No.1
- 回答日時:
錯イオンもしくは錯体という言葉の定義から。
「配位結合を含むイオンもしくは分子」
いろいろ定義できますが、上のような定義もあります。
では配位結合とは何か?
これは電子対供与体から電子対受容体へ電子対を供与することにより
生じる結合のことで、供与結合とも呼ばれます。
つまり、アルミニウムと水が錯形成してアクア錯体ができる際に、
Alは結合のための電子をもっている必要はないのです。
必要なのはむしろ水から供与される電子対を収容するための
「空の軌道」なのです。
混成軌道が生じる際に電子をもっていない軌道でも混成に関与することは
可能です。「フロンティア理論」というものでは、電子の詰まった
軌道と同じぐらい、空の軌道も重要な役割を果たしています。
(「軌道」という言葉が分からなければ、「殻」と読み替えてください。)
答えていただいてありがとうございますm(_ _)m
空の軌道が必要なのはわかるのですが、よくわからないのは
なぜアルミはsp3d2-HOで、なぜ亜鉛はsp3-HOなのか・・。
そういうことなんです。他にもニッケルはsp3d2-HOだったり
dsp2-HOだったりするでしょう?何か規則性でもあるのでしょうか?
No.2
- 回答日時:
多分(大学で学ぶべき個所なので)理解できないと思いますが一応。
錯体の構造を説明付ける場合に大学の教科書レベルでよく用いられるのは、原子価結合理論(VB)、結晶場理論(CF)および分子軌道法(MO)です。今回の質問の場合には結晶場理論で考えてみてはいかがでしょうか? これは中心金属をカチオン(あるいはルイス酸)として配位子をアニオン(あるいはルイス塩基)と捉え、両者の静電的相互作用を考えることによりd軌道の分裂を考えて分子構造を説明付ける方法です。申し訳ないのですが文章表現力が乏しいのでこれより先の説明を省きます(せめて図を使えると良いのですが)。
>何か規則性でもあるのでしょうか?
あるといえばあるし、無いといえば無いのかな?(笑) 規則性を見いだしても大抵の場合それに当てはまらない例外があり、それらを含めて説明付ける研究が現在も続けられています。コンピュータの進歩に伴い複雑な計算を短時間でこなすことが可能になったことにより、化学研究の重要な分野の一つになっています。
結晶場理論に関しては大学や公共の図書館などで無機化学や錯体化学の専門書を読めば載っていると思います。受験勉強の合間に試しに調べてみてはいかがでしょうか。
規則性を見いだしても例外が出てくるということは、
今のところはやっぱり覚えておくしかないのでしょうか??
アルミはsp3d2-HOだ、という感じに。
結晶場理論というのも非常に気になりますが、受験までもう時間が・・・(笑
化学はいいとして、数学なんかはかなりヤバイ状況なんですよ。(^^;
もし余裕が出来たら読んでみたいです。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
AlとZnを比較してみましょう。
安定に存在するイオンの電荷 Al(3+)、Zn(2+)
そのときの3d軌道に存在する電子数 Al(3+)0個、Zn(2+)10個
このことから、配位子(負電荷)はZn(2+)よりもAl(3+)に
より多く近づくことができると言えます。
このため、Alは六配位八面体、Znは四面体をとります。
ここで大切なのは、VB理論は
(1)実験的にAlは六配位八面体をとることが確かめられた。
(2)VB理論によりd2sp3混成軌道の状態であると考えれば(1)
の現象を説明できる。
このような立場の理論です。実験結果の中にはVB理論では説明できない
もの(電子吸収スペクトル)もあります。
Niについては Organometsさんが書かれているとおり
結晶場理論なしに説明することは、少なくとも私には無理です。
短く言うと
配位子場の大きい、分極能の大きい配位子をもつ場合は
平面四配位になる傾向が強く、
立体的に大きな配位子の場合は四面体になる傾向が強いと言えます。
>配位子(負電荷)はZn(2+)よりもAl(3+)に
>より多く近づくことができると言えます。
>このため、Alは六配位八面体、Znは四面体をとります。
亜鉛よりもアルミに多くの配位子が近づくのはわかったのですが、
それで何故、アルミが八面体に・・・?実験でわかることなのでしょうか?
>結晶場理論
高校生でも理解できるような本はありませんかね~?
もしくは結晶場理論について”簡単に(笑)”書いてあるホームページでも
知っていらっしゃれば教えて下さい。m(_ _)m
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