No.2ベストアンサー
- 回答日時:
自信がないまま、自分なりに調査・考察を進めていたのですが、No.1のmimireさんのお父様がおっしゃる解釈が自分のものとそれなりに一致しましたので、勇を得て現時点での一応のご報告を致したいと思います。
まず「仏祖統紀」ですが、
http://www.tabiken.com/history/doc/P/P351R100.HTM
に(日本語で)詳しい解説があります。全54巻で、中国の宋代の僧・志磐の撰述。1269年完成。仏教の祖である釈迦牟尼仏より宋代に至る高僧の業績とその足跡を列記したもので、中国の正史の体裁に従い、紀伝体で書かれているそうです。和訳したものが『国訳一切経』に収録されているとのことですので、該当部分をご覧になったらと思います。図書館蔵書を検索してみましたが、田舎住まいの私の近辺の図書館では無理のようです。
で、該当部分(外国語の方の質問〔923658〕に引用なさっている部分です。)の大意ですが、
キン(竹冠に均)州の僧である惠洪【「あざな」は覺範】は、宰相であった張商英と節(度?)使であった郭天信(の事件)に連座して崖州(海南島)に流罪となった。靈源清禪師がそれを聞いて、嘆いて言うには、「蘭を中塗に植えると、必ず長年の間の緑色がない。桂(=肉桂や木犀などの仲間)の木は深い谷に生えて、ついには年を経て赤い花をつける。昔の人はこういった。『賢くて深く物事を察してながら、(自ら)死に近づく者は、人のことをあれこれ悪くいうの好む者である。』と。(確かに)覺範(=惠洪)にはそういうところがあった。」と。
というくらいだと思います(自信なし)。惠洪・張商英・郭天信は宋代の互いに親交のあった人物であることは間違いないようです。(中国語のサイトの記述を、分かるところだけ拾い読みしました。よければ、
http://ykyz.net/yuwen/Article_Show.asp?ArticleID …
などを参考にしてください。)
mimireさんが、詩の「前半と後半はまったく逆の意味だそうです」とおっしゃるのは、蘭をいいかげんな植え方をすると、本来の緑色が発揮できないのに、桂は人知れず育ってその持ち前の美しい赤色を発揮するという点だと思います。私は、惠洪が僧でありながら政治にかかわって(仏教・禅を通しての親交でもあったと思いますが)流謫されたことを、蘭にたとえ、桂のたとえで、人知れず寺に籠もって修行を積めば立派な僧になれたのに、という嘆きを表したのではないかと思っています。
詩の作者である靈源については、「宋代靈源惟清禪師」という記述のあるサイトがあり、
http://iriz.hanazono.ac.jp/data/zenseki_172.html
に記述がある霊源惟清(?-1117)のことかな、と思います。
それから、「古人謂。聰明深察而近於死者。好議人者也。」の部分は『孔子家語』の巻第三「観周第十一」にある、礼を学びにきた孔子が帰る際に、老子がはなむけとして贈った言葉の一部に相当します。これは近辺の図書館の貧弱な蔵書で確認しました。
昨日回答を拝見させていただいてから、ずっと読みいったり調べたり、お礼が大変遅くなってしまって、申し訳ありませんでした。出典、意味などとってもとてもよくわかりました。初めて漢文を見たときから、蘭も桂も悪い意味で用いられているはずはないと思うのだけど、どう解したらいいのかなあ、またこの漢文の背景をしっかり理解したいけどちんぷんかんぷん、思い切って質問させていただいて、本当によかったです。とっても勉強になりました。また本当に奥が深くて感動しています。
No.1
- 回答日時:
父が書道家なので聞いてきました。
まず意味ですが
「蘭を植えるに中途なれば、
必ずしも時を経ても緑にはならない
桂は暗い日の当たらないところに生えるも
手をかけなくてもついに真っ赤になる」
前半と後半はまったく逆の意味だそうです。
出典ですが
今までの長い書の人生で「仏祖」というものに出合ったことはないそうです。
「仏祖統紀」で検索するとたくさん出てきますが、何かの宗教っぽいですね。
父によると「仏祖」はお釈迦様を指すそうです。
お釈迦様のことばを載せた本のようです。
回答を寄せていただいて、本当にありがとうございました。質問させていただいた漢文も出典と思われる書物も今まで存在を知らず、また手元にあるもので調べてもすぐ行き詰まってしまい、質問させていただきました。とっても勉強になりました。それからお父様に聞いていただいたと書かれているのを拝見して、とっても感動です!何とか意味を知りたいと思って投稿した質問を気にとめていただいて、ほんとにほんとにありがとうございました!
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