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質問です。
綿、麻、ビスコースレーヨン、リヨセル(テンセル)は、いずれも植物系の繊維で、セルロースと呼ばれる高分子です。これらは、モノマー単位の化学構造が同じであるのに、濡れた時綿と麻の強度は上がり、ビスコースレーヨンとテンセル(リヨセル)は強度が下がります。

それぞれの性質の違いはどのようなことが原因ですか?
よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

セルロースは炭水化物なので、他の合成繊維に比べ吸水率が高い・・・


ということだけでは、同じセルロースなのに濡れた時に強度の低下と向上との違いは説明できないですね。
また、綿、麻は天然繊維でビスコースレーヨン、リヨセル(テンセル)は、セルロース(木材や綿のリンター)を
原料とした再生繊維(合成繊維ではない)だからと説明しても再生繊維だと、なぜ、含水時に強度が低下するかの
説明になっていませんね。
紙もセルロースからできており、天然の繊維が絡まっていますが、水によって強度が下がります。
天然、再生の差だけでは説明が不十分です。
現在、本当の理由(詳細)は、不明だと思います。
しかし、以下のようなことが言われています。

繊維の一次構造は、セルロース、つまり炭水化物です。そして直鎖状の高分子です。
二次構造は、結晶性のミクロフィブリルと呼ばれる微細繊維状になっています。

セルロースの結晶化度は、天然繊維>テンセル>ビスコースレーヨンで、
含水状態の強度もその順番になっている。
しかし、単純に分子鎖方向と高次構造の差だけでは、全てを説明できない。
結晶を形成しているセルロースフィブリルの表面や非晶領域部分の相互作用などが大きく影響する可能性が
ありますが、その辺はよくわかっていません。

ここで、材料力学的に考えてみましょう。
繊維や紙は、微細な繊維が絡み合っています。
ここに水が入ると、微細な繊維間が滑りやすくなります。
うどんの玉やそうめんを水につけるとほぐれるのと同じです。
繊維の間に水が入り込めるかは、繊維の表面張力(親水性)が寄与します。
繊維表面に撥水加工がしていなければ、共に同じセルロースですから
表面張力は高く、水は繊維間に入りやすいと考えられます。

そして、繊維がほぐれる、ずれやすくなります。

その後の破壊まで考えてみましょう。
繊維がずれやすく、ほぐれやすくなった状態で力が加わり、
最後までずれて、外れてしまえば、それが破壊ですから、
そのような状態では、強度が低下したと測定されるでしょう。
紙が破壊する時もそのような状態ですね。

ところが、力が加わって、そこしずれて(ほぐれて)、その後に
何らかの状態でずれが止まったとします。
すると、少しずれて、外力の応力が分散した状態になるので
むしろ強度が高まるのです。
繊維がずれて外れる破壊でなく、乾燥状態のように切れて破壊する場合は
応力の集中度合いが強度を支配します。

手で切れない紙でも、ハサミを使い、一点に応力を集中すれば
切れるのと同じ原理です。

ですから、水を含ませて強度が低下するセルロース系の繊維は
含水によって繊維がずれた場合、ずれた後にどこかでずれが止まる点がなく
(または少なく)
ずれが最終の破壊まで継続してしまう。

含水によって強度がむしろ高くなるセルロース系の繊維は、
含水によって繊維がずれるが、適度にずれた状態で、どこかに引っ掛かりが生じ
ずれが停止し、むしろ応力が分散された状態になるということだと思います。

ではなぜ天然繊維(麻、綿)がそのようになり、再生繊維はならないのか?

本当の理由はよくわかりません。

上記、結晶を形成しているセルロースフィブリルの表面や非晶領域部分の相互作用なのか?
セルロースの結晶化度なのか?
繊維表面の毛羽立ち(髪の毛で言えばキューティクル構造)など
もっと高次の構造によるのかもしれません。
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