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ふと思ったのですが,レンズには「色収差」
というものがありますよね.
ニュートンは,プリズムで色によって曲がる角度が異なる「色収差」を発見して,はやばやと屈折型のレンズを用いた天体望遠鏡の研究を
やめて反射型に乗り換えたという話があります.

実際には,現在では,カメラや天体望遠鏡の屈折レンズは,凹レンズと凸レンズを複数組み合わせることで色収差はかなり消すことが出来るようです.

ところで,人間の目はどうなんでしょうか.
わたしもあまり詳しくは無いのですが,たしか「水晶体」
というのは一種のレンズのようなものと聞いたことがあります.
たいていの目の断面図では,レンズみたいな形のものがひとつしか無いように見えます.
こんなのでは,色収差で物体を見たときにまわりの輪郭が
いろでにじんでしまうような気がするのですが,
個人的な経験では,そのようなことは無いように思います.
(「私にはにじんで見えてますよぉ」という人が現れたりして...)

なぜ,人間の水晶体の場合には,一見単純な構造のようでいて
色収差が問題にならないのでしょうか.
以下は,推測ですが,
  ・実は水晶体は屈折率が内部で連続的に変化していて,複合レンズのようになっている.
のか,
  ・色がにじんでも,網膜の色を感じる細胞のサイズよりも小さいため問題にならない.
のか,
  ・実際にはにじんで写っているはずであるが,視神経か,脳細胞
で色のにじみを補正している.
のか.
  ・そもそも,レンズと水晶体を一緒くたに考えるのは,バカな考え方.
なのか.
いろいろ考えたりしています.

網膜細胞のかずよりも,視神経の束の方が本数が少なく,
視神経の部分でなにがしかの画像処理をしてから脳に
情報を送っているというはなしも聞いたことがあります.

どなたかわかりやすく解説していただけませんか.

A 回答 (4件)

こんにちは。


 専門家ではないですが、親の仕事の関係もあって同じような疑問の長く持ってきており、過去、いろいろ調べてみました。色の専門家とのおつきあいもあったことを含め、断片的な情報のつなぎ合わせで中には信用しにくい点もありますが、次のような説明ではいかがでしょう。

(1) レンズ自体の色収差が小さい。
 これは他の動物の目を使って実験されています。その結果、水晶体は色収差についてはかなり高性能なようです。理由は不明確ですが、「水晶体は単レンズではあるが、実は非常に小さな板状の組織の重なりで、その間に液体が浸透しており、いわば“一群1万枚”のレンズである」(一般的なカメラのレンズは3群5枚など。)ことや、「歪曲収差などは脳の認識機能で修正するのでレンズ面と網膜の湾曲とが色収差に(比較的)有利な位置関係にある」等が上げられています。しかし、あくまでも単レンズとの比較のようで・・・

(2) 高解像度は視野中心だけ。
 カメラ試験用のテストチャートを、目を動かさずに見つめてみるとわかりますが、細かく見える視野は意外に小さいです。A4の文書の横40文字の内、目を動かさずに見ると数文字しか読めないことに気がつくでしょう。これは認識能力の影響もありますが、”周辺解像度も明らかに低い“・・・
 これをカバーしているのが眼球の動きであり、ブレをものともせず、最良の視野を高速で移動させ、全体として高い解像度の認識を得ています。

(3) 色がわかるのも視野中心だけ。
 同じようなことは色についても言えます。くっきりと見える交差点の信号も、あえて視野の端において見ると、何とか赤、青、黄の区別はつくもののくっきりとした感じはなくなるのがわかるでしょう。微妙な色は区別がつかないこともあります。

・・・ということで、質問者さんの4つの例示のうち、先の2つは私の聞いて(読んで)いるものと合致していると言えます。
あえていうなれば、・・・・色収差(縦色収差、横色収差)も、「ザイデルの5収差」と呼ばれる収差(コマ収差、非点収差等)も、水晶体はタダの単レンズよりは高性能かも知れないが、所詮、ほとんどは光軸から離れたところで大きくなる収差なので意識できず、眼球の動きでカバー・・・という理解が正しいのかも知れませんね。

余談ですが・・・
 私はド近眼ですが、眼鏡レンズの色収差が見えます!
 暗いところでレンズ視野の脇に蛍光灯を置き、眼球を動かして(横目にすることで)、目にとっては視野中心に近くで見るようにすると蛍光灯の脇に色にじみが見えます(特に青のはみ出しが見える)し、特におもしろいのは、最近の電車の行き先表示。2色~3色の発光ダイオードで表示しているものが増えていますが、普通のライトなら、色が連続的に分解されてはみ出しがボケに混ざってしまうので色を意識しにくいのに、発光ダイオードの場合は個々の色のスペクトルの幅が狭くくっきりしているので、明らかに文字が二重に(!)見えます。(苦笑)

さて、いかがでしょうか。
長くなってしまいましたがお役に立てば幸いです。
(なお、「色収差を脳の認識がカバーする」という論は今回初めてです。ちょっと納得はしにくい論ですが興味もありますので、今後文献類を見る上で意識してみたいと思います。)
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この回答へのお礼

ありがとうございます.

メガネについては,「色がにじんで見える」ようですね.
やはり,人間の目から見れば異物なんですね.

水晶体や角膜や眼球の内部の構造,網膜がつくる光学系が
どの程度の収差(色収差他)をもつのかについては,参考になりました.

盲点という見えない点があっても,人間の目には,故障したデジカメのように「黒点」としては認識されません.
人間の目って本当によく出来てますね.

お礼日時:2007/01/31 08:47

大学病院の眼科医です。


NO:1で解答していますが、捕捉しておきましょう。
眼鏡レンズも最近薄いレンズが好まれますが、これも屈折力の強い薄いレンズは色集差を感じる敏感な方も居られます。
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この回答へのお礼

ありがとうございます.

私はメガネはかけてないので経験はありませんでしたが,
度の強いレンズでは色が滲んで見える場合もあるのですか.
参考になりました.

お礼日時:2007/01/31 08:41

色収差は目でも存在します。

私は生物学専門なので生物学的な側面からお答えしてみます。
人間の目は黄色の光の屈折を基本として焦点を結ぶように水晶体を調節しています。なので黄色いものを見ると適切な距離感覚でものを見ることができます。一方、青や紫などの波長の短い色をしたものを見ると屈折率が少ないので視神経のある網膜より奥に像を結びます。そのためこの系統の色は実際より遠くにあるように見え、赤系統の波長の長い色は逆に実際より近くに見えます。
実際に壁に赤い紙と青い紙をくっつけて並べて離れた位置から見ると赤は浮き上がって、青は引っ込んで見えますよ。試してみてください。
また、この影響で射撃やキャッチボールなどで的が青いと命中率が上がり、的が赤い距離感が狂い命中率が下がる、といったことがスポーツ科学で実証されているそうです。
また、赤い景色は実際の距離より迫って見えるため、圧迫感やストレスを感じ、青系統の色の景色はリラックス効果があるそうです。
また、色の違いによる距離感の狂いやにじみは脳が補正していますが、黄色はその補正がもっとも少ないため、黄色いものをじっと見つめると脳の負担が減少し、集中力が上昇するという話もありますね。
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この回答へのお礼

ありがとうございます.

赤色のものが大きく見えるというのは初めて知りました.
心理的に,特定の色が圧迫感を感じたりすると言うのは小耳に挟んだことはありましたが.

私も,光学系のセミナーに行ったことがありますが,
そこではまず,「目の勉強」から入りますよね.
光の三原色も,人間の目の構造が3原色だから起こることであるという.

ちなみに,「黄色」という色は光のスペクトル上には存在せず
赤色(R)と緑色(G)の混合色として存在していますね.
色空間には,スペクトルでは単色として存在しない色が無数に
存在しています.
「目」というのは不思議です.

お礼日時:2007/01/31 08:39

眼科医です。


ご質問の水晶体の色収差について、理論的なご説明は難しいですが確かに水晶体も角膜も屈折があるから色収差は有ります、
でも人間の目はカメラと大きく違うのは脳で修正してしまいます、これと同じで網膜に写っている像は逆さに写っているのですが、
これも脳が修正を行なっているのです。ご指摘のようにカメラは収差を消すのに何枚かのレンズを使用していますが、眼はそうも行きませんねぇ。。。。
そういった意味では、カメラほど精巧では無いのかとも、思いますが違う面では、カメラのとうてい及ばない利点も沢山持っています。
的確なお答えになっていないかも、分かりませんね。
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この回答へのお礼

ありがとうございます.

依然として,あまり深くは考えていないのですが,
天体望遠鏡のような「望遠レンズ」のような場合には問題になるけど,
普通程度の倍率だとそれほど,色収差は気にしなくても良いのかもしれませんね.
水晶体はともかく,メガネは完璧ただのレンズですが,めがねを
かけたとたん「色がにじんでどうしようもない」と言うことにはならないように思います.

にじむ幅の大きさが実際どの程度なのかが問題なんでしょうね.
それとご指摘の通り,頭の中で何が行われているかとかも効いている気がします.

お礼日時:2007/01/30 13:44

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