街中で見かけて「グッときた人」の思い出

原子時ってなんですか?
調べて「うるう秒」のことは分かったのですが、「原子時」がよく分かりません。どなたか詳しい方、出来るだけ単純且つ明解にお教えください。

A 回答 (3件)

単純明解というのはなかなか難しいですが,



 原子時=原子時計が刻む時。セシウム原子の振動が基準になっている。

…だけだと単純過ぎますか。「だから何なの?」といわれそうですね。
それでは少し解説を追加しましょう。

もともと時刻の基準は地球の自転でした。太陽が真南に来た時刻を正午とするわけです。(つまり日時計が示す時刻です。)
ただこれだけだと至るところに時差ができてしまうので,(東京の時計と大阪の時計では20分ぐらい大阪が遅れていることになる),国ごと・地域ごとに一定の基準を作りました。
日本では,東経135度の地点を基準にしました。明石市で太陽が真南に来れば,日本中で正午の12時,というわけです。
世界的には,イギリスのロンドン郊外の,昔グリニッジ天文台があったところを基準にしました(世界時,いわゆるグリニッジ標準時)。世界時+9時間=日本時間です。
厳密には,真南に来る時刻は1年間を通じて多少変化する(±20分程度)ので,それを平均したものを使います。

そのうち,原子時計というものが発明されました。これは非常に精度が高く,安定しています。
ところが,これで地球の自転を調べてみると,自転は一定の速さではなく,すこし不安定なことがわかりました。
そこで,とりあえず地球の動きとは関係なく,原子時計が刻む時というものを考え,これを「原子時」と呼びます。
実際には世界中の原子時計がそれぞれの原子時を刻んでおり,それらのデータを総合して最終的に国際度量衡局というフランスにある機関が決定する時刻を「国際原子時」といいます。

ところで,私たちの日常生活に密着しているのは,今も昔も,太陽の動き(つまり地球の自転)です。
地球の自転は近ごろ少し遅れ気味です(といっても年に1秒とかその程度)。一方で,原子時計は規則正しく時を刻みつづけています。
国際原子時は,スタートした時点(1958年)では,世界時(グリニッジに置いた日時計が示す時刻と考えてください)と一致していたのですが,だんだんずれが生じてきて,最近では30秒以上ずれています。
このまま(何千年も)放っておくと,グリニッジで太陽が真南に来た時,国際原子時を示す原子時計を見たらもう午後2時になっているとか,午後5時だ,なんてことにもなりかねません。
しかし生活感覚としては,太陽が真南に来た時にはやっぱり正午であってほしいですよね。

そこで,地球が遅れているぶんだけ,年に1回程度,原子時計を1秒間待たせて(遅らせて),地球が追いつくのを待ちます。これが「(正の)うるう秒」です。
別に「年に1回」と決まっているわけではなく,地球の動きを見ながら,原子時計とのずれが0.9秒以内に収まるように,随時調整します。
もし自転がスピードアップしてきた場合は,原子時計を1秒進めることもありえます(負のうるう秒)。
調整は1秒単位なので,国際原子時と協定世界時との差はつねに整数秒(現在は32秒)です。
詳しくはpromeさんの紹介されたページをご覧ください。

こうやって決められた時刻が,「協定世界時」と呼ばれます。

整理しておきますと,
世界時(UT1)=グリニッジの日時計が示す時刻(を,1年間の変動をならして平均したもの)。地球の自転そのものを示し,原子時計とは無関係。
原子時=世界中に置かれたそれぞれの原子時計が示す時刻。
国際原子時(TAI)=原子時のデータを統合して得られる時刻。地球の動きとは関係なく非常に正確に時を刻む。だんだん世界時からずれてきた。
協定世界時(UTC)=国際原子時を1秒単位で進めたり遅らせたりして,世界時とのずれが0.9秒以内に収まるようにしたもの。
(このあたりの関係は,参考URLの図をご覧ください。)

なお,日本時間(JST)を初めとする,世界中で市民生活に用いられている時刻体系(civil time)は,協定世界時を基準にして,1時間の整数倍(じゃない国もあるけれど)を加えたり引いたりします。
日本時間は協定世界時+9時間です。

…ぜんぜん単純明解じゃありませんね。なんとか分かりやすく…と努力したのですが,私の表現力ではこれが限界です。お許しください。

参考URL:http://jjy.crl.go.jp/News/leapsec.gif
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この回答へのお礼

すばらしく分かりやすい説明をありがとうございました。勉強させていただきました。

お礼日時:2001/07/26 10:41

参考URLに時の刻みを何で取るかの歴史が記載されています。



時間を計るのに色々な方法がとられていましたが、(砂時計や水時計)
ガリレイが振り子が一定の周期で振れるという事を見つけてから。
ここから何かの周期性のある物の時間から時間を計り始めました。
それは振り子、水晶、セシウムとどんどん細かく振動する物へ移行しました。
(クオーツとはそのまま、水晶の音叉による発信器で時を刻む時計の代名詞になっています。)
そしてそれは時間の刻みを限りなく正確に測定することが出来ます。
これは人間の生活とは切り離された精密な測定器です。

それとは別に昔から使われていたのが天文現象を利用する事で、これは天体の運行を調べていました。
これは人間の生活に密着しています。

昔の時計の精度ではこの両者は同一視されていましたが(人間の生活時間を調べるために時計を発明した。)、
いつしか、時計の精度が天体運動の精度(人間の生活時間感覚)を超えてしまった
ので、人間生活に合わせるために時計の方をずらすことが行われました。

参考URL:http://www.nif.co.jp/news/advice/advice0005.html
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通信総合研究所(

http://jjy.crl.go.jp/)のサイトに以下のような
説明のページがあったので、紹介します。
先日、お昼の12時をなんと呼ぶかを調べていて発見したサイトです。

参考URL:http://jjy.crl.go.jp/QandA/time_qa.html
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