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大学化学について質問です。専攻されている方、わかる方いる人いたら教えていただけると嬉しいです。
エチレンのラジカル重合、配位重合で得られるポリエチレンはそれぞれ構造が違うようなのですが、なんで構造に違いが生じるのか、構造のどういったところに違いがあるのかを教えてください

A 回答 (1件)

ポリエチレンは、基本的に直鎖状の高分子です。


ラジカル重合で合成すると、特に高温ではラジカルが水素原子を引き抜く
(連鎖移動反応)が起こりやすくなります。
ポリエチレンのラジカル重合は、エチレンガスを原料に高温高圧で行われますので、6員環構造を経由する分子内連鎖移動と開始剤(この場合微量の酸素が開始剤)や他のラジカル分子による水素引き抜き反応が起こります。
6員環構造を経由する分子内連鎖移動では比較的短い枝分かれ、他のラジカル分子による水素引き抜き反応では、長い枝分かれが生じます。
つまり、ラジカル重合で合成したポリエチレンでは、本来1本の直鎖状高分子になるべきところが、たくさんの枝分かれを持った高分子となってしまいます。
一方、配位(アニオン)重合では、重合時の活性点がイオンなのでこのような連鎖移動反応が生じないため、枝分かれのない高分子となります。
枝分かれが、隣の分子と規則正しく整列することを阻害しますので、
ポリエチレンの結晶化度に変化が生じます。
ラジカル重合で合成したポリエチレンは、結晶化度が低いため透明性が良く、密度が低くなります。耐熱性は劣ります。
それ故、ラジカル重合で合成したポリエチレンを低密度ポリエチレン(LDPE)と言います。合成時の圧力に注目すれば、高圧法ポリエチレンという言い方もします。
配位アニオン重合で合成したポリエチレンは、密度が高くなり、透明性は低下しますが耐熱性は向上します。高密度ポリエチレン(HDPE)は、合成時の圧力によって低圧法ポリエチレンや中圧法ポリエチレンと呼ばれます。

配位(アニオン)重合では、基本的に枝分かれが生じないので、ヘキセンなどをエチレンにごくわずか混合して重合(共重合)すると、ヘキセンが枝分かれとなります。
このようにして密度を下げたものがリニアローデン(直鎖状低密度)ポリエチレンです。
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