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高圧法によって低密度ポリエチレンは、エチレンを重合すると得られますが、なぜ高圧法によってなのでしょうか?色々調べてみましたがなかなかそれらしい答えは参考書に載っていませんでした。
何となく高圧下では高密度ポリエチレンが得られるような気するのですが・・・。どなたか教えて頂ければ幸いです。

A 回答 (2件)

専門家ではないので、一般的なことしか分かりませんが、記憶をたどりお答えします。

エチレンの重合法は重合時の圧力で高圧法、中圧法、低圧法などと分類されますが、高圧法と中圧、低圧法とでは、重合機構が異なります。
高圧法は微量の酸素を開始剤として、ラジカル重合で合成します。ラジカル重合のメカニズムは分かりますか?理解しているとして話を進めます。ラジカル重合で反応速度を上げるために高圧が必要なのです。ラジカル重合の特徴として、連載移動反応が生じやすく(特に反応点が今まで重合してきた主鎖との間で6員環の位置になる水素を引き抜きやすい)6員環構造を経由して水素が引き抜かれると結果として炭素数4の枝分かれが形成されます。ラジカル重合では枝分かれが沢山形成されることになります。
枝分かれが多いと枝がじゃまになり、隣の分子と近づき難くなります。つまり、結晶化度が低下するので密度が低くなります。
一方低圧法では、チグラー・ナッタ触媒(有機金属触媒)を使います。この触媒の発明によりエチレンやプロピレンが低圧で重合できるようになりました。特にプロピレンはラジカル重合ではメチル基の存在により(アリル位なので)連鎖移動が大きくまともな高分子は合成できません。(高圧法のポリプロピレンというのは聞かれないでしょ。)チグラー触媒では配位アニオン重合なので、連鎖移動が起こりません。つまり、枝分かれが生じません。それ故、直鎖状の分子になるので結晶化度が高くなり、密度も高くなります。低圧法では枝分かれが出来ないので、ヘキセンなどαオレフィンをエチレンに共重合すると、その部分が枝のように振る舞います。それ故、密度が下がります。これがリニアローデン(LLDPE)です。配位アニオン重合触媒も進化しており、最近ではメタロセン系の触媒がかなり使われてきています。
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psa29さんの丁寧な回答がありますが、以下の成書が少し参考になります。

ラジカル反応機構までは詳細な記載がありませんが・・・?
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実用プラスチック事典/実用プラスチック事典…/産業調査会/1993.8 
若き技術者に捧ぐ高圧法ポリエチレン技術史/石油化学工業協会/1998.3 
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ご参考まで。
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