No.1ベストアンサー
- 回答日時:
群論は専門外ですが、断片的な知識から考えてみました。
まず、Euler函数の公式より、n=2を除けば、n=p×q×・・・×r (p,q,...,rは異なる奇素数)の形でなければならないことが分かります。
そこで異なる奇素数の個数をmとして、mについての数学的帰納法を使うことにします。
n=n'p ここで、n'はpと異なるm-1個の奇素数の積で、(φ(n'),p)=1 and (n',φ(p))=1をみたすものとします。
φ(n)=φ(n')φ(p)なので、もちろん、上の2つの互いに素の条件は、(φ(n),n)=1 と同値です。
さて、Sylowの定理よりGは位数pの部分群Nを持ちますが、これが正規部分群であることさえ言えれば(この証明がちょっと分からない)、問題は解決することを以下に書きます。
Schur-Zassenhausの定理または群のコホモロジー論より、G/Nは分裂することが分かります。
すなわち、G/Nの補群となる部分群Hが存在して、GはHとNの半直積に同型になります。
この半直積に付随するHからNへの作用を考えてみます。Nは位数pの巡回群に同型であり、aを一つの生成元とすると、
HのNへの作用はaへの作用によって定まります。作用が自明でなければ、aはその作用によって他の生成元に移ります。
Hの任意の元をhとし、a, a^h, a^(h^2),...という軌道を考えます。Nの生成元の個数はφ(p)=p-1なので、この軌道の長さ(aに戻るまでの長さ)はp-1の約数でなければならない。一方、この軌道の長さはhの位数O(h)の約数でなければならない。
然るにO(h)はn'の約数であり、(n',φ(p))=1だったから、この軌道の長さは1でなければならない。
したがって、このような作用は自明なものしか存在しないとなります。
すなわち、上記の半直積は直積でなければならず、帰納法の仮定より、Gはアーベル群であることになります。
上の議論では、(φ(n'),p)=1という条件を使っておらず、Nが正規部分群であることは、この条件と関係があると思われます。
上の議論を振り返ってみて気づきましたが、別にp群を使う必要はなく、(主張A)「Gは自明でない(すなわち、{e}でもG自身でもない)正規部分群Nを持つ」ことさえ言えれば、位数の関係から、G/Nは分裂することが言え、上とほぼ同じ議論によって補群HのNへの作用は自明なものしかありえず、したがって半直積は直積以外にはありえず、帰納法の仮定よりGはアーベル群であることが導かれます。
よって、問題は(主張A)の証明に絞られるのです。
もちろん、Feit-Thompsonの定理から(主張A)が成立することは分かりますが、こんな牛刀を使わなくても、遥かに簡単に証明する方法はありそうです。
その方法がすぐには分からないのが門外漢の弱みですが・・・。
この回答へのお礼
お礼日時:2006/11/01 19:02
丁寧な回答ありがとうございました。
(φ(n'),p)=1という条件は、おそらくSylowの定理と合わせると「p-Sylow部分群が正規部分群になる」が出るのではないか、と思います。
No.2
- 回答日時:
>φ(n)=φ(n')φ(p)なので、もちろん、上の2つの互いに素の条件は、(φ(n),n)=1 と同値です。
訂正します。同値ではありませんね。
(φ(n),n)=1⇒「(φ(n'),p)=1 and (n',φ(p))=1」
は言えますが、逆は言えません。
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