No.4
- 回答日時:
高分子を合成するための重合反応には沢山の種類があります。
その中の一つの方法です。
付加反応と縮合反応によって高分子化していきます。
フェノール樹脂(ベークライト)を例に説明します。
フェノールをPと省略します。(フェノールのーOHは反応に関与しないので
省略します。)
フェノールとホルムアルデヒド(HCHO)が付加反応を起こすと
P-CH2OHが生じます。
(この反応はo,p配向性なので、1つのフェノールに最大3箇所付加することができます。)
付加反応によって生じたP-CH2OHと他のフェノールの間で
縮合反応(脱H2O)が生じると
P-CH2OH + P → P-CH2-P + H2O となって
2つのフェノールが結合できます。
次にホルムアルデヒドが付加し、ーCH2OH基が生じ、
他のフェノールとの縮合をすれば、分子が大きくなっていきます。
この付加反応と縮合反応とが繰り返し起こることによって
高分子を生じる重合反応が付加縮合なのです。
ちなみにフェノール樹脂の場合、酸触媒でも、アルカリ(塩基)触媒でも
付加縮合反応を起こすことが可能です。
酸触媒では付加反応よりも縮合反応の方が反応速度が速いので
末端にーOH基が残った状態で取り出すことが難しくなります。
(末端ーOH基が少ない状態で取り出される。)
酸触媒で作ったフェノール樹脂をノボラック樹脂と呼びます。
一方、アルカリ触媒ではその逆で付加反応の方が縮合反応よりも
反応速度が速くなります。
それ故、末端ーOH基が多く残った状態となります。
アルカリ触媒で作ったフェノール樹脂をレゾール樹脂と呼びます。
ある程度の分子量で反応を止めて取り出したレゾーる樹脂は
三次元化が進んでおらず、熱可塑性を示します。
この状態で、金型に入れ成型し加熱することによって
残存する末端ーOH基の縮合反応を進め、三次元化させます。
つまり熱硬化させます。
すると熱可塑性が失われ、加熱しても軟化しにくい、成型品ができああがるのです。
付加縮合で合成されるフェノール樹脂やメラミン樹脂は
代表的な熱硬化樹脂なのです。
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