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呼吸器障害により障害年金3級を受給しています。呼吸器障害の症状悪化により4年前からステロイドの服用が5ミリから10ミリに増え、3年前の春頃から腿、臀部に痛みが出始め、病名は大腿骨頭壊死と診断されました。大腿骨頭壊死も障害年金3級の対象になるようです。ステロイドによる大腿骨頭壊死の発症の場合、因果関係ありとして障害年金が2級になるようです。このため、障害年金2級への変更を申請しましたが、大腿骨頭壊死の原因はステロイドとは限らない、ステロイドを飲んでも必ずしも大腿骨頭壊死にならないとして、申請が却下されました。大腿骨頭壊死の原因はステロイド、アルコール、不明がそれぞれ3分の1だそうです。私はお酒を飲みませんので、アルコールによる原因は考えられません。整形外科の主治医は、原因を呼吸器疾病から処方されるステロイドによると思われる旨、診断書を発行してくれました。障害年金2級の再審査請求を出したいと思っていますがステロイドと大腿骨頭壊死の因果関係がどの程度あればよいのか分かりません。どなたかアドバイス願います。

A 回答 (1件)

複数の障害を持つとき、その障害の原因となった傷病の発生の前後関係を見て、前発の傷病がなかったならば後発の傷病は決して起こり得ない、と判断された場合を「相当因果関係あり」といいます。


このとき、前後の傷病は「同一傷病」とされます。
したがって、前発障害も後発障害も、前発障害の初診日・障害認定日で統一して考えます。

障害年金でいう「因果関係」とは、実は、これだけのことです。

ステロイド投与の場合には、ステロイド投与の副作用によって大腿骨頭無腐性壊死(現在は「特発性大腿骨頭壊死症」と称し、国の難病法に基づいて、医療費助成の対象となる指定難病ともなっています)が生じたときに「相当因果関係あり」とされ。ステロイド投与の理由となった前発の傷病と大腿骨頭無腐性壊死とを「同一傷病」として扱います。
ただし、大腿骨頭無腐性壊死は、必ずしもステロイド投与だけが理由で生じるものではありません。
厚生労働省が公表した「重篤副作用疾患別マニュアル」にもその旨の記述があり、注意喚起されています。

◯ 重篤副作用疾患別マニュアル(特発性大腿骨頭壊死症)[PDFファイル]
https://goo.gl/EXcrn3 または https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122- …

話を元に戻しましょう。

同一傷病だと認められれば(すなわち、大腿骨頭無腐性壊死が明らかにステロイド投与の副作用だと認められれば)、同一傷病での障害の悪化として、障害年金の額改定請求(3級⇒2級)を行なうことができます。
あなたが行なった申請も、この額改定請求だったのではありませんか?

勘違いしていただきたくはないのですが、大腿骨頭無腐性壊死だけで3級になることはありません。
大腿骨頭無腐性壊死を理由にして人工骨頭ないしは人工関節が挿入・置換されたときに、はじめて3級だと認められるのであって、そのような挿入・置換がなされていないときは対象外です。
また、先ほども書きましたが、大腿骨頭無腐性壊死がすべてステロイド投与から来ているわけではありませんので、すべて因果関係ありで2級だと認められる、などといった考えは誤りです。
この勘違いに気づいていただかないと、いつまで経ってもモヤモヤしたものが残ってしまうと思います。

ステロイド投与による大腿骨頭無腐性壊死が強く示唆されるのは、1日平均で少なくとも15ミリ以上(ブレドニゾロンに換算)のステロイド剤が連日投与されたとき(半年以上だとされています)です。
このようなときには、少なくとも、ご質問のような「相当因果関係あり」を考えます。
ただし、ステロイド剤の投与状況のみで判断されるものではなく、あくまでも、上位の等級としての2級に該当するか否かを判断した上で、結果を決めます。
ですから、呼吸器疾患そのものの状態はもちろんのこと、生活状態(一般状態区分表という指標があります)や併合等認定基準(複数の障害があるときの、その障害の重さを認定するための指標)も参考にされます。

あなたの場合、現況では、ステロイド剤の投与量などから判断するに、「ステロイド投与による大腿骨頭無腐性壊死が強く示唆される」とは言い切れないものがあります。
そのため、却下とされてしまったのは、あながち不当なものだとは言い切れません。
また、大腿骨頭無腐性壊死による著しい運動障害があることも前提となりますから、ただ単に大腿骨頭無腐性壊死だ・ステロイド投与との因果関係が強そうだ‥‥というだけでは、結果を覆すのは困難です。

他動関節可動域(ROM)や徒手筋力(MMT)などを整形外科で測定した上で、別途、肢体の障害用の診断書も用意されたのですよね?(呼吸器疾患用の診断書だけでは不足)
そうなってくると、こちら単独での基準(肢体の障害としての基準)も満たされていなければ、2級への級上げはますますむずかしいものとなりますよ?
ましてや、痛みは主観的なもの(個人個人の感覚で異なるもの)なので、一切考慮されません。
運動障害の重篤度で判断されるのです。

以上のように、仮に因果関係が認められたとしても、ただ単に「大腿骨頭無腐性壊死」というだけで級上げが認められるわけでもありませんし、下肢の運動障害が著しく重くなければまず無理です。
それでも「どうしても‥‥」とおっしゃるのでしたら、医師よりは、むしろ、障害年金を得意分野にしている社会保険労務士(社会保険労務士なら誰でも良い、というわけではないので要注意)にアドバイスをしていただいたほうが良いでしょう。
これは、障害年金独特の概念や、不服申立のコツなどもあるためです。
医学・医療というよりも年金・保険という考え方に切り替えないと、判断を誤ってしまうのです。

障害年金であって「傷病年金」ではありません。つまり、傷病 ≠ 障害 です。
大腿骨頭無腐性壊死という傷病が直ちに障害年金に反映されることはない、というのは、これが理由です。
呼吸器疾患および大腿骨頭無腐性壊死によって、どれだけ日常生活や就労がおびやかされているのか、というその程度こそを「障害」ととらえるのであって、呼吸器疾患および大腿骨頭無腐性壊死そのものを見るものではありません。
この点は勘違いしてはいけないところです。
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この回答へのお礼

詳しくて、丁寧な説明ありがとうございます。原因のわからない病気ということですね。ステロイドによる副作用では、糖尿病(通院)、高血圧、毛細血管からの内出血による皮膚の変色等、発症し、胃薬や骨粗鬆の薬を服用しているところです。

お礼日時:2018/11/17 20:51

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