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第一次大戦時のヨーロッパ諸国の銃剣を見ると、完全に「突く」ことを主眼に作られています。フランス陸軍のものなどは、おおきな錐です。日本を見ると、第二次大戦まで刀だったと思います。この考え方の違いはどこから来たのでしょうか。

A 回答 (7件)

ご質問の中にあるフランス陸軍の錐状の銃剣というのは、一般にスパイクバヨネットと呼ばれており、一般の銃剣を意味するバヨネットとは別種類の扱いをされています。



第二次大戦までは日本の銃剣は刀だったということですが、これは実際は明治維新後、西洋軍隊の思想に大きく影響されたバヨネットに分類されるものだと思います。

ではなぜそのような形になったのかということですが、もちろんNo1さんの言われるように、日本人の心に深く根付いていた「刀」というイメージが色濃く残った結果だということも出来ますが、そこにはそのような銃剣を採用した経緯があります。

日露戦争から第二次世界大戦終了まで使われ続けた30年式銃剣は、一般に直刀式片刃と呼ばれた銃剣です。そのルーツは明治維新後までに遡ります。
西洋式(ヨーロッパ式)日本陸軍が編成され、銃剣の選定をどうするかという話になったとき、やはりヨーロッパ各国の銃剣を参考にしました。

各国には錐状もしくは刀式の2種類の銃剣があったのですが、結局明治政府はイギリスのエンフィールド社のスナイドル銃やシャスポー銃が採用していたヤタガン式銃剣に統一することになりました。
このタイプは先込め銃が銃口から弾薬を装填しやすいように、刃の中央は下に曲がっていました。

その後元込め銃が普及すると、次にアメリカのスプリングフィールド式銃剣を採用しました。
そしてこれが日本のスタンダードともいえる30年式銃剣のルーツとなりました。

39.4センチという長さを持った30年式は、敵と銃剣で戦う白兵戦の際、槍のように長ければ戦いに有利だろうという発想の結果です。ちなみに銃剣は平時には刃をつけていませんでしたので、何も切れませんでしたが、戦時になれば「刃付け規定」という規則に基づいて銃剣の前半分に刃をつけることになっていました。

それともうひとつ刀式にした要因として考えられることは、着剣した小銃というものは敵や占領した地域の住民に対して大きな威圧感を与えることが出来るということです。

占領地で陸軍歩兵部隊が、128センチの38式歩兵銃に40センチ近い30年式銃剣を装着して行進する光景や敵に向かって突撃してくる姿を想像すれば、かなりの精神的威圧感がありますよね。

ちなみにこれも余談ですが、現在世界の軍隊でスパイクバヨネットを採用している国はほとんどありません。イスラエルが建国後ガリルライフルに一部採用していた時期もありましたが、今は通常のバヨネットに統一されていると思います。

第二次大戦まではソビエト、イギリス、フランスなどがスパイクバヨネットを採用していました。

それと実は日本も第二次大戦中スパイクバヨネットを採用した銃がありました。
それは38式歩兵銃を騎兵用に改造した44式騎兵銃銃剣で、着脱式ではない銃本体に組み込まれていたスパイクバヨネットを装備していました。

ちょっと余談が多くなりましたが、参考になれば幸いです。
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この回答へのお礼

詳しい解説ありがとうございます。
スパイクバヨネットを日本が採用したことがあるとは意外です。銃剣は普段刃をつけないというのも初めて聞きました。あとは、心理的効果を期待したわけですね。

お礼日時:2006/07/30 08:43

もっと簡単に答えられる問題だと思います。


三角錐型のものは古いタイプで、
ナイフ型は、もっと新しいタイプというだけです。
逆説的に最も古いタイプもナイフ型なのですが
接続方法が銃口に差し込むタイプだったので
それがソケット式に変わり、
それからまたナイフ型に戻ります。
二度目の変化の理由は、
能力的に、特に19世紀前半の三角錐型は強度が不足して
折れやすく曲がりやすくもあったので
殺傷力という点で全く役に立たなかったからです。
ソケット式という方法も固定リングに問題があり
もっとしっかりした構造と強度が求められました。
それで円筒形のソケットは廃止され、
しっかりした金具で固定するようになったのですが
小銃の性能向上により、白兵戦自体が減少し、
銃剣の存在意義が薄れたことから
多目的ナイフしても使えるナイフ型が主流になったわけです。

ちなみに銃剣で死傷する割合は、
白兵戦全盛のナポレオン戦争時代でも
死者数全体の1~5%にも満たないことが
19世紀初頭にはわかっていました。
「突く」ということ主眼にしているように見えますが
実際には突くとアバラ骨に引っかかったりして
簡単に曲がったり、折れたりして
怪我させるくらいはできても、一人殺すのも大変な武器なのです。
よって日本軍が銃剣にこだわったのは
全く持って非科学的で、不合理な結論でした。

銃剣の意義は、心理的な効果のみで、
中国人民解放軍や北ベトナム軍の人海戦術でも
銃剣が使われますが、火力優勢下ではそれも撃退されるので
現代戦ではもはや不要というのが常識だったのですが
フォークランド戦争ではその常識を覆して
暗闇の中で銃剣による白兵戦が発生したことが知られます。

ま、結論をいうと、考え方に違いがあるわけではありません。
変遷があるだけです。
現代なら、多目的型か、収納型かの違いでしょうね。折りたたみ式もありますから。
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この回答へのお礼

やはり、実用性という面ではスパイクバヨネットに軍配なのでしょう。あとは心理威圧用なんですね。それにしても刀型が近年に復活したとは思いませんでした。

お礼日時:2006/07/30 09:00

#3のお答えにちょっとだけ補足。



スパイクバヨネットの長所というのは刺突の際の貫通力に優れている事で、特に寒冷地では敵も厚着をしているためにこの点は大きいようです。

逆に短所といえば、本来の目的以外には使えず汎用性に欠けるという点でしょう。銃剣は小銃の先に付けて槍の代わりにする以外に歩兵たちは様々な使い方をしました。時代が進むにつれスパイクバヨネットが廃れたのも、銃剣のそれ以外の用途というのが増えてきたためだと思われます。

また米軍の銃剣戦闘術をみればわかるように、本来の槍的な扱いとは離れた運用のされ方をしている事も、スパイクバヨネットが廃れていった理由の一つだと思われます。
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この回答へのお礼

汎用性がない、しかし実用性はあるということから、第一次大戦では採用された経緯もあるようですね。

お礼日時:2006/07/30 08:58

通信兵など小銃を持たない兵士が、白兵戦になった時のため、「短剣付槍」がありました。

   銃剣は槍から発想されたものです。
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この回答へのお礼

そうなんですか。知りませんでした。

お礼日時:2006/07/30 08:56

逆に明治時代はサーベルや剣が多かったのでは?



大正昭和と日本民族や大東亜等と言う考えが普及するにつれ軍刀や銃剣も日本を代表する日本刀の形にされたと思います。
http://www.h4.dion.ne.jp/~t-ohmura/gunto_081.htm
http://www.h4.dion.ne.jp/~t-ohmura/gunto_096.htm

参考URL:http://www.h4.dion.ne.jp/~t-ohmura/index.html
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この回答へのお礼

そうなんですね。洋式から日本式に向かいますね。

お礼日時:2006/07/30 08:56

 日本軍でも銃剣は刀ではありません。

牛蒡剣とも呼ばれる刺突用の剣で、刃は付いていません。
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この回答へのお礼

そうなんですか。刀と銃剣とは別物なのですか。

お礼日時:2006/07/30 08:38

1つは刀の製造技術の違いでしょう。



日本は刀、西洋はサーベルですから。

もう1つは使い勝手、銃剣はつけっぱなしではなく必要に応じ脱着しました。
外した時の収納やその他の使用方法でも日本古来の刀(小刀)のほうが良かったからではないでしょうか。
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この回答へのお礼

伝統の違いがありますかね。
かたなのほうが収納にも用途にも便利そうです。

お礼日時:2006/07/30 08:37

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