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私は生物に関して門外漢であるので、的外れな質問をしているかもしれませんが、ご了承ください。

質問の内容は単純なもので、体のどこから採取してきた細胞でも
必ず23対の染色体を含むかどうかということです。要は、どの細胞においても23対の染色体にコードされている遺伝情報が必要かどうかということです。
というのも、かならず23対の染色体が含まれるのであれば、どの細胞でも同じ機能しかもたいないのではないかと思ったからで、細胞の機能の機能発現の調節はどのように行っているのでしょうか?
ヒントでもいいので、どなたかご教授ください。
質問内容をうまく表現できていないと思うので、必要であれば補足します。

A 回答 (5件)

ひとことで言うと、遺伝子の差次的発現(differntial expression)があるからです。

差次的発現というのは、必要なときに必要な細胞で必要な遺伝子が発現するということです。

必要なときや場所を知らせるのは、卵細胞に偏って存在するRNAやタンパク質であったり、液性の伝達物質(ホルモン成長因子)であったり、隣接する細胞との接触性のやりとりであったり、環境の変化であったり、いろいろです。
そういう情報を受け取るアンテナが細胞に備わっていて、情報を核内の遺伝子に伝えるしくみ、シグナル伝達系があります。もちろん、シグナル伝達系を担うのも多数の遺伝子産物なのですが。

必要な遺伝子が発現するのは、シグナル伝達系によって最終的に遺伝子のスイッチを操作するタンパク質(転写調節タンパク質)の種類がたくさんあって、それぞれが決まった配列の転写調節領域にくっつくためです。転写調節領域とは、それ自身は遺伝子産物をコードしていないけれど、それぞれの遺伝子の近傍にあって、その遺伝子の発現様式を調節するために必要な配列です。
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こんにちは。


我々の身体を構成する全ての「体細胞」の核内には必ず23対の染色体があり、そこにはヒトゲノム二万五千種類の遺伝情報が漏れなく書き込まれています。ですが、もちろんその全てが使われているというわけではありません。神経細胞や筋肉細胞など、我々身体では構造の異なる様々な細胞が働いていますが、使われているのはその細胞の機能、及び骨格形成に関わる遺伝子だけです。ですから、持っているDNAは全て同じもののコピーではあるのですが、その二万五千の遺伝情報のうち、各細胞ごとに必要なものはスイッチがON、不必要なものはOFFの状態になっているとイメージして頂ければ良いと思います。

我々の人体は60兆に及ぶ細胞によって構成されており、その機能分類は二百数十種類を数えます。これらは全て、元は一個の受精卵から分裂・分化したものですが、この受精卵のように、どのような機能を持つ細胞にも分化できることを「分化全能性」といいます。そして、それが分裂を繰り返す過程で、やがて定められた機能を持つ特定の細胞に分裂してゆくことを「機能分化」といいます。
必要なON・OFFの設定はこの時点で完了し、不必要な遺伝情報の持ち出しは一切禁止となります。結果、各細胞は発現する遺伝機能のパターンに従い、自分の役割を果たすことになるわけですが、動物細胞の場合は、そのスイッチの設定が元に戻ることは二度とないと考えられています。つまり、細胞が「機能分化」をするということは、受精卵の持っていた「分化全能性」を失うということなんですね。

分化全能性を有する受精卵は細胞の初期状態でありますが、二万五千種類の全てのスイッチがONになっているかと言えばそうではありません。恐らく、細胞が分裂するため、生きてゆくための機能がONであり、それ以外の特別な機能はOFFされていると考えるのが妥当だと思います。では、これがどのようにして特定の組み合わせパターンに変更され、機能が決定されるのでしょうか。
DNAの遺伝情報の中には、この、細胞ごとのスイッチのON・OFFを切り替えるための「制御領域」なるものが書き込まれていると考えられています。ただ、一口に「制御領域」と言いましても、遺伝情報の発現をコントロールする機能はひとつではなく、まだ様々な未知の要素があると考えられておりまして、多くのことが解明されているとは決して言えません。ですから、ここでは最も分かり易いと思われる例をひとつ挙げて、その流れを簡単にご説明致します。
この制御機能の場合、制御領域には「コード領域」と「調節領域」の二つがあります。「コード領域」と言いますのは他の遺伝子と同様にタンパク質の構造を記録している配列なのですが、これによって合成されるのは普通のタンパク質とはちょっと違い、目的の遺伝子の働きを活性化させたり抑制したりするという特殊な機能を持っています。そして、ここで合成された「活性・抑制タンパク質」が「調整領域」と呼ばれる塩基配列の特定の部分と結合しますと、これによって必要なスイッチがON・OFFされます。

細胞が何時、何処でその設定を変更するのかという判断を下すためには、何らかの情報が獲得されなければなりません。これには、自分が分裂したあとに、その環境から獲得される「外部情報・事後情報」と、細胞自身が分裂前から保持している「内部情報・事前情報」があります。
例えば、自分が分裂した場所が身体の内部であれば内臓の細胞に、外部であれば皮膚の細胞になります。あるいは、隣が血管であれば血管細胞に、周りが筋肉であればやっぱり自分も筋肉細胞ですね。このように、細胞は自分に与えられた環境からの様々な外部情報を「分裂後の事後情報」として獲得することによって身の振り方を決めているのではないかと考えられています。これに対しまして、DNAの制御領域によって行われる情報伝達や、既に完了したスイッチの設定は細胞自身の「内部情報・事前情報」に当たります。
このように、細胞の機能分化といいますのは、単一の条件ではなく、少なくとも外部情報と内部情報の複数の条件によって選択されるものであります。ですから、もし環境情報だけで機能分化が起こるということでありますならば、ひとたび血管細胞が増殖を始めたならば体中が血管になってしまうわけですが、取り敢えず、そのようなことはないわけですね。また逆に、この内部情報が事前情報としてしっかり保持されるならば、分裂後の環境が如何なるものであろうとも、設定されたスイッチがふらふらと変更されてしまうことはありません。

以上、細胞の機能分化と遺伝情報の発現に就いてめちゃくちゃ簡略にご説明致しましたが、間違ってもこれが全てではありません。そのスイッチの組み合わせはいったい何処に書き込まれているのか、制御領域を制御しているのはいったい何なのか、もちろん、まだ判明していないことが山のようにある分野ですから、より詳しい情報を得ようとするならば、それなりに専門的な部分にも踏み込んでゆかなければならないと思います。
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皆さんのお答えとはちょっと違う面から…



分化の過程で#2さんのおっしゃる「要らない遺伝子?を捨て去る」生物は存在します。染色体放出といいますが,円口類・双翅目昆虫・カイチュウ等様々な動物で観察されています。つまり,どの細胞も染色体が同じで同じ遺伝情報を持っているわけではないと言うことです。生殖細胞をのぞきまして不要な染色体を放出していきます。しかし,染色体放出に関してはなかなか研究は進まないのが現状のようですね。

その細胞にとって不必要な遺伝子を「眠らせておく」か,「捨て去る」かは,それぞれの生物の取った戦略の違いと思います。ヒトは前者の戦略をとったからこそ体細胞クローンが可能なわけですが… 解決の一助にならず混乱させてしまうだけかもしれませんが…
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分化とは何か?


使われない遺伝子、塩基配列がなぜ「そこ」にあるのか?
ということでしょうか?

「分化とは?」

分化とは、「機能の喪失」だと思います。
染色体上の極めて正確なプログラムによって、受精卵がX回分裂した時、この「位置」にあるこの「細胞」は、ある特定の機能(例えば・・・への分化能)を「失う」。
(「失う」よりも「獲得」のほうが適確かもしれませんが、、、、)

「使われない遺伝子、塩基配列がなぜそこにあるのか?」

判りません。
いらなくなった機能(遺伝情報)は、ほんとは捨てたいんだけど、システム上コピーされ保存されてしまう。とか?
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bonjoviさんは生物の分野でも生化学に関しては精通されてらっしゃると思いますので、簡単に。


染色体は例外がありますが(生殖細胞など、脱核したもの、がん細胞など)すべての細胞が同じ数もっていると考えていただいていいと思います。では、どのように別々の組織が成り立ち、機能しているか。
ほとんどの場合それは遺伝子発現によって調節されます。
組織特異的な転写因子によってその組織に分化するため、またその機能の維持の為に様々な酵素が遺伝子発現によって生成されてきます。
という簡単にさわりだけ回答いたしましたが、御こたえになってますでしょうか?
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