国立大学の医学生です。
私は脊椎・脊髄疾患を専門とする外科医師を志しており、出来る限り早い段階でその手技を学び、なるべく多くの患者さんの苦痛を取り除いてあげたいと切望しておりますが、そこで一つジレンマが有るのです。
いち早く多くの症例に当たろうとするならば、
卒業→初期研修→後期研修(脊椎・脊髄疾患に特化した施設で。)→後期研修先の病院等での勤務医→…
と進むのが望ましいのですが、ゆくゆく有力な病院に残る(=医局に重宝される)為には研究にも精を出し、最低限の資格認定を受けているべきですよね?
研究は臨床にも活きてくる部分が有るので分かるのですが、資格に関してはうわべのものとしか思えません。
と言うのも日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医になろうと思えば、まずは日本整形外科学会専門医の認定を受けていなければなりません。
しかし、その認定を受ける為には脊椎・脊髄とは無関係な外傷や間接疾患に関して一定以上の症例数積む必要が有り、遠回りに思えてしまうのです。私はそれらの疾患を扱う間にも一例でも多くの脊椎・脊髄疾患を扱いたいのです。
皆様にお伺いしたい事は、
「専門医認定を受けていない医師は、例え豊富な症例数を積み、技術を磨いたとしても苦労する事がありますか?」
また、以上を加味した上で専門医認定を受けるべきであった場合
「どのような進路を辿れば比較的効率良く脊椎・脊髄疾患のスペシャリストへの道を進みながら、専門医認定を受けられるのでしょうか?」
と言う二点です。
皆様の忌憚無き意見をお待ちしております。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
医師の世界、特に手術は技術の問題ですので、独学で何とかなるものではありません。
学問に王道がないように、専門医にも王道はありません。もっとも近道はしっかりとした脊椎の指導医を探して、その先生の元でしっかりと学ぶことでしょう。外国へ留学という話も出ていますが、留学先の選定と決定、留学中の生活費などの要素がクリア出来れなければ困難でしょう。
また、日整会の専門医資格を取るのが遠回りと感じておられるようですが、これは間違いです。脊椎外科医である以上は、最低限、それに関連した疾患、即ち、整形外科的疾患も鑑別出来るにこしたことはありません。外傷による脊椎骨折の患者が足首も骨折していた場合、あなたは背骨だけしか治さないつもりなのですか?このような医療を行おうとすれば、大学病院などの専門家の集団に属さないといけません。
医者は他の技術者と違い、技術だけでは一人前にはなれません。医学生のあなたが整形外科を目指すのに、内科や小児科を学ばなければならないのと同じ事です。
最後に、脊椎の手術に関する合併症は非常に多いです。また、医療は人体を相手にしている分、必ずと言っていいほど、予期しない不具合が出てくるものです。専門的に治療をすればするほど、合併症にであう数は多くなります。そのため、もしも合併症を起こして訴訟になった場合、認定医資格を持っているか、あるいはそれ相応の訓練を受けてきたかどうかで、過失の程度に影響が出てくる可能性もあり得ます。そう言う意味でも、資格はあるに越したことはないと思います。それ以外では苦労することは特にないと思いますが、しっかりとした教育を受けないと、独りよがりな治療法しか身に付かなくなります。
早速のご回答ありがとうございます。
あまりに狭い視野でいると鑑別診断や合併症の処置に支障をきたす事になるのですね。更に、訴訟の際の認定の価値に関しては全く
気付きませんでした。これからの訴訟社会を生き抜く上で絶対に無視出来ない要項ですね。
日整会の専門医資格を取る迄は視野を広く持ち(とは言え整外の範囲での話ですが、)
より専門的な道に進むのはそれ以降にしてみようと思います。
なお、もう一つ伺いたいのですが、留学の機会はいつ頃がよろしいでしょうか?なるべく若い内に行かないと体力的に持たないと聞きます。
そして留学先での研修期間は日整会の認定資格の「研修期間」には含まれないのでしょうか?
No.3
- 回答日時:
No.2です。
留学のタイミングについてですが、年齢については特にこだわることはないと思います。留学は単なる「ハク」を付けにいくのでしたら、早いほうが良いと思いますが、技術を学びにいくのでしたら、一概に早いほうがよいとは限りません。
1.経済的理由:留学中に給料をくれるところはほとんどありません。国費留学とかでもない限り、1,2ヵ月の短期留学なら給料をもらいながら留学することも可能な施設もあると思いますが、普通は無給です。その間の生活費を持っている状況でないといけません。ただ、結婚してからになると生活費は更にふくれあがるので、そう言う意味では独身時代にすませておくのも一つの手です。
2.留学先の選定:これにはある程度、見識が必要です。将来自分の技術が上がったときに、もっとレベルの高いところに行っておけば良かったとか、この方針は自分の考えと違うとか言うことが出てくるかもしれません。まあ、それはそれで貴重な経験ですし、無駄になることはないと思いますが。それよりも、余り右も左も分からないときに留学しても、そこの技術のすべてを学び取れないかもしれません。向こうも手取り足取り教えてくれるわけではありませんし、何を学ぶのか、目的がはっきりしてからの方がよいと思います。例えば、漠然とした「手術技術」と言うよりも、「○○の術式」とか、「XXに関する治療方針」とか、そう言った具体的な目標があった方が実りは大きいと思います。
体力的には、通常、欧米の勤務態勢は日本の勤務よりは楽ですので、体力的に難しいと言うよりも、社会的な理由によって、長期間日本を離れられなくなるという方が大きいようにおもいます。
あと、研修施設についてですが、研修施設は日整会が認定した施設に限られていますので、留学中は「研修期間」には含まれません。
整形外科は私自身は選択して良かったと思う、おもしろい分野です。脊椎に限らず、幅広い視野を身につけて(その方が治療方針を考えるときに大きな視野でみることが出来ます)、その上で専門性を磨き、立派な整形外科医になってください。(もしかしたら20年ぐらいして学会で教わっているかもしれませんね)。
今の高い目標・モチベーションを維持すべく、頑張ってください。いい師匠に出会えることを祈ってます。
度々ありがとうございます。
整形外科の先輩からの貴重な意見、大変ためになりました。
今まで目の前に漠然と広がっていたモヤモヤが無くなったので、これからは精一杯有能な医師になるべく精進したいと思います。
No.1
- 回答日時:
>専門医認定を受けていない医師は、例え豊富な症例数を積み、技術を磨いたとしても苦労する事がありますか?
現状の日本の制度下では、認定を受けずに症例数を積む環境が得られにくいのではないですか!しかるべき時期に認定を受けてるから、その方面にも参画できるようになってませんか?もしあなたのような考えで進むなら医局を飛び出す覚悟で留学するのがいいでしょうが、医局の推薦もなければ留学すら自分で開拓していかなければならない医局社会ではないですかねえ。多くの医師がいくつになっても医局におんぶして過ごしている現況からは、巻かれていくしかないのでは・・・
一番早く目的を達成するためには、医局を飛び出し留学して最新、最先端の知識・技術をつけ帰ってくることでしょうか!しかし、出発前から医局と仲良くしてないと何かと障害が多いでしょう(矛盾)。そして帰ってきたら先輩をもろともせず、学会の指導からも逸脱するくらいの専門医信念を貫く必要があるのでは・・・
回り道しながらでもぬるま湯につかり、敷かれたレールを出来るだけ早く登るか!のどちらかでしょう。
早速のご回答ありがとうございます。
日本で医師を続ける限り医局とは切っても切れない縁となる事は間違いないのですね。
留学は考えておりますが、米国におけるOrthopaedicsの人気は凄まじく個人で研修先の病院を見つけるのはまず不可能そうなので、
まずは日本で全うな道を歩み、十分な下地を作ってから推薦状を携えて行く事にしたいと思います。
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