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シリコンの酸化膜の厚み、あるいは金属の酸化増量などが処理時間の平方根に比例することが知られています。これは数学的に言うと、拡散方程式を解く事でも実証されるようです。私は三流大学の実験物理出身なので難しい式の導出には全く興味はないのですが、会社での勉強会で説明する必要が出てきました。ホント、考え方だけでも教えて下さい。なお、数学レベルは偏微分がかろうじて分かる程度です。

A 回答 (3件)

No.2のAkira_Ojiです。



>Au(x,t)=(1/√(4πk^2t))*exp{-x^2/(4k^2*t)}
の最初の「A」は余分です。いりません。

数学的にこの解が出てくるのは、少し勉強されるとお分かりになると思います。「数学レベルは偏微分がかろうじて分かる程度です。」ということですから、もし確かめるだけなら、u(x,t)を1度tで偏微分したものと、u(x,t)を2度xで偏微分したものに「k^2」を掛けたものが等しくなるかを調べてみてください。

1次元の拡散方程式の解が、「誤差の統計」とか「成績の平均値のまわりでの広がり」などに現れるGauss分布のような形をしている。その理由というのは、たぶんこんなこと考えるといいかな、と思います。

例えば、あるものの長さを測るとします。そうすると、毎回少しずつ違った測定値が得られるのですが、それはある値(平均値)のまわりに分布しています。平均値から少しだけ長いものはたくさんありますが、平均値から少しだけ短いものは同程度にたくさんあります。平均値から離れれば離れるほどその頻度は小さくなるので、あのGauss分布が現れるわけです。

一方、拡散の場合は、例えば水の中に数滴の「インク」または「濃い食塩水」を垂らした場合を想像すると、それぞれのインクの粒は等しい確率で上下左右前後に移動しますが、

一次元で説明しますと、最初あった位置から右に(+aだけ)行くものが50%で、左に(-aだけ)行くものが50%あります。
右にいったもののうちの50%はまた右に(+2a)いきますが他の50%は左に戻ります(+a-a=0)。
最初左に行ったもののうち50%はまた左にいく(-2a)確率がありますが、残りの50%は右に戻ります(-a+a=0)。

このように第一ステップでは 
0.5 : 0 : 0.5 の比率で -a, 0, +a の位置にきています。
第二ステップでは、
0.25 : 0 : 0.5 : 0 : 0.25 の比率で -2a, -a, 0, +a, +2a の位置にきています。

第三ステップでは、
0.125 : 0 : 0.375 : 0 : 0.375 : 0 : 0.125の比率で-3a, -2a, -a, 0, +a, +2a、+3a の位置にきています。

このようなことが順次起こっていると考えられます。ここでは、各ステップごとに50%は右、50%は左としたので比率の中には交互に「0」が出ています。
例えば、50%は動かず、25%が右、25%が左という風にもできたわけです。

さて、このような操作でできるインク粒子の分布はGauss分布のようになっていきそうです。
それと、各ステップを時間と考えた場合 粒子の「一番外側の」ものはどんどん「右右右右右右......」といったものや「左左左左左左......」といったもので「時間」に比例して進みますが、そんな粒子の個数はかなり少ないのです。ほとんどの粒子は行ったり来たりして進むので、「大半の粒子たち(標準偏差内のものたち)」は√(t)に比例して広がっていくという感じです。
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この回答へのお礼

ご返事が遅れて大変申し訳けありません。たいへん詳しいご説明を頂きまして、ありがとうございます。おおむね理解することができました。

お礼日時:2009/07/18 22:20

第1回答者さんの回答でよろしいかと思いますが。



シリコンの酸化膜の厚み、あるいは金属の酸化増量は「空気中の酸素がSi表面から内部へ拡散してSiと結合してSiO2となるわけです」から拡散の時間が関係しています。また、処理温度が高いと酸化膜の厚みは増えます。

1次元の拡散方程式(あるいは熱伝導方程式)はつぎのような式です。

(k^2)(∂^2u/∂x^2)=∂u/∂t

uは今の場合は酸素濃度、xは表面からの深さ、tは時間、kは拡散係数(これは温度が高いほど大きい。)

この1次元の拡散方程式の解はGauss分布のような形をしていますが、時間とともに広がって(濃度の高いほうから低いほうへ拡散して)いきます。解は

Au(x,t)=(1/√(4πk^2t))*exp{-x^2/(4k^2*t)}

となりますが、Gauss分布の標準偏差がσのとき、σ^2=k^2*tとなっているようなものです。すなわち、
σ=√(k^2*t)
となっています。これは時間tとともに「広がり」σが√tに比例して広がるいう関係です。

関連サイトを以下に貼っておきます。

http://zeong.s.chiba-u.ac.jp/pdf/tes2.pdf
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この回答へのお礼

たいへん詳しいご説明をいただきまして、ありがとうございます。

ご回答の
>Au(x,t)=(1/√(4πk^2t))*exp{-x^2/(4k^2*t)}

最初の√...t が、数学的にはどこから出てきたんだろうという疑問を
持ってしまったのですが、そう簡単に理解できそうもない事が分かっ
てきました。ご指摘のような、拡散とガウス分布が密接に関係して
いる事は、ものすごく物理的なイメージが湧いてきました。

お礼日時:2009/07/04 13:46

基本となるのは、


「Deal-Groveモデル」と言われるものです。
検索したのですが、日本語だとちゃんと中身を説明しているページがでてきません。
ただ、半導体プロセスの教科書を見れば必ず載っているはずです。
英語wikipediaにはちょっと説明もありました。
http://en.wikipedia.org/wiki/Deal-Grove_model
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この回答へのお礼

アドバイスありがとうございます。たいへん参考になる記事を紹介
いただきました。
ただし質問の真意は「処理時間の平方根」という記述が、数学的に
どのような過程で現れてくるのか?という点でした。ご指摘のDeal
-Groveをはじめとして文献を捜しましたが、浅学な私に理解できる
ような説明には行き当たりませんでした。(時間とともに制動がかか
るという物理的なイメージはつかめましたが)
もう少し自分でも勉強するとともに、皆様のご回答を待ってみたいと
思います。どうもありがとうございました。

お礼日時:2009/07/04 13:37

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