プロが教えるわが家の防犯対策術!

不確定性原理の解説を読むとほとんど測定対象に光子をぶつける例えがでてきます。 しかし本来の不確定性原理とは、ハイゼンベルクが1927年に導出したxΔP≧h/2の解釈であり、量子の「存在位置Δx」を精細に特定すると運動量ΔPの分布範囲が広くなり、逆に「運動量ΔP」を精細に特定すると量子の位置Δxの存在分布が広くなるという(上記数式に関する素直過ぎる)解釈のはずです。 ここには(測定のために光子をぶつけるといった)測定概念など存在しません。 ほとんどの解説書に上記「測定限界」の概念がでてくるのは、ハイゼンベルクが不確定性原理(解釈)についてパウリに送った書簡、その後彼がボーアをはじめとするコペンハーゲン重鎮に対する説明が元になっていると想像できます。
疑問1:光子をぶつければ測定対象の位置がずれるのは当たり前。 こんな概念は数式の解釈とは何の関係もないでしょう? ハイゼンベルクは何故、こんな「とんちんかん」な書簡をパウリに送ったのでしょうか?
疑問2:天才パウリは何故こんな「とんちんかん」な書簡の中身から、「単一」量子に関する確率解釈という突飛な概念を理解できたのでしょう?
疑問3:こんな「確率解釈」しなければならない奇妙な状況におかれたら、普通ならば理論の前提(ドブロイ)を疑うのが当然でしょう? 1927年当時、左記解釈を裏付けるような実験的検証があったという話を知りません(有名な「二重スリット実験」は1961年です)。 実験的な裏づけが皆無な状況で、こんな奇天烈な解釈がまかり通るようになったのはどうしてなのでしょうか?
疑問4:未だに、不確定性原理の解説に光子をぶつける概念を用いるのは何故でしょう。 論点のすり替えではないのですか?

量子論に関する歴史を中心に片っ端から調査したのですが、いまだ納得できません。 上記疑問には、当方理解不足、誤解があると思われます。 ご専門の方、是非ご指摘とご指導をお願いいたします。

A 回答 (3件)

まず、観測にかけるという事抜きには不確定性を述べることはできません。


もちろん、不確定性原理は観測とは関係ない理論的な所から出てくるわけですが、
実際に観測するからこそ、重要な内容を含んでいると言うことですね(^^)
だからこそ、ハイゼンベルクは実際の観測を想定して、理論の正当性を述べる必要があったと言うことです。
「光子をぶつければ測定対象の位置がずれるのは当たり前」とありますが、
これは、位置が決まっていると考えていますよ。
もちろん量子論に従って、光子もぶつける対象(粒子など)も波動性をもっており、実験前に位置を確定させることはできません。
「位置がずれる」事が問題なのでは無く、光子と粒子が衝突する位置が確定できない事が問題なのです。
あとは、有名な話でもありますし、ハイゼンベルクがここから運動量の不確定性をどう考えて、
どのように自分の理論の正当性を述べたかを振り返ってみてはいかがでしょうか(^^)

参考になれば幸いです(^^v)
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご丁寧にご回答いただきありがとうございます。 資料を読み返すきっかけをいただきました。 また、当方の質問の仕方に致命的な問題があることも分かりました。 
 質問の根底には
①コペンハーゲン解釈に異議を唱えない(諦めて受け入れる)。
②しかし、その奇妙な解釈が何故受け入れられるようになったか知りたい。
③特に、解釈が受け入れられる論拠となる実験方法とその結果が知りたい。
というのがあったのですが、それが伝わる文章ではありませんでした。
 ご指摘の『「光子...」位置が決まっていると...』も、1927年当時を振り返った(古典論の立場での)指摘のつもりでした。 要は異議の裏側に上記②の気持ちがあった訳です。
 欲張らずに、系統的にひとつひとつ質問をすることに決めました。 おかげさまで一旦閉じる気持ちの整理ができました。

お礼日時:2017/03/07 08:23

ハイゼンベルグの式は、位置の測定値の標準偏差と運動量の測定値の標準偏差の積は、一定値以上になると言う式です。


つまり、測定行為が前提にある理論式ですよ。
光を当てないならば、どうやって測定するんでしょうか?
現在は、小澤の式などによって、測定限界そのものは、ハイゼンベルグの式が示す数値より小さくできる事がわかっていますから、不確定性に関しては、測定限界以外の要素がある事がわかっていますから、測定限界だけでは説明できないと言う事は記載しないといけないですが、実際には測定値には、測定限界による不確定性も含まれています。
ですから、光を当てると言う行為による測定限界を説明する事自体には問題は無いですよ。
それだけが、原因と説明するならば、間違いだと言う事です。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

どの解説書にもそう書いてありますよね? 同時に「実在」の不確定性を意味するとも。 量子論の奇妙さは後者にあります。

お礼日時:2017/03/06 04:34

おっしゃる通り、不確定原理は理論的に正しく方法に依存しない。

数学的に共役する物理量間では必ず成り立つ。だが厳密な解説書には光子を当てると位置の不確定性が大きくなるという解釈は間違いではないと書いてあった。私も二十年以上この理論的な厳密性と測定法による不確定はおかしいと思って探し続けたら、とうとう厳密な意味でも観測は不確定を生ずる表現は正しいという記述にぶち当たった、だが私は化学屋なのでその時の説明を十分厳格にお伝えできない。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

ありがとうございます。 当方も同じ状況です。 「測定の不確定性」と「実在の不確定性」が独立でないという考えが実験的検証をもって認知されるのはハイゼンベルクが当該解釈を発表して数年経ってからですものね? 解釈時点では、やはりキテレツと思えてなりません。 どなたか、納得のいく回答をいただけるまで待ってみます。

お礼日時:2017/03/06 04:11

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!