不動産登記令第18条
1. 委任による代理人によって登記を申請する場合には、申請人又はその代表者は、法務省令で定める場合を除き、当該代理人の権限を証する情報を記載した書面に記名押印しなければならない。復代理人によって申請する場合における代理人についても、同様とする。
2. 前項の場合において、代理人(復代理人を含む。)の権限を証する情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。
3. 前項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない。
4. 第2項の規定は、官庁又は公署が登記の嘱託をする場合には、適用しない。
不動産登記規則第48条
1. 令第16条第2項 の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 申請を受ける登記所が、添付すべき印鑑に関する証明書を作成すべき登記所と同一であって、法務大臣が指定した登記所以外のものである場合
二 申請人又はその代表者若しくは代理人が記名押印した申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合
三 裁判所によって選任された者がその職務上行う申請の申請書に押印した印鑑に関する証明書であって、裁判所書記官が最高裁判所規則で定めるところにより作成したものが添付されている場合
四 申請人が前条第三号ホに掲げる者に該当する場合(同号イ(6)に掲げる者に該当する場合を除く。)
五 申請人が前条第三号イからニまでに掲げる者のいずれにも該当しない場合(前号に掲げる場合を除く。)
2. 前項の指定は、告示してしなければならない。
不動産登記令第16条
1. 申請人又はその代表者若しくは代理人は、法務省令で定める場合を除き、申請情報を記載した書面に記名押印しなければならない。
2. 前項の場合において、申請情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第252条の19第1項 の指定都市にあっては、市長又は区長とする。次条第1項において同じ。)又は登記官が作成するものに限る。以下同じ。)を添付しなければならない。
3. 前項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない。
4. 官庁又は公署が登記の嘱託をする場合における嘱託情報を記載した書面については、第2項の規定は、適用しない。
5. 第12条第1項及び第14条の規定は、法務省令で定めるところにより申請情報の全部を記録した磁気ディスクを提出する方法により登記を申請する場合について準用する。
不動産登記規則第47条
令第16条第1項 の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 委任による代理人が申請書に署名した場合
二 申請人又はその代表者若しくは代理人が署名した申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合
三 申請人が次に掲げる者のいずれにも該当せず、かつ、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が申請書に署名した場合(前号に掲げる場合を除く。)
イ 所有権の登記名義人(所有権に関する仮登記の登記名義人を含む。)であって、次に掲げる登記を申請するもの
(1) 当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記(担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記及び更正の登記を除く。)
(2) 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記
(3) 所有権の移転の登記がない場合における所有権の登記の抹消
(4) 信託法 (平成十八年法律第百八号)第3条第三号 に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記
(5) 仮登記の抹消(法第110条 前段の規定により所有権に関する仮登記の登記名義人が単独で申請するものに限る。)
(6) 合筆の登記、合体による登記等又は建物の合併の登記
ロ 所有権の登記名義人であって、法第22条 ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記又は更正の登記を申請するもの
ハ 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第22条 ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記を申請するもの
ニ 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第22条 ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が信託法第3第三号 に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記を申請するもの
ホ 法第21条 本文の規定により登記識別情報の通知を受けることとなる申請人
これらの条文から個人的には令16条における「代理人」は資格者代理人を除く任意代理人又は
法定代理人を指し、令18条における「委任による代理人」は資格者代理人をさすものと
認識しているのですがこの考え方であっているでしょうか?
上記の件に関連し、令16条は資格者代理人を介さない書面申請の場合について、
令18条は資格者代理人を介する書面申請の場合についての条文だと認識していますが
この考え方であっているでしょうか?
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
補足コメントについてはそのとおりだと思います。
令16条1項には「法務省令で定める場合を除き」とあるので,この省令(不動産登記規則=平成17年法務省令第18号)で定める例外規定に該当する場合以外は令16条1項にあるとおり,「申請人又はその代表者若しくは代理人」が登記申請書に記名押印することになります。
代理人には法定代理人と任意代理人(委任による代理人)とがありますが,法定代理人は実は本人を「代表」しています(親権者については民法824条,後見人については民法859条を参照)。
資格の名称は「代理人」なんだけど,任意委任の場合の代理人の権限は委任契約の範囲に限定されるのに対して,法定代理人の代理権限はそのような限定されたものではありません。その意味においては,法人の代表者と同じです。その任意代理人の代表権との違いを示すために,民法条文規定上は「代表」としているのではないでしょうか。
そのことを考えると,法定代理人は令16条1項では「代理人」ではなく「代表者」に含まれることになります。法定代理人が任意代理人に委任せずに自らて登記申請を行う場合以外は,令16条1項に立ち戻って「代表者」の意味で申請書に記名押印すべきことになります。
法定代理人が任意代理人に委任する場合には,令16条1項の「代理人」である任意代理人が登記申請書に記名押印します。その結果,法定代理人は規則47条1号により記名押印義務がなくなると解すると,なんとなくでも納得できるのではないでしょうか。
まあ実務では,そんな細かいことを気にせずに,「最終的に申請に携わる人が記名押印すればいい」という感覚でいます。法令実務精通義務のある司法書士(司法書士法2条)だって,この部分をさっと説明できる人がどのくらいいるかわからない(僕の勤務先事務所ではたぶん全員無理)けど,それでも実務は十分に回していけます。だからここは,そんな”感覚”でもかまわないように思います。
※前回の回答の末尾の辺り,投稿した時点ではちゃんと書けているつもりでしたけど,改めて読んでみると自分でも「???」でした。失礼しました。
No.4
- 回答日時:
⇒代理人であれば委任、法定代理人等区別なし
そのとおりです。
>⇒法定代理人は含まないということなのでしょうか?
そのとおりです。その他、支配人も委任による代理人ではないので、含まれないと言うことになります。
原則 委任による代理人であろうが、成年後見人のような法定代理人であろうが、支配人であろうが申請書に記名押印をするのが原則です。
例外1 委任による代理人は、申請書に記名押印をしないで、申請書に署名すだけでも良い。
例外2 法人の代表者、法定代理人、支配人等であっても、令第16条第1項3号に該当するのであれば、記名押印をしないで署名するだけでも良い。例えば、登記名義人住所変更登記を申請する場合などです。
ご助力いただき、本当にありがとうございました。
また何か理解できない部分があったときには投稿させていただきますので
また教えて頂けたら幸いです。
No.3
- 回答日時:
違いますね。
令16条は「申請情報を記載した書面」,つまり登記申請書への記名押印に関する規定で,令18条は「委任による代理人によって登記を申請する場合」の「代理人の権限を証する情報を記載した書面」,つまり委任状への記名押印に関する規定です。
そしてこの部分については,資格者代理人かそれ以外の代理人かの違いはありません(「資格者代理人」の定義は不動産登記規則63条5項にある)。資格者代理人とそれ以外との扱いに差を設ける場合には,たとえば同規則68条14項,15項や規則72条のように,ちゃんと「資格者代理人」と表示して扱いの,その違いを明らかにしています。
No.2
- 回答日時:
>これらの条文から個人的には令16条における「代理人」は資格者代理人を除く任意代理人又は法定代理人を指し、令18条における「委任による代理人」は資格者代理人をさすものと
そのような区別はありません。
条文の意味を具体例で説明します。所有権移転登記の登記義務者をAとします。
1.Aの本人申請の場合、申請書にAが記名押印し、その押印につきAの印鑑証明書を添付する必要がありますから、申請書に押印すべき印は、いわゆるAの実印になります。
2.Aの任意代理人X(司法書士でなくても代理人になれます。それが違法な行為になるかどうかは不動産登記法ではなく司法書士法の問題ですから、混同しないでください。)が代理申請する場合は、Aは申請書に記名押印する必要はなく、Xが申請書に記名押印する必要があります。しかし、Xは委任による代理人ですから、Xの押印につきXの印鑑証明を添付する必要がありません。Xの印はいわゆる認印でよいと言うことになります。もちろん、代理権限証書に押すべきAの印鑑についてAの印鑑証明書を添付する必要がありますから、これに押すべきAの印鑑はAの実印になります。
3.2の事例でもし、XがAの法定代理人である場合は、同じくAは申請書に記名押印をする必要はなく、Xが記名押印することになります。Xは委任による代理人ではないので、Xの印鑑につきXの印鑑証明書を添付する必要がありますから、Xの押すべき印鑑はXの実印になります。Xの代理権を証する書面として、親権者であれば戸籍謄本、成年後見人であれば後見登記事項証明書であり、官公署が作成する書類なので、発行日から三ヶ月以内である必要があります。
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ありがとうございます。
不勉強でお恥ずかしい限りなのですが、もう一点お聞きしたいことがあります。
不動産登記令第16条
1. 申請人又はその代表者若しくは代理人は、法務省令で定める場合を除き、申請情報を記載した書面に記名押印しなければならない。
⇒代理人であれば委任、法定代理人等区別なし
不動産登記規則第47条
令第16条第1項 の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 委任による代理人が申請書に署名した場合⇒法定代理人は含まない
ということなのでしょうか?