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製品のサイトを見てもよく分からなかったので詳しい方いましたら
お願いします。

pUC系(pUC18)はlacプロモーターを有していますが、
これはIPTGで誘導されるのですか?

ベクターマップにlacIが見当たらないのです。
pUC系のベクターにラクトースオペロンが存在するのかが
分かりません。

よろしくお願いします。
ちなみに青白判定は行いません。

A 回答 (2件)

ANo.1の回答には一部間違いがありますので勝手に補足させてもらいます。


そもそも、pUCタイプベクターは青白選択を行うために開発されたベクターですので、まずはその原理を理解されるのがよろしいかと。

まず、pUCタイプベクターなど、α-complementationによる青白選択を行うためのベクターには、lacプロモーター(lacP)、lacオペレーター(lacO)、そしてlacZ遺伝子のα-flagment部分が乗っています。
http://bio.takara.co.jp/catalog/catalog_d.asp?C_ …

また、青白判定を行う際にホスト株から野生型lacZが発現しては困るので、このような目的に使うホスト株(DH5α、JM109など)は通常ラクトースオペロンを欠失させています。この遺伝子型は出典によって異なりますがおおよそΔ(lac-proAB)やΔ(lacZYA-argF)U169などと表現されます。
ただしこれだとlacZ Ω-flagmentが発現していないので、別途ゲノム上(DH5α)、またはF'因子上(JM109)にlacZ Ω-flagmentを恒常的に発現させるための配列を導入してあります(遺伝子型:lacZΔM15)。
さらに、JM109などは、未誘導時のベクター上lacプロモーターからの発現を強力に抑制するよう、F'因子上に恒常発現変異型lacIを配置してあります(lacIq)。

IPTGによる強制発現誘導は、ゲノム上由来、ベクター上由来を問わずlacIqという遺伝子型を持つ大腸菌で特に有効です。というかlacIqによるlacプロモーターの発現抑制を解除するために使用します。JM109などのlacIqを持つホスト株にpUC18を形質転換し、IPTGを含む培地中で培養すると、ベクター上のlacプロモーターからの発現が起こり、培地中にX-galが存在すれば青くなります。逆にlacIq遺伝子型を持たないDH5αでは、pUC18を形質転換しX-galのみを含む培地上に播種するだけでコロニーは青くなります。

以上を踏まえ、質問者さんに対する直接の回答としては
「lacO領域を持っているのでIPTGによって発現誘導はかかる。ただし、lacIq遺伝子型が無い場合はIPTG無しでもそれなりに発現する」
となります。
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この回答へのお礼

詳細なご回答ありがとうございました。

まず青白判定ありきで、そのためにラクトースオペロンがわざわざ分かれて存在しているのですね。
理解しやすいです。

宿主E. coli JM109の遺伝子型を確認しました。ご指摘の通り、lacIqなどがありました。lacZΔM15はlacZ Ω-flagmentを恒常的に発現させるための配列として覚えておきます。

勉強になりました。
ありがとうございました!

お礼日時:2007/03/12 23:13

>ベクターマップにlacIが見当たらないのです。


>pUC系のベクターにラクトースオペロンが存在するのかが
>分かりません。

pUCなどのプラスミドベクターにはlacZ遺伝子(N末端側の構造遺伝子)の一部しか乗っていません。
lacIとlacZの残りの部分は、宿主大腸菌のF'因子上に乗っています。宿主の遺伝子型を見てみてください。宿主側とベクター側、それぞれのlacZペプチド断片は両方そろうと酵素活性を発現することができます(α-complementation)。

青白選択をするときF'因子を保持している細胞を選択して(M9最少培地や、宿主によっては薬剤で)、それが落ちない条件でコンピーテントセルを調製しなければならないのはそのためです。

実際はIPTGで誘導されるのは宿主側のlacZ断片であって、たぶんベクター側のlacZ断片はconstitutiveに発現しているのではないかと思います(ここは未確認)。もちろん発現ベクターのあるものでは、クローニングサイトの上流にlacIプロモーターを持ちIPTGで発現を誘導するわけですが、DNAのクローニング用途だけのベクターはそうではないと思います。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。

宿主E. coli JM109の遺伝子型を確認しました。
ご指摘の通り、F'因子(lacIとlacZ)がありました。

クローニング用ベクターならではの仕組みということですね。
なるほど、納得しました。
ありがとうございました。

お礼日時:2007/03/12 22:59

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