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スチレンの重合をする際、ベンゼン中で行うよりもトルエン中での方が連鎖移動の割合が高いのはどうしてでしょうか?

A 回答 (3件)

 もし、学生さんなら、ラジカル重合で高分子が生成する際の基本のメカニズム


開始→成長→停止でラジカルがどのように受け渡しされるのかを考える良い機会
かと思いますので、関連の参考書などをあたられるのがよろしいかと思います。
 例えば、(株)エヌ・ティー・エスの「ラジカル重合ハンドブック」第二章あ
たりに「連鎖移動定数」の文字が見えます。参考までに。
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連鎖移動を問題にしているので、ラジカル重合ですね。


スチレンをラジカル重合すると生長末端がラジカルとなり
重合が進行していきます。連載移動反応とはこのフリーラジカル
が他の分子から水素原子を引き抜いて自分自身は安定になって
しまう反応ですが、水素を引き抜かれた方は不安定なラジカル
(フリーラジカル)になります。この時に生成するフリーラジカルが
元々のポリスチレンの生長末端のラジカルよりも安定なラジカルが
生成する場合にはこの連鎖移動反応は起こりやすく、逆に
不安定なラジカルが生成する場合にはこの反応はあまり起こりません。
つまり連鎖移動する前とした後のフリーラジカルの安定性の比較が
反応が起こりやすいか否かを決定します。
トルエンの場合、メチル基から水素が引き抜かれますが、その時に
メチル基上に発生したラジカルは、ベンゼン環と共鳴できるので
共役安定化します。ベンゼンの場合、ベンゼン環から直接水素を
引き抜かなければなりませんが、そのときに発生するラジカルは
ベンゼン環のパイ電子雲と同一平面上に存在できないので共鳴できず
非常に不安定です。
2重結合の隣の炭素から水素を引き抜くと2重結合と共鳴できることから
この位置の水素は引き抜かれやすい。この位置をアリル位と言いますよね。
ちなみにプロピレンのメチル基もアリル位なので、連載どうしやすく
エチレンはメチル基がないので連鎖移動しにくい。
それ故、ラジカル重合でポリエチレン(高圧法ポリエチレン)は合成
できるが、ラジカル重合で高分子量のポリプロピレンは作れません。
ポリプロピレンは配位アニオン重合で作ります。
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重合系にトルエンや四塩化炭素のようにラジカルと反応しやすい化合物が存在すると、成長ラジカルはこれらの化合物から水素や塩素を引き抜いて安定な高分子となる。

そして、トルエンの場合ベンジルラジカルが生成し、このラジカルが成長ラジカルと同様に再びモノマーに付加して重合が進行する。
ベンゼンとトルエンではトルエンのラジカルの安定性が高いため連鎖移動がおきやすくなると思われる。
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