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フランス啓蒙主義の「唯物論」「合理主義」「自由主義」「進歩論」「理神論」ってどのようなものか簡単に教えてください…。
私は理系の人間です。よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

 


  啓蒙主義とは、宗教的ドグマや、旧弊な社会慣習によって抑圧されている人間に、自由と繁栄をもたらし、「実証的知識」や「合理的思考」の啓蒙(広く一般に知識・方法を伝えること)で、社会の変革を実現しようとした思想で、フランスに特に顕著に形を取って現れたといえます。
 
  ヴォルテールなどは、ドグマを批評し、理性でものごとを判断することを推奨し、既存のドグマ宗教(つまりカトリック教会の教義)を批判し、迷信などから人間の精神は自由でなければならないとします。「実証的知識」は、宗教的ドグマや迷信や、慣習的悪弊に対抗し、これらを乗り越え、啓蒙を可能とするものと考えられました。こうして、迷信やドグマから離れた、実証的・科学的知識を集大成して、これを、多くの一般市民に提供し、知識の広まりと社会の向上を目指そうと、或る人々、つまりダランベールやディドロは考え、彼等は百科事典の編纂に情熱を注ぎ完成させました。これらの人たちは、「百科全書派」とも呼ばれます。
 
  さて、質問の「唯物論」「合理主義」「自由主義」「進歩論」「理神論」は:
 
  「唯物論」: 彼等は、宗教のドグマ従って形而上学を批判し、実証可能な知識が重要であるとし、その考えは、素朴唯物論になります。イギリスでは、ロックなどの経験主義が対応するのですが、フランスの場合、経験主義と物質主義の混合されたような形になります。プラグマティックな世界観・真理観ともいえ、功利説を採る唯物論です。
 
  「合理主義」: 合理主義は、まず宗教ドグマや迷信に対抗するのは、「人間の理性」であり、理性が、慣習の悪弊や宗教・迷信の迷妄を正すと考えます。従って理性主義であり、これとプラグマティックな功利主義が組み合わさって、合理主義となります。
 
  「自由主義」: 啓蒙の目的は、人々の自由と自己実現、ドグマや迷信からの解放、不合理な支配などからの離脱にあり、封建的・絶対王権的な権威社会からの人間の自由を主張します。不平等や、社会的矛盾を多数備える当時のフランス社会を、不合理な社会と考え、このような社会を自由な社会へと変革することを目指しました(この考えが、フランス革命へと通じて行きます。またアメリカの独立にも影響を及ぼします)。
 
  「進歩論」: カトリック的歴史観では、主体が神にあるに対し、彼等は、人間が主人公の歴史観を提唱し、社会変革が可能となる理論的根拠として、人類の文明・社会の斬新的進歩説を唱えます。後期のコンドルセが、この人間進歩思想を代表し、コンドルセは、人類の発展段階を十に分け(確か十だった)、歴史的に人類は、未開から文明へ、迷信・宗教から科学理性へと、段階的に進歩して来たことを主張しました。
  
  「理神論」: 理神論は、イギリスの思想家が唱えたものですが、とまれ、宗教を理性的に捉える時、創造者としての神は、理性の原理から出てきても、奇跡とか啓示とか、教会の権威とかは、合理的根拠がないとし、純化した理性的キリスト教の構築を行った考えです。

  単純で有名な比喩例は、宇宙を、その存在と法則と共に創造した神は認めるが、神の創造が終わった後は、宇宙は、合理的法則に従って運動しており、神の超越的な奇跡や恩寵は介入していないし、その必要もないという神学です。(この場合、理性的法則というのは、ニュートンの「運動方程式」がモデルにあり、ニュートンの法則は、最初の境界条件が決まっていると、後の宇宙のありようは、法則によって必然的に展開するような形を取っており、この過程に、神の介在の必要性はないと考えられたのです)。
 
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この回答へのお礼

ありがとうございます!
正直、専門用語的な部分は良くわかりませんでしたが、大体の部分は理解できました!
なんか毎回見て思うのですが、説明できる人ってかっこいいですね!
また短期の期間の質問書いてることがあると思うのでよろしくお願いします!

お礼日時:2001/11/14 22:07

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