シュレーディンガーの猫という思考実験において、
箱にシュレーディンガーの猫を入れておいた場合、箱を開け観測するまで生きている状態と死んでいる状態が共存しているそうです。
この観測についての質問なのですが、積極的でない観測を行った場合でも、事象は収束するのでしょうか。
仮に収束する場合、さらに疑問が生じます。
例えば、猫は絶命の瞬間に鳴くと仮定します。
何も知らされず、猫を入れた箱の横を数秒おきに何人かの人を通す実験を行うとします。
その箱の横を通った人に後から「何か変わったことは起きましたか?」と質問します。
「猫の鳴き声が聞こえた」と回答した人がいた場合、そのタイミングで猫は絶命したことになり、結果は収束していたことになります。
間接的な事象かつ、積極的に観測を行わない場合でも結果が収束するとすれば、
粒子の振る舞いは、間接的に何かに影響を及ぼし、その結果を誰かが観測することにより、常に定まることになります。
つまり、あたかも確率的に両方の状態があるようにふるまいつつ、常に定まった状態を持つのでしょうか?
稚拙な文章ですが、ぜひお教えください。
A 回答 (5件)
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No.5
- 回答日時:
シュレーディンガーの猫の思考実験は、次のとおりです。
まず、蓋のある箱を用意して、この中に猫を一匹入れます。箱の中には猫の他に、放射性物質のラジウムを一定量と、ガイガーカウンターを1台、青酸ガスの発生装置を1台入れて置きます。
もし、箱の中にあるラジウムがアルファ粒子を出すと、これをガイガーカウンターが感知して、その先についた青酸ガスの発生装置が作動し、青酸ガスを吸った猫は死にます。
しかし、ラジウムからアルファ粒子が出なければ、青酸ガスの発生装置は作動せず、猫は生き残ります。
「一定時間経過した後、猫は生きているか死んでいるか」と言う問題です。
ラジウムは、原子番号88の元素で元素記号は Raです。安定した同位体は存在せず、天然には4種類の同位体が存在します。
ラジウムはアルファ崩壊してラドンになります。アルファ粒子は、陽子2個と中性子2個(ヘリウム4の原子核)からなります。アルファ粒子は不安定なラジウム核のアルファ崩壊にともなって放出されます。
この様に、ラジウムはアルファ崩壊して、原子番号と中性子数が2減り質量数が4減るので、ラドンとなります。
実験に使用するラジウムの全ての粒子の状態を正確に把握出来れば、実験時間内に一つでもアルファ崩壊を起こすか否か計算出来ます。その場合、猫は生きているか死んでいるか結論が導けます。それが、果たして可能なのでしょうか。
量子力学では、粒子は波として表現し計算します。
ドブロイは、物質を物質波の方程式①「λ= h/mV」(λ=波長・ h=プランク定数・m=物質の質量・V=物質の速度)と表現しました。
これについての詳細は、 ドブロイの物質波 を参照下さい。
この様に、全ての物質は波長と速度で表され計算されます。これを波動関数と言います。しかし、この「ドブロイの物質波」の方程式は、次の様な困難(=不確定性原理)を抱えています。
「不確定性原理」は、②「h/2π(パイ)m<Δx×ΔV」と表現されます。
h=プランク定数=6.629069×10^-34J*s(ジュール×秒)・π(パイ)=円周率3.141592・m=物質の質量(単位:㎏)・x=波長(単位:m)・V=速度(単位:m/秒)です。
言葉にすると、「物質の位置を正確に確定しようとすると物質の速度が不確定になり、逆に物質の速度を正確に確定しようとすると物質の位置が不確定になる」です。
この「不確定性原理」により、ラジウムの波長と速度を正確には確定出来ません。その為、量子物理学では、ラジウムのアルファ崩壊の過程を正確に計算することが出来ず、アルファ崩壊が実験時間内に一つでも起こったかについて、イエス・ノーの結論は出ません。
ただ、確率的に、ラジウムのアルファ崩壊は60%起こり40%起らなかったとしか言えません。つまり、ある現象が起こったか起こらなかったかと言う相容れない2つが重なり合った状態として結論を表現するしかありません。
冒頭に戻ります。量子力学では、アルファ崩壊が起こった確率が60%・起こらなかった確率が40%なので、実験後猫は60%死んでおり40%生きていることになります。しかし、猫が死んでいるか生きているかはお互いに相容れません。生きているか死んでいるかしかないのです。
この様に、実験に使用するラジウムの全ての粒子の波長と速度を正確に記述することが出来れば、その中で所定時間内にアルファ崩壊する粒子があるか否か計算し結論が出ます。実験後、猫は生きているか死んでいるかはっきりします。
しかし、量子力学の手法では「不確定性原理」により、ラジウム全ての粒子の波長と速度を正確に記述することが出来ず、所定時間内に実験に使用するラジウムの中の粒子がアルファ崩壊を起こすか否かは確率でしか表現出来ません。従って、猫は60%死んでおり40%生きていると言う矛盾した結論となるのです。
シュレーディンガーは、量子力学の確率的表現を巨視的に見ると矛盾に陥ることを「シュレーディンガーの猫」の思考実験で表現しました。
詳細は、下記のホームページを参照下さい。
http://catbirdtt.web.fc2.com/syuredelinnganoneko …
No.4
- 回答日時:
一般的なシュレーディンガーの猫の実験においては、ガイガーカウンターが観測している時点で収束していると言えます。
ところがもう少し詳しく考えて、ガイガーカウンターの何が観測しているのか、その何かを自動あるいは任意にオンオフすることで、収束したりしなかったりするのか、ということになってくる(ここで”ガイガーカウンターの何か”はあまり問題ではない)。つまりガイガーカウンター自体がブラックボックスになっている。
ガイガーカウンターも猫の入った箱も、中が分からないブラックボックスであるところで同等のものと言える。つまりどこで”収束”したと言えるのか分からないってこと。
って話だったような気がする。
No.2
- 回答日時:
>「猫の鳴き声が聞こえた」と回答した人がいた場合、そのタイミングで猫は絶命したことになり、結果は収束していたことになります。
それは変です。死んだネコは啼きません。だから永遠に分からないのです。「シュレーディンガーの猫」は矛盾に満ちていて悪名高い実験です。二重スリット実験でさえ矛盾を含んでいます。量子論の収束問題自身科学哲学的に有意味であるという証明が無いのです。
なお「間接的な事象」には意味がありません、アインシュタインが「見ていない時には月は存在しないと云う議論に与しない」と言ったと言いますが、あやしい。なぜなら潮汐力が常に働き見ない事は出来ないからです。
私の素人解釈では、ネコの入った箱は開けてはならない。マクロとミクロを混ぜてはならない、シュレーディンガーの時代の科学哲学は未熟で議論に値しない。
No.1
- 回答日時:
うーん、
あの思考実験は、箱があくまで中の上体がわからない・・・というのがみそ(それを観測という行為に見たてている)であって、鳴き声がもれて外に聞こえている時点で、思考実験の前提と違うので、論議に意味がなくなるかと・・・。
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