No.2ベストアンサー
- 回答日時:
ちょっと質問の意味が曖昧で分かりにくいのですが。
水と油の場合は、2物質がお互いに溶け合わないので2相に分離するのですが。
超伝導と反強磁性というのは、それぞれ有る物理的状態を指す言葉ですから同じ意味では使えません。
質問の意味としては、
1.同一物質に対し、温度や磁場、圧力などを変化させた時に同時に超伝導と反強磁性にならないのは何故か?
2.反強磁性物質と超伝導物質を混ぜ合わせたら分離するか?
と想定して答えてみます。
1の場合。
超伝導状態というのは、逆向きのスピンを持つ2個の伝導電子が弱く結合した状態で発生していると考えられており、そのために原子位置に複数の電子スピンが結合して強力な結合スピン(磁気モーメント)を発生させる強磁性状態や反強磁性状態に対しては、その弱い結合が簡単に壊されてしまうために、両方の物理状態が同時に発生するのはおそらく不可能と考えられています。
そのために、いくつかの物質ではある温度で超伝導を示し、別の温度では反強磁性を示します。こういう様子を温度や磁場、圧力などの値を軸にして図に書くと、有る領域では超伝導、別の領域では反強磁性になって両状態(相)の領域が重複せずに分離します。
ただし、ごく一部の特殊な物質において、伝導電子と原子位置の磁気モーメントの相互作用が非常に弱く、両方の状態が同時発生しているものが見つかっているそうです。
2の場合。
物質の混ぜ合わせ自体には超伝導や反強磁性の性質は影響せず、単純に化学的な性質だけで決まりますから、溶け合うものは溶け合いますし、溶けないものは溶けません。
それで、溶け合って出来た物質は元の物質とはまた違った物性を示すので、超伝導になるか反強磁性になるか、そのどちらにもならないかはケースバイケースです。
ただ、一般的な傾向として、上述の1の場合に説明したように、超伝導と言う性質は非常に弱い性質なので、反強磁性物質を混ぜれば超伝導性は消える事が多いと思います。
この回答へのお礼
お礼日時:2005/02/09 11:04
非常に丁寧な解答ありがとうございます。1の場合について質問しました。
温度や磁場を軸にした相図をみて相分離していると書いてあったので質問しました。ちなみに有機超伝導物質です。
ただし、ごく一部の特殊な物質において、伝導電子と原子位置の磁気モーメントの相互作用が非常に弱く、両方の状態が同時発生しているものが見つかっているそうです
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