10秒目をつむったら…

NHK放送前番組に圧力をかけた議員、そして朝日新聞社。
この一連の動きが私は断片的にしか理解できず、事件の顛末、そして全体像が知りたいです。そしてこの事件、真相は何なのですか?
おねがいします。

A 回答 (2件)

2000年、当時NHKの制作番組に自民党の安部、中川両議員が事前に圧力をかけ、放送直前に内容改変が行われた、とされる事件ですが、朝日新聞のこのスクープが十分な裏付け取材に基づかないもので、その点を指摘されてから朝日は一転ダンマリを決め込み、NHKとの公開質問状合戦になって現在に至ります。


本来はマスメディアへの政治介入という、表現の自由、民主主義の根幹に関わる重大事件のはずが、NHKと朝日新聞のメディア同士のメンツをかけた泥仕合という方向に切り替わってしまい、くだらない話におとしめられてしまいました。
政治介入があったかどうかは、限りなく黒に近い灰色といっても、明確な証拠も証人も出なければ、「黒」とは決めつけられないでしょう。
過去、別の質問に私が回答したものを加筆修正して下記に再掲載します。ご参考まで。

この従軍慰安婦問題は、2000年当時本放送後にこのプログラムを下請け制作した(株)ドキュメンタリー・ジャパン(DJ社)の担当ディレクターが告発し、多少話題になったものの、内容の改変は発注元のNHKが内部で処理したことなので明確な証拠もなく、一般にはあまり注目されずに、マスメディアにはほとんど出ないまま収束してしまったものです。その後、「創」、「DAYSJAPAN」「GALAC」などいわゆるマスコミ業界系の雑誌が表現の自由への政治介入の問題として取り上げましたが、結局NHKの厚い壁の前に記事は憶測以上の内容にはならなかった、と記憶しています。
それが4年経った今、突然朝日新聞がスクープの形で出したわけです。ほとんどの人には青天の霹靂のような出来事でしたが、当時の関係者には「証拠つぶしと口裏合わせ」が済んでいたことなので、NHKも「両議員の面会は放送日以後=事前介入なし」というマニュアル通りに対応し、朝日もそれを突き崩すだけの証拠を揃えられず、後はNHKと朝日の意地とメンツの綱引きで、今に至っているわけです。
朝日側の問題は、NHKの当時の担当デスク/現・永田プロデューサーが内部告発者として現れたので、色めきだって功を焦り判断を誤ったことです。
彼は同番組の制作担当者として現場の責任者でしたが、自分の創ったものを勝手に変えられた言わば被害者であっても、当の内容改変には直接関わっていません。この点が非常に重要で、彼の告発は例え真実であっても、彼の証言は全て伝聞なのです。朝日はそれを補うため、安部・中川両議員の「自白」をとろうと直接取材を敢行したわけです。これは事件取材の方法としてはあまりに稚拙でした。既に4年前のDJ社のディレクターの告発時にその対策(面会日の記録の改竄など)は完璧にできていたはずなので、両議員も素早く対応し、NHKも歩調を合わせてしらを切ったということです。
私の見方としては、なぜ朝日ともあろうものが拙速とも言える記事にしたかと考えると、おそらく安部氏への突撃取材時にかなり有力な言質を得たのだと思います。しかし、推測するにそれは隠しマイクによる了解を得ない録音だった。それでも一旦ゲロしたからには追い込めば事実は明らかになる、と踏んだのでしょう。それが甘かった。
NHKによる手前味噌の「検証番組」の進行役に白羽の矢が立てられた鳥越氏は、いやしくもジャーナリストの一人ですから出演前に自分なりに双方の当事者に検証取材したはずです。そして朝日の間違いにも気づいた。だから数日後のある番組のなかで、苦渋の表情でしかしはっきりと「取材テープはあった」と証言しています。当然内容も聞いているでしょう。
それならNHKが要求するようにそのテープを出せば済むのに、と素人は考えるところですが、そうはいきません。
これが中央政界の大物政治家に隠し撮りでとったものとなると、この問題どころか朝日全体の取材姿勢、さらには報道機関としての適性にまで話が及ぶ、朝日にとっては致命的な汚点となる大問題なのです。記者クラブ制をとる日本の政治記者は政治家や政党ともたれ合い(よく言えば信頼関係)で取材が保証されています。制裁として記者クラブから追い出され、その関係が崩れると朝日自身のメディアとしての存在基盤そのものが危うくなるのです。安部氏が当初から取材の仕方を問題視し、強調したのはそのことを暗示し恫喝していたのです。
しかし、朝日が本当に「報道と表現の自由」のために戦うのなら、社名に傷が付き永田町から追い出されても録音テープを出すべきでしょう。ところが、彼らも一介のサラリーマンでしかないということです。職を失っても真実を追究するというジャーナリストの使命に殉ずるほど彼らの理想は高くはないのでしょう。
こうなってしまうと、NHKも朝日もこの問題は時間と共にうやむやになるのが双方の利益なわけで、提訴を口にしながら結局時間稼ぎをしてサル芝居は両者痛み分けで終演になると思います。
当時の事実経過からすると、朝日は安部・中川両議員だけでなく、NHK内で前例のないオンエア当日の検閲といえる「部長試写」に立ち会い、直接改変作業を指示した当事者である「伊○○子教育番組・番組制作局長」になぜ取材しなかったか(あるいは証言を拒否された)、が最大の疑問です。多分ここにこの問題のカギがあるように思います。
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この回答へのお礼

非常にわかりやすい回答ありがとうございます。

お礼日時:2005/04/25 19:56

先日、NHKでこの件についてニュースが流されていました。

NHKから朝日新聞に対して出している質問状に対しての回答を得られていないというものでした。これに対して、朝日新聞側は、早急に回答を作成するとのことでした。
全容解明までにはもう少し時間がかかると思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

お礼日時:2005/04/25 19:59

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