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 仕事柄、経済原論を大学生に教えることが多いのですが、どういうわけか今年になって、固定資本減耗に関する質問を受けることが多くなりました。 そこで教えてください。どうしてGDPに固定資本減耗を含めるのでしょう?

 これまでは「それは統計計算上のルールだから」と言えば納得してくれていたのですが、今年はそう回答すると「でも1年間に新たに生み出された価値であるGDPにどうして固定資本減耗を含めるのでしょう?」というような質問が返ってきます。もちろん、固定資本減耗を含めない概念が国内純生産なわけですが、そう回答しても、「どうしてわざわざ固定資本減耗を含めたような概念が存在するのか、その意味を知りたい」というような質問が返ってきます。それも質問してくるのは一人や二人ではありません。

 この質問に対して「統計計算上のルールである」という回答以外に、大学生に納得してもらえるような回答の仕方はあるでしょうか?教えてください。

A 回答 (2件)

GDPはGross(合計) Domestic(国内) Product(生産)の略です。


つまり、国内総生産、一年間で国内で生産された財の合計です。
ですから、当然国内で生産された財の中には古くなった設備の入れ替えに使われるものもあります。
したがって、当然GDPには固定資本減耗が含まれます。

国内純生産があまり使われないのは、総生産の方が国内の経済規模を図るのにふさわしいと判断しているからでしょう。
統計はあまり恣意的に加工するより、素のままの数字で大まかな感じをつかんだ方がいいということは良くあると思います。
例えば、GDPは算出するのは簡単ですが、国内純生産は算出するのは難しかったりします。どこからどこまでが固定資本減耗なのか区分けするのが難しい事があるからです。また国内純生産は豊かさの指標としてはGDPより優れている可能性はありますが、生産力の指標としてはGDPの方が優れていると思います。
ですからメインで総合的なGDPを使い、目的に応じて他の指標を使う方が妥当なのだと思います。
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この回答へのお礼

 思いもよらず早速にお答えくださり、お礼が遅れ、申し訳ありません。

 頂いたご回答を拝読し、「どこからどこまでが固定資本減耗なのか区分けするのが難しい事があるから」ということを学生さんに説明すれば理解してもらえそうな気がしました。大変貴重なご回答をありがとうございました。

お礼日時:2011/09/02 17:48

・国内総生産GDPとは一年間(あるいはある一定期間)に新しく国内で生産された財の(市場)価値の合計である。

しかし、固定資本はその間に減耗するので、その分をGDPから差し引いたものを国内純生産NDPと呼びますが、GDPには固定資本の減耗分が含まれているというより、資本減耗分を差し引く前の値をGDPと呼ぶと理解したほうがよいのではないでしょうか?固定資本のうちいくらがある期間に減耗したかを推計するというのはきわめて難しい作業で、どのように測定するかによっても変動する、ある意味で恣意的な値です。資本減耗分を推計するためには、企業の設備等の場合だと企業が帳簿上計上している減価償却費をもって資本減耗分とみなす等の措置がとられているはずですが、よく知られているように減価償却費というのは企業が会計上採用する減価償却法によっても変化する、かならずしも実際の資本の減耗分とは対応しているとはいえない値であるわけです。そうした、ある意味で恣意的のものを差し引いたもの(NDP)を使うより、実際に新しく生産された財の価値の合計を用いるほうが一国の経済活動の指標としては有益であるといえるでしょう。
・といったあとで、今年は皆さんが固定資本の減耗分に関心をもっている、というのはある意味で当然ではないでしょうか?東日本大震災によって多くの固定資本が失われていることを考えると、仮に2010年と2011年のGDPの大きさに変化がないとしても、固定資本の減耗分を除いたNDPでには例年にはない大きな違いがあるはずで、国民の経済厚生はGDPの大きさを見るよりもNDPの大きさを見ることによって理解できる、と考えているからではありませんか!
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この回答へのお礼

 早速のご回答ありがとうござました。また、お礼、お返事が大変遅れ、申し訳ありません。
 なるほど、震災の関係で学生さんが関心を持たれているのかもしれません。洞察に富むご回答、ありがとうございました。

お礼日時:2011/09/02 17:58

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