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「量子論では電子は原子核の周囲を軌道を描いて回っているのではなく存在する確率分布と捉えているので、電子が放射光を発してエネルギーを失うことはない」ということですが、電子が「存在する場所が一定でない」のであればそこに非直線的な動きがあり、従って放射光が発生せざるをえないのではないかと思うのですが、実際にはこのようなことは起こっていない。この矛盾をどのように考えればよいのか、ご教示いただけると有り難いです。

A 回答 (4件)

>存在する場所が一定でない



この部分が既に誤解です。量子力学における素粒子の概念は、「粒子はどの時点においても、全宇宙のあらゆる空間に存在している。ただ、その密度は座標によって異なり、我々が認識できるのは、比較的密度の濃い部分である。」ということです。

この存在密度を、実際に電子が「希釈された」と考えるか、「存在確率が1未満になった」と捉えるのかは、学派によって異なります。ただ、存在確率と考える場合でも、すべての座標における存在確率は、「同時に」成立します。つまり、波動方程式で表される存在確立分布は、一定の時間計測した値の平均値ではありません。

これら二つの学派の違いは、単に「1つの電子が、希釈されるとは考えがたい」か、「1つの電子が、異なる位置に同時に存在するとは考えがたい」かの違いだけで、その本質は全く同じです。

したがって、どれほど計測時間を短くしても、素粒子の密度分布は変わりません。言い換えれば、陽子に捉えられている状態の電子は、粒子としてその位置座標を表すことができません。そのため存在位置の移動、すなわち「非直線的な動き」という概念自体が成立しないのです。

この回答への補足

>陽子に捉えられている状態の電子は、粒子としてその位置座標を表すことができないので、存在位置の移動という概念が成立しない。

電子の移動という概念が使えないとすれば、例えば電流として定義される電子の動きは量子論としてはどのように説明されるのでしょうか?陽子に捉えられていない状態でのみ、電子の移動という概念が許されるのでしょうか?それともこの概念自体がおかしいのでしょうか?

補足日時:2006/03/18 17:07
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No.1です。



>自由電子が動く過程で、原子を構成する電子やイオン化された原子との相互作用はあると思うのですが

もちろんそうです。自由電子が動く場合には電荷中心の移動を伴いますから、電場・磁場が変化し、付近に荷電粒子があればそれらと相互作用します。

金属中を自由電子が動く場合、電子を失った金属原子は正の電荷を持つので、自由電子が近づいた時には引き寄せられ、自由電子が離れる時には反発しあって離れます。これは結晶格子の振動に反映され、マクロレベルでは電気抵抗として観測されます。

しかし、結晶格子は熱によっても不規則に振動していますから、具体的に金属原子に束縛されている電子の確率密度がどう変わるのかを示すのは困難です。

>電子の確率密度は揺らぐにも関わらず、電荷密度の中心位置が動かないのは何故なのでしょうか?

これは電荷中心を動かすエネルギーが与えられないから、というしかありません。電荷中心が移動するような電子の確率密度の変化を「電子振動」と言いますが、この場合には電磁波を放出して速やかに振動が停止します。

つまり電荷密度の中心位置が動くような電子の確率密度分布は不安定で、エネルギーが補充され続けない限り、極めて短時間しか存在し得ない。逆に言えば、安定している電荷密度分布では電荷中心は移動していない、ということです。
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この回答へのお礼

科学の素養のないものが投げかけ続ける量子の世界に関する疑問に、辛抱強くおつきあいいただき有難うございます。お聞きすればするほどに不可解なことが増えてきてしまい収拾がつきません(苦笑)。
電子の確率密度と電荷密度の関係は、イメージ化されたものでなければ理解できない旧く硬直した頭にとっては、摩訶不思議な世界としてしか映りません。

量子論の専門書はとても手におえるものではないので、科学啓蒙書の類で、私の理解を助けてもらえるものがあればご紹介いただけないでしょうか?

最後に一つだけ質問させてください;自由電子が、一旦引き寄せられた正の電荷をもつ金属原子から離れる時に、なぜ反発しあうのでしょうか?

お礼日時:2006/03/20 10:34

No.1です。



>例えば電流として定義される電子の動きは量子論としてはどのように説明されるのでしょうか?

まず自由電子として存在する場合と、原子の中で存在する場合とは、電子を記述する波動関数が異なることを理解しなければなりません。陽子との相互作用が無い状態の電子の確率密度は、極めて狭い空間に集約され、事実上個々の点として扱うことが出来ます。

しかし、原子の電子雲として存在する場合には、自由電子の場合よりはるかに広い空間に確率密度の分布が広がるので、粒子としての位置座標を表すことができないということです。自由電子の状態と同じ確率密度を保ったまま、その位置が陽子の周囲を移動しているという認識は誤りです。

また、電子の確率密度分布は、同時に電荷密度分布を意味します。この電荷密度の中心位置の移動が、巨視的に電流として認識されます。原子における電子(雲)の確立密度は常に揺らいでいますが、電荷中心の位置は動きません。したがって電荷の移動は生じず、放射光は発生しないのです。
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この回答へのお礼

素人に対して懇切丁寧にご説明いただき感謝しております。
自由電子が動く過程で、原子を構成する電子やイオン化された原子との相互作用はあると思うのですが、その場合の確率分布はどのように変わるのでしょうか? また、原子における電子の確率密度は揺らぐにも関わらず、電荷密度の中心位置が動かないのは何故なのでしょうか? さらにご説明いただけると有り難いのですが・・・。

お礼日時:2006/03/19 09:06

>電子が「存在する場所が一定でない」



 場所が一定でなくても、同じエネルギー状態
のところに電子は存在しているんです。

 位置(ポテンシャル)エネルギー=場所(原子核からの距離)

といった古典力学の概念で考えているんで
矛盾が生じるのだと思います。
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この回答へのお礼

いつもお世話になり有難うございます。
ここで言われるエネルギーの実体は何なのでしょうか?

お礼日時:2006/03/19 09:10

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