長谷川櫂著作の「古池に蛙は飛びこんだか」を読んでいます。
有名な「古池や蛙飛びこむ水のおと」の解釈について、興味深い説明がしてあります。
長谷川は、この解釈を次のように採っています。
一般に言われている{古池に蛙が飛びこんで水のおとがした}(解釈Aとします)ではなく、
{蛙が水に飛びこむおとを聞いて心の中に古池の幻がうかんだ}(解釈Bとします)と解釈しています。
理由1.解釈Aであると、“古池”と“水”とが重複する。
理由2.切れ字の“や”により間が(ま)が生じている。
理由2.作品の制作過程について、まず芭蕉が“蛙飛びこむ水のおと”を作り、上句を思案していたが、其角の進言した“山吹や”を採用せず、“古池や”にした模様。“
質問は、皆様は、{蛙が水に飛びこむおとを聞いて心の中に古池の幻がうかんだ}に共感されますか?
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
納得です。
「古池や蛙飛びこむおと」なら確かに古池が存在したとしても不自然ではないですが、古池だとわかってるのにわざわざ「水の」を使うのは野暮。
{蛙が飛びこむ水のおとがした。ああ古池の光景が浮かぶ}であれば、確かに「水」の表現が無いと説明が不足しています。例えば{蛙が飛びこむおとがした。ああ古池の光景が浮かぶ}…いかがでしょう。意味はわかるものの、「水」感に欠けると思いませんか。
されに、「蛙飛びこむ水のおと」が先にあり、「古池」というアイデアが後から出てきたのであれば、芭蕉が意識していたかは別として、古池が存在しなくても元々成り立つアイデアということになり、「古池は幻想」論も無理無いと思います。
この句は広く一般に俳句の世界への扉を開くアイコンのようなもので、芭蕉の傑作ではないと思うので、そういう意味でも出来の「弱さ」はあるかもしれません。実際「古池は幻想」としないと不自然な描写があるにも関わらず、多くの人は「そこに古池が実在した」と解釈してしまうわけなので。
早速のご回答ありがとうございました。
確かに<「蛙飛びこむ水のおと」が先にあり、「古池」というアイデアが後から出てきたのであれば、芭蕉が意識していたかは別として、古池が存在しなくても元々成り立つアイデアということになり、「古池は幻想」論も無理無い>
ですね。
しかし<多くの人は「そこに古池が実在した」と解釈してしまう>のですね。
面白いというか不思議な心持ですね。
No.8
- 回答日時:
「古池」は、侘び寂びの観点から採用したのでしょう。
蛙が飛び込んだ水の音で、静寂さをイメージさせていますが、そこに平家物語などで代表される侘び寂びの情緒を加えて俳句に深みを与えたと思われます。
長谷川氏の「古池は想像」という点は肯定も否定もしませんが、なぜ「古池の幻」が浮かんだのか、その説明がない点で不充分かと思います。
No.2
- 回答日時:
俳句に写実を持ち込んだのは、明治期の子規ですから、芭蕉のころは、そんなのに拘っていなくて、解釈Aは近年になって生じた誤解ですね。
その上で解釈Bは、こじつけが過ぎるので良くありません。
要するに、その句を読んで、あなたの心の中に浮かんだ情景が、あなたにとっての正解なんです。
私は、古池を目の前にして、以前観たことのある蛙の様子を思い出したと感じました。
早速のご回答ありがとうございました。
まず<古池を目の前に>、それから<以前観たことのある蛙の様子を>と流れるのですね。
<解釈Aは近年になって生じた誤解>ですか。
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