No.4
- 回答日時:
「子供が弾く例は非常にまれ」なピアノ曲は有名なクラシックに限っても星の数ほどありますので、子供が弾く例が少ない=子供に相応しくないということではないと思います。
「絞首台」が演奏回数が少ないのだとしても、それ以前に「夜のガスパール」自体がその時点での最高の超絶技巧を目指して作られた曲集なので、素人とか子供には手に負えないと思います。「絞首台」もこの中ではスローで比較的簡単に聞こえるかもしれませんが、和音が子供の指ではとても届かないです。この理由が一番でしょう。
ドビュッシーの前奏曲集は演奏回数が多い作品だと思いますが、子供が演奏会で全曲演奏する機会というのは考えにくく、そのうちの数曲となると「亜麻色の」や「沈める寺」といった演奏会映えする人気曲が選ばれると思うので、「雪の上の足跡」はどうしても子供には縁遠くなるのではないでしょうか。
サティのピアノ曲も挙げられたものに限らず殆どが決して人気曲とは言えないでしょう。
私には、これらの曲だけ子供がわざわざ避けているようには思えませんけどね。子供にあまり演奏されない殆どのピアノ曲の一つに過ぎない印象です。
No.3
- 回答日時:
どういう意味で「弾くべきではない」のかはわかりませんが。
ラヴェルの「絞首台」は、生々しい罪や死罪を表しているのではなく、ただの怪奇趣味です。それは同曲集の他の曲が「オンディーヌ」「スカルボ」という妖怪のような存在がテーマとなってることからも伺えるかと思います。当時は最先端の詩や戯曲でも積極的に取り入れられたり、ドビュッシーもオカルティズムに傾倒するなど、オカルティズムがトレンドだったようです。
日本で言う怪談や学園七不思議なんかと似たものなので、正直子供に見せられない程のものでもないのかなと思います。タイトルに問題がある?ということでしょうか。
「雪の上の足跡」もそこまで具体的な重いテーマがあるわけではないです。この前奏曲集は、特定の題名にイメージを縛られることを嫌ったドビュッシーが、わざわざ各曲の楽譜の最後に小さく題名を書くということを行っているほどです。
当時人気があったある雪景色の風景画がインスパイアネタだという説があるようですが、ドビュッシー本人にテーマの由来だとか風景画とかそういった言及は全くないので憶測の域を脱しません。(まぁ上の話からも、ドビュッシーによるテーマの解説なんてあるわけないわけですが。)
暗く重く聞こえる音楽だから、子供に相応しくない…という考えも関心出来ないです。音楽はただの「音」であり、ある意味全て「絶対音楽」であり、それをどう捉えるかは聴き手に全て委ねられています。ドビュッシーは「言葉が途絶えたところから音楽は始まる」という言葉を残しています。これは非常に的確。
そういう意味で、「喜びの島」の楽譜出版がドビュッシーが愛人と旅行する小遣いになったという裏話があったとしても、それは重要なことではないと思います。弾き手の子供や聴衆が純粋にその音楽から感じることだけが真実です。
それと、「干からびた胎児」には詳しくないのですが、このタイトルの日本語訳に誤解があるようで、実際はそんなヤバいもんじゃないようですよ。
実際曲名では「ナマコの(幼生の干物)」「甲殻類の(幼生の干物)」…と言い切ってますしね。
同様に、この時代のフランスのトレンドだったのでしょう、艶っぽいテーマの作品が多く作られていますが、確かに歌曲の方の「ビリティスの歌」とか「神よ、なんと彼女を美しく見せ給うことか」なんて歌詞がなんかエッチっぽくて子供に演奏させられないというのはあるかもしれませんが、ピアノ曲ならどんな艶っぽいテーマであれその辺充分ごまかせると思います。
ならばなぜ、実際に子供が弾く例は非常にまれなのでしょうか?わざわざ避けているとしか思えません。
私も、タイトルがとか恐ろしく暗いからとかそういう理由で子供から遠ざけるというのはナンセンスと考えます。子供にふさわしいなんて言うのは勝手な大人の戯言です。音楽は音楽でありそれ以上でもそれ以下でもない。
No.2
- 回答日時:
「弾くべきではない」というわけではないが、「子供には分からない」「ある程度の人生経験がないと弾いてもつまらない音楽になる」曲はたくさんありますね。
たとえば
プーランク作曲「愛の小道」
プーランクには「エディット・ピアフを讃えて」なんていう曲もあります。これも子供が弾いても音楽にならないでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=xsLjNR_c74Y
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