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貨幣の取引需要・予備的需要についての用語の確認。

取引需要:資産をお金で持っておきたい気持ち
予備的需要:金はあればあるほどいいと思う気持ち

マクロ経済学、ことIS-LM-BP分析等する上で、
ざっくりですが、こんな風に考えておりますが、間違っていたらご指摘ください。

※バカな質問をしてすみません。取引供給や予備的供給はないのは、なぜですか?貨幣需要の反対語である貨幣供給は流動性選好説とは離れる概念だからでしょうか?

また、取引需要および、予備的需要は国民所得と増加関数を仮定するとケインズ理論ではなっているようです。国民所得が増加すれば、取引需要も増えるし、予備的需要もふえると。しかしながら、国民所得が減るとして、減ったんだからますますお金で持っておきたい。お金を余計に持っておきたいと言う風にはなりませんかね?仮に、国民所得と減少関数だったと仮定したらどんな不都合が起こるのでしょうか?

減少関数と仮定した場合。
 国民所得Yが増加→取引需要・予備的動機ダウン(お金より土地だ株だ→資産バブルの方向とか・・・)素人考えですみません。

尤も、最初の定義があやふやなら何もいえませんが・・・・。

A 回答 (1件)

貨幣(通貨)の需給は


M/P = m(r,Y)          (*)
と表わせる。左辺のMは貨幣供給、Pは物価、右辺は貨幣需要で、貨幣需要はrは利子率、YはGDP(あるいは所得)の関数。ケインズのマクロモデルでは、資産は貨幣と債券の二つ。貨幣は保有しても、利子が付かないのに対して、債券を保有するなら、利子がはいる。したがって、利子率は貨幣保有の機会費用だ。ではなぜ貨幣を保有するのか?ケインズは、貨幣保有の動機として、取引動機、予備的動機、それから投機的動機の3つを考える。貨幣というのは、第1義的には、交換媒体あるいは取引の手段のだから、取引が活発になればより多くの貨幣が必要になるのは当然。利子を稼げるからといって資産の大部分を債券で保有すると、取引のたびに債券を売却し、取引の媒体としての貨幣を手に入れることが必要になるからだ。ちなみに、取引動機による貨幣保有といえども、取引高(よって経済全体としてはGDP)だけに依存し、利子率とは無関係なわけではない。利子率が低いなら(昨今のようにほとんどゼロに近いならなおさら)、債券のかわりに(利子を生まない)貨幣を保有しても、失う利子は小さい(貨幣保有の機会費用が小さい)く、したがって取引高が同じでも、資産を貨幣で保有しようとするだろうし、利子率が高いときは、貨幣の保有をできるだけ節約し、その分を債券保有に回したほうが得だ(貨幣保有の機会費用が高い)からだ。予備的動機による貨幣保有も同様。
各個人は取引が低調なら、取引動機による貨幣保有がかえって増やそうとする(あるいは逆に取引が活発になるなら、取引動機による貨幣保有を増やそうとする)こともありうるというあなたの主張は考えにくいのではないでしょうか?取引が低調なら、取引のための貨幣保有を減らし、それを債券保有に回せば、利子が稼げるのですから。
では貨幣の供給はどうなっているか?ケインズモデルでは、貨幣供給Mは通貨当局(中央銀行)が買いオペ売りオペ(公開市場操作)を通じて完全にコント―ロールしていると仮定している。そうすることで、内生的に定まるrやPを望ましい水準に設定しようとしている。いま、rを一定に維持するのが通貨当局の目的だとするなら、取引動機ショックによって貨幣需要が増えるなら、たとえば買いオペを通じてマネタリーベースを増やすことでMを増やし、rの上昇を抑える。貨幣需要とはちがって、貨幣供給のほうは、ただ一つの主体(通貨当局)がその量を決定していると考えられている。

いま、仮に上の(*)において、右辺のm(r,Y)がYの減少関数だったらどうなるか?PとMは所与として、rを縦軸に、Yを横軸とったときの(*)の軌跡を示す曲線、つまりLM曲線は右上がりではなく、ISと同じように右下がりのの曲線となる(LM曲線の傾きは負になる)。LM曲線とIS曲線の傾きの(絶対値の)差によっては、この2つの曲線の交点で示される一般均衡は「不安定」になり、「均衡」の意味がなくなることを覚えておくことが必要でしょう。その場合にはMの変化によってrやYの均衡値がどうなるかという思考実験(比較静学)は無意味になるということです。
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この回答へのお礼

注意深くメモをとりつつ拝読しました。IS-LMについての理解が深まりました。ありがとう御座います。

お礼日時:2017/09/27 20:09

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