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ヴェルディのオペラ「アイーダ」第4幕の最後の場面に「immenso Fthà! 」という神官と巫女の歌詞があり、オペラ対訳プロジェクトではこれを「偉大なるプタハの神よ! 」と訳しています。
Fthàの発音(読み方)と、なぜ和訳でプタハとなるのかをご教示ください。

プタハで調べるとPtahと表示され、エジプト神話における宇宙の創造神であり常に死者の姿で現されると説明されています。FthàとPtah、両者の関連についてもお願いいたします。

A 回答 (1件)

Fthàの発音は「フター」ですね。

日本語の「フ」ではないので、一音節で「fター」という感じでしょうか。日本語では、プタハとかプター、ピターなどと書かれますが、エジプト神話の創造神で、ヒエログラフという象形文字で書かれています。三文字からなっていて、最後の螺旋のような文字はhに当たります(下記サイトの右側の図)。
https://de.wikipedia.org/wiki/Ptah

このhは、日本語の「ハ」からは遠い発音だと思いますが、子音hとしては強く発音されたようなので、日本語の「プタハ」は古代エジプトの発音にある程度近づけようとした表記でしょう。実際にはpitah、「ピタフ」か「ピタヘ」のような発音ではなかったかと推測されているようです。三文字はpthに当たりますが、これがコプト語に、現在の英語表記と同じptahに当たる綴りで残り、それがさらにギリシャ語に入ってφθαと表記されました。この段階で最後のhがなくなったようですが、ギリシャ語にそういう発音がなかったからなのか、その辺は私にはわかりません。ギリシャ語には、pのような子音が二つあって、無気音が「π」、有気音が「φ」ですが、プタハの表記「φθα(プター)」の最初の文字は有気音のpです。

π
http://toxa.cocolog-nifty.com/phonetika/2004/09/ …
φ
http://toxa.cocolog-nifty.com/phonetika/2004/09/ …

これらのギリシャ文字をラテン文字に書き換えたとき、「π」を「p」で、「φ」を「ph」で表記しました。ところが、ギリシャの古典時代にははっきりした息を伴ったpの音だったφが、fの発音に変化したのです。今でも、photoとかphilosophyなどの語にphという綴りが残っています。イタリア語の場合はこの「ph」の綴りを残さず、発音に合わせて「f」表記に置き変えたので、ギリシャ語表記「φθα」 → ラテン語表記「phtha」 → イタリア語表記「Fthà」というよう変化しました。

和訳のプタハは古代エジプトの発音にある程度近いもの、イタリア語のFthàは、コプト語とギリシャ語との違いのために「ハ」がなくなって、ギリシャ語の発音の変化のために「プ」が「フ」になった結果、大体そんなことではないかと思います。下記サイトも参考になります。

http://www.toskyworld.com/archive/2004/0409greek …

http://www.newworldencyclopedia.org/entry/Ptah
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この回答へのお礼

早速に、大変詳細なご回答をいただきありがとうございました。
「photoとかphilosophyなどの語に残っている」に「phという綴り」が、まさに歴史を物語っているの残影なのですね。納得いたしました。

お礼日時:2016/02/29 16:23

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