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かぶりふる 袖の白雪 埋れて     如昔(1678年6月頃)

「大坂檀林桜千句」という本に収録されている
この俳句の「袖の白雪」とはどういう意味なのでしょうか?
俳句の解釈も一緒に教えて頂けると嬉しいです!

A 回答 (1件)

「かぶり (頭) をふる、その袖は雪に埋 (うず) もれている (袖に雪がいっぱい降りつもっている)」



と解釈しました。 「袖の白雪」 は、「袖につもった雪」 あるいは 「袖が雪に」 といったところかとおもいます。

この句は、 「俳諧の連歌」 (連句) の 「付句 (つけく)」 (平句) です。 「俳句」 というのは、本来連句のはじめに詠まれるものだった 「発句 (ほっく)」 を正岡子規が完全に独立させたものです。 付句は、一定の約束ごと (式目) にしたがい、全体的な調和をたもちながら、前の句を解釈 (鑑賞) したり、換骨奪胎 (創作) したりするものです。発句にくらべて 「位を低く軽やかに詠む」 (小西甚一) ものだそうです。
また、この句が詠まれた 「檀 (談) 林」 という俳諧の流派には、 「前句の心 (意味) をそっくりは受け取らないで、どこか言い残し、その言い残した空隙を流れる餘 (余) 意におもしろさを求める」 (小西甚一)、あるいは 「滑稽をこととする軽妙洒脱な詠み口から 『軽口 (かるくち)』、付合 (つけあい) の連想飛躍を喜ぶところから 『飛躰 (とびてい)』 」 (乾 裕幸) とよばれる、といった特色があったそうです。

以上の基本知識をたよりに、この句を前後の句 (参考URL) とともにみます。
「かぶりふる」 は、前の短句 「今一声の越の海(うみ)づら」 の 「今一声」 をうけたものでしょう。前の句の 「今一声」 はさらにその前の句の 「雁啼 (なき) て」 をうけていたのですが、いかにも大坂 (阪) 町人らしく (如昔という作者については何ひとつ存じませんが、談林の本拠地は大坂で、談林風は大坂の町人文化と関係しています)、 「今一声」 を値切るときなどにいう科白として解釈しなおし、それにたいして 「かぶりをふる」 というわけであろう、というのがわたしの想像です。
「袖の白雪埋れて」 を 「袖が雪に埋 (うず) もれている」 とかんがえたのは、つぎの句 「はり貫 (ぬき) にやんも山おろしふく」 に、 「山おろし」 すなわち 「山から吹きおろす激しい風」 が出てくるからです。たいへんな悪天候になったなあ、という心がつぎの句に引きつがれたのではないか、とおもいました。

わたしはずぶの素人なので、ご質問の句の解釈にしろ、俳諧の基本知識にしろ、誤りがあるかもしれません。そのときは、くわしい方が指摘、訂正してくださればさいわいです。

参考:
『日本文学史』 (小西甚一 講談社学術文庫)
世界大百科事典/談林俳諧・俳諧・連句など http://ds.hbi.ne.jp/netencyhome/index.html

参考URL : 「大坂檀林桜千句 11巻」 (国際日本文化研究センター)

参考URL:http://tois1.nichibun.ac.jp/database/html2/haika …
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この回答へのお礼

丁寧な御回答ありがとうございます‥!
頭を悩ませていたのですがようやくわかって嬉しいです^^
本当にありがとうございました!!!

お礼日時:2006/12/18 01:23

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