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分光スペクトルっていろいろありますよね。
吸収スペクトル、反射スペクトル、光散乱スペクトル、発光スペクトルなどなど。私が使ったことがあるのは吸収スペクトルぐらいなんですが、それぞれ物質のどのような情報が得られるのですか?

A 回答 (2件)

まず、



>吸収スペクトル、発光スペクトル
は基本的には同じものになります。
面白いもので発光するスペクトルでは発光させないと吸収するのです。
理由は簡単で発光は電子の順位が高いところから低い所に落ちるとき、吸収はその逆だからです。

ただ必ず吸収すれば発光するというものでもありません。
また発光するといっても複雑な経路をたどる場合は必ずそこで吸収するというものでもないですが。(ただ吸収できる状態を作り出せたりはしますが)

これから得られる情報はやはり電子順位がどうなっているのか?ということです。
もちろん原子・分子によりこの順位は異なるので、物質の同定などにも使えます。

>反射スペクトル、
こちらは物質の誘電率に関係します。実はこの誘電率もやはり電子の順位の構造を反映していますので吸収・発光スペクトルとも関係があります。
誘電率は複素数で表され、複素誘電率の虚部が吸収や発光に関係し、実部単体では屈折率、反射率の場合は実部と虚部の両方が関係します。
基本的には”クラマース=クローニッヒの関係式”というものがあり、どんなものでも、この実部と虚部には一定の関係があることがわかっています。

情報としては複素屈折率もある程度わかるし、これを応用して偏光も利用するとほぼ完全に複素屈折率がわかり、更に膜厚測定などにも使えます。

>光散乱スペクトル、
まず粒子の大きさですね。あとはその粒子を構成している物質です。
散乱スペクトルにも色々あって、物質特有の散乱を示すものなどもあります。
大気成分などを調べることも出来て、”ライダー”(バイク乗りとはスペルが違います)という名前の機器が開発されています。
更に流体中の微粒子の散乱ではドップラーシフトすることから、血流測定など結構応用範囲は広かったりします。

また入射した光と異なる波長の光を散乱するラマン散乱では、物質のひずみとか、温度を知る手段にも使えます。

ざっと取りとめもなく書きましたが、まだまだあるとは思います。とりあえずはこんなところでご勘弁を。
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発光分光では,分光器と使うと大きな装置幅(スリット等に起因する広がり)が


スペクトル形状に含まれるのでそれを除去しなくてはなりませんが,
Hβ線などのシュタルク広がりの大きなスペクトルからは電子密度が求まります.
又,局所熱平衡が仮定できるほどの電子温度,電子密度であれば,
2つ以上のスペクトル線強度からその原子の,関わる準位における電子励起温度が求まります.

吸収分光では,波長可変レーザーを波長掃引すれば,
生のスペクトル線形状が得られます,
そのドップラー幅から原子温度が求まります.

どちらも,きちんとキャリブレーションしていれば,
関わる準位(発光なら上準位,吸収なら下準位)の数密度も求まります.

他にも幾つか求まります.
スペクトル線形状は広がりを持ちますが,
ガウス関数的に広がるもの,ローレンツ関数的に広がるものがあり,
両者あわせてフォークト関数になりますが,いろいろなことに起因する広がりを
分離することによって,上記のことや圧力,磁場強度などなど,たくさんの情報が得られます.

分光学会の出している本や,Griemの本などがお役に立つと思います.
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