No.2ベストアンサー
- 回答日時:
ハイゼンベルグの思考実験は、そのビデオのとおりなので、ハイゼンベルグの不確定性原理の説明としては、間違ってはいませんよ。
ただ、波動関数から、導き出される量子力学的な不確定性の説明としては、確かに不充分かもしれません。
ただ、ハイゼンベルグがそのような思考実験を持ちだした理由と言うのもあるので、そのような思考実験を説明するのは、意味があると思います。(初学者向けなわけですから、さらに深く量子力学を学べば、また別の見方が出てくるのはわかるはずです)
物理学には、自然を認識するのに、観測により法則を見出す方法と、自然のメカニズムを解き明かして法則化する方法があります。
簡単にメカニズムがわかれば、当然メカニズムを解き明かした方が良いんですが、自然というのもそこまで単純ではありません。
ハイゼンベルグの場合は、どちらかと言えば観測主義の立場なわけです。
もちろん、メカニズムとしての不確定性も否定していたわけでは無いでしょうが、観測者の立場から不確定性を認識するには、測定方法自体が不確定性を生み出すと言うのは、自然な発想だったと言う事でしょう。
不確定性原理からは、原子の中の電子は、一定の確率で、存在している事になり、運動量が決まっている場合は、どこにいるかはわからないです。(原子の中にいる事はわかります)
これとは、逆に電子は陽子のまわりを一定の軌道でまわっていると主張する考えもあります。
ただ、観測系の不確定性原理から、それを測定する事は出来ないです。
波動関数からは、もともと電子の運動量と位置はゆらいでいると言えるので、観測するまでは不確定であると主張できるので、この場合は一定の軌道でまわっているという状態になる可能性もあれば、存在確率のゆらぎで不確定な状態にある可能性もあります。
ただ、ここら辺は、観測出来ないわけですから、どう考えても良いとも言えます。(誰も確認出来ない)
観測出来ないならば、どちらでも結果は同じと考えれば、それでも良いとも言えますね。(あくまで解釈の問題で、計算結果は同じです)
少なくとも、どちらの立場でも、電子は原子の中にあると言う事しか言えないです。
基本的には、そのビデオだけで、量子力学が理解できるわけでは無いです。
むしろ、その思考実験から、波動関数にどう結び付けるかが、授業の要になるでしょう。
No.6
- 回答日時:
物質は、波として表現することが出来ます。
ドブロイは①λ=h/(mV )(λ=波長・h=プランク定数・m=物質の質量・V=速度)
と表現しました。
従って、
②h/m=λ×V=波長×速度
と言う関係が成立します。h/2π=hバー(ディラック定数)、プランクエネルギー=Mg(プランク質量)×C^2(光速の2乗)、h=2π×プランクエネルギー×Sp(プランク時間)、C=Lp/Spなので、②は
③速度×波長=h/m=2π×Mg×C2×Sp÷m=2π(Mg/m)×C×Lp (Sp=プランク時間・Lp=プランク距離)
∴④h/2πm=(Mg/m)*C*Lp
と変形されます。
この様に、質量mが定まると、波長×速度が一定値となるので、波長を小刻みに変化させると速度は大きく変化し、逆に速度を小刻みに変化させると波長が大きく変化してしまうのです。
つまり、波長を正確にしようとすると速度が雑になり、逆に速度を正確にしようとすると波長が雑になります。ですから、正確には物質を記述することが出来ず、未来の予測も出来なくなります。これを「不確定性原理」と言います。
詳細は、師匠のホームページ
http://www42.tok2.com/home/catbird/fukakuteiseig …
を参照下さい。
No.5
- 回答日時:
小さくなったあなた自身が不確定性原理の影響を受けるんじゃないのでしょうか?
No.4
- 回答日時:
そうした例は、不確定性が現象的に派生するものである
印象を与えるが、実際は逆で、確率波動が本質で、存在
的確定性の方が、階層現象的に波動を潜在化させる事で、
派生しているのだ。
たとえば、個別に数えられる電子を1個ずつ、2つの平行
なスリットを通して、向こう側にあるスクリーンに放つと、
やがて点の集積は、2本のスリットではなく干渉縞になる。
それが意味するのは、それぞれの電子(スリットのどちらか
一方を通る)が先にスクリーンに消えた電子の後を覚えていて、
共同で干渉縞を描いているか(まさか!)、1個の電子の2つ
のスリットを通る可能性同士が干渉しているか、のどちらかだ。
その事は現象的なものだけでなく、ミクロの世界においても、
複数の素粒子の相互作用において、Aの状態からBの状態に
なる確率は、AとBをつなぐ複数の現象の可能性を全て足した
値になるという「経路積分」としても現れている。
No.3
- 回答日時:
質問者さんの指摘のほうが正しいです。
今日の量子力学では、ビデオで説明されているような現象を「観察者効果」と呼んで、不確定性関係と区別して考えるのが普通です。
ミクロな粒子の実体は、波の重ね合わせであり、局在した(位置の不確定性が小さい)波束を作るためには複数の波数(運動量)を持つ波を重ね合わせる必要があります、逆に確定した運動量を持つ波では、空間的に広がってしまい局在した波束を作れません。
したがって、位置と運動量の間にはトレードオフの関係が存在し、この不確定性は観察を行うか否かには関係がありません。現代の量子力学では、このような波の重ねあわせから必然的に導かれる不確定性のことを「不確定性関係」と呼んでいます。
ただし、科学史的に言えば、ハイゼンベルグでさえ不確定性関係と観測者効果を混同して考えており、これら二つが別物であると認識されるようになったのはごく最近のようです。
この回答へのお礼
お礼日時:2015/08/19 23:21
観測にかかわらず不確定性は存在する。そのことと観測者効果は別物。しかし、ハイゼンベルクもそれを混同しており、区別されるようになったのは最近というのは驚きです。ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
「波長が短くエネルギーが大きい波を当てると」「波長が長い波を当てると」ということと、「自分が小さくなって粒子の位置を肉眼で確認」することは、同じ「光を介して観測する」という点で同じことです。
>不確定性原理の説明として、これは少々違いますよね?
いえいえ、それが本質的なことです。「観測する」「見る」とはどういうことかを、しっかり考える必要があります。「観測」を媒介する「光」自体が、観測対象と同等の量子なのですから。
「肉眼で確認」ということが、量子力学的にどういうことかを考えないと、単なる「日常経験的な五感」の世界で、感覚的議論しかできません。
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