力場中で自由落下しないために行われていると見做します。周囲の他の物体は、その重力場中を自由落下していることになるわけです。
地球のロケット噴射が他を加速するなどという見方は、既知の物理学からは決して出てきません。「重力と加速度は同じである」という等価原理は、加速度運動と見ないなら、重力場中だと見るということです。加速がお互い様の相対的なのではありません。
その辺りの混同は、解いておいてください。でないと「違いますよ」と答え続けるしかなくなります。
回答ありがとうございます。
何度も済みません。
私の質問です>>地球がロケットを噴射して得た推進力は地球の加速に使われ地球の速度が上がると思うのですが、
回答者様の補足です>その速度は誰が観測者になっていますか? そこを明確にしないと物理学の話にはなりません。
これについてなのですが、観測者は地球または地球上にいる観測者とします。例えば地球を車に例えて、観測者をドライバーとしてもいいです。
車を加速すると速度が上がります。誰が観測者になっていようと、加速された車が加速されたのであって、その他の地球上のもの全てが加速されたとは考えないと思います。
また加速でなく重力場の中を自由落下していると考えても同じことではないかと思うのですが・・・
どうも分かりにくいので、問題点を変えたいと思います。
無重力空間に観測者Aと観測者Bがいるとします。
また、初期状態では両者とも同じ慣性系で静止しているものとします。
観測者Aはおならをしたくなりました。
観測者Aは屁をぶっ放してライターで点火しました。
田舎のじいちゃんばあちゃんではありませんが強くて元気、ロケットのように加速してしまいました。
この時加速度を感じているのは観測者Aです。観測者Bは静止したままです。
ところが、相対論によると観測者Aは重力場の中を自由落下していると見做せる、または観測者Aは静止したままで観測者Bが加速度運動をしている又は重力場の中を自由落下しているとも見做せる、ということなのでしょうか?
であるなら、観測者が感じる加速度の辻褄はどのように合わせればいいのでしょうか?
重力場の中を自由落下するのと無重力状態下で加速度運動をするのは、確かに第三者から見ると同じ運動と見做せますが、運動している本人からすると自由落下の場合は加速度を殆ど感じず、加速度運動の場合は加速度を感じるのです。
また加速度計を持っていたとしても、自由落下の場合は極めて微小な加速度運動を計測し、加速度運動の場合は加速度に合わせた値を計測するものと思います。
No.9
- 回答日時:
#8です。
加速については、何を疑問に思っておられるか、少し分かってきたような気がします。ちょっと私は誤解していたようです。
もし私がまた勘違いしているのでなければ、「加速度運動は作用・反作用のため、お互い様に起こる」ということになります。
地球がロケット噴射するのであれば、噴射されたガスが加速されるのはもちろんですが、地球もガスと反対側に加速されます。車が地表で加速するとき、地球も反対側に加速されます(地球表面が押されるため、回転の加速になる)。
ただし、地球と離れたもの、例えば火星はまったく加速されません。火星は地球から噴射されるガスや、地球の地表を走る車と力学的な力のやりとりが発生しないからです。
しかし、物体が地球に落下してくるとなると話は違ってきます。地球に落下するということは地球の重力に引かれて落ちてきます。その場合、地球もその物体の重力に引かれています。ニュートンの重力式をみると、二つの物体の間に働きます。どちらかだけに働くものではありません。だから、地球も物体に重力で引かれて加速度運動を起こします。
>観測者Aは屁をぶっ放してライターで点火しました。
>田舎のじいちゃんばあちゃんではありませんが強くて元気、ロケットのように加速してしまいました。
>この時加速度を感じているのは観測者Aです。観測者Bは静止したままです。
その通りです。
>ところが、相対論によると観測者Aは重力場の中を自由落下していると見做せる、または観測者Aは静止したままで観測者Bが加速度運動をしている又は重力場の中を自由落下しているとも見做せる、ということなのでしょうか?
簡潔に言えば違います。部分的に正しいとできるものはありますが、もうどういう条件下で、といったことを繰り返し説明はしません。しても伝わらなかったことは、上記一文で明らかですから。
>であるなら、観測者が感じる加速度の辻褄はどのように合わせればいいのでしょうか?
既に前提が間違っているので、間違いからどうするかを考えても仕方ありません。
>重力場の中を自由落下するのと無重力状態下で加速度運動をするのは、確かに第三者から見ると同じ運動と見做せますが、運動している本人からすると自由落下の場合は加速度を殆ど感じず、加速度運動の場合は加速度を感じるのです。
ほぼ、その通りです(正確に考察すると、違う点があったりはするが、そこが理解できる段階とは思われないので、考えなくてOK)。
>また加速度計を持っていたとしても、自由落下の場合は極めて微小な加速度運動を計測し、加速度運動の場合は加速度に合わせた値を計測するものと思います。
こちらは間違いです(正確に考察すると、合っている点があったりはするが以下同文)。
「相対論によると」としてお話されたいのでしたら、疑問を持てる程度に、質問できる程度には理解してください。例えば、相対論はニュートン力学を否定していません。多少の修正をするだけのことです。ご質問には、相対論ではニュートン力学と矛盾するようなことが起きるかのように誤解していると危惧されるようなものが含まれています(説明が曖昧=数式がないため、断言はしない)。
等価原理を間違えて覚えてしまっていたようです。
自分が加速すると自分以外の周囲が自由落下を始めたのと同じなのですね。
勉強になります。詳しく解説を下さりありがとうございました。
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