
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
この場面、まったく記憶になかったので、テキストを探してみました。
http://www.readprint.com/chapter-644/Emily-Bronte
ヒンドリーのお葬式のあとの場面ですね。
ヒンドリーは借金しか残さなかったために息子のヘアトンは行き場をうしなってしまった。
そこにヒーススクリフが現れる。葬式の費用もヒースクリフが負担することになった。
He maintained a hard, careless deportment, indicative of neither joy nor sorrow: if anything, it expressed a flinty gratification at a piece of difficult work successfully executed. I observed once, indeed, something like exultation in his aspect: it was just when the people were bearing the coffin from the house.
ここはヒンドリーの葬式を出したときの、ヒースクリフのようすです。表面では何喰わぬ顔をしていますが、棺が出るとき「exultation」がちらとかすめる。
He had the hypocrisy to represent a mourner: and previous to following with Hareton, he lifted the unfortunate child on to the table and muttered, with peculiar gusto,
会葬者らしい神妙な顔つきから、残された子供のヘアトンをテーブルに乗せて、一変「peculiar gusto」を浮かべてつぶやく。
'Now, my bonny lad, you are MINE! And we'll see if one tree won't grow as crooked as another, with the same wind to twist it!'
"you are MINE" でヘアトンを手に入れた、と喜ぶヒースクリフの心情が語られます。彼はあくまで復讐をもくろんでいるのですから、ここから、復讐の矛先がヘアトンに向かったという脈絡で読んでいく必要があります。
one tree はもちろん幼いヘアトンのこと。
another は父親のヒンドリー。
木を傾げさせようとする同じ風に当たっても、この木がもう一本の木と同じように歪まないものかどうか、これから見てやろう、と言っている。
ここでヒースクリフが自分になぞらえているのは風のほうです。
自分の「風」に、ヒンドリーが傾ぎ、打ち倒されてしまったように、ヘアトンもどのように歪んでいくか見てやろう、ということです。
この回答へのお礼
お礼日時:2007/07/12 16:00
ghostbuster さん、とっても丁寧にありがとう!
(ちなみに私もその映画好きでした。シガニーウィーバーはエイリアンでさきに知ったので、シガニーは好きだったのにその映画でちょっとがっかりしました)
わたしはちょっと違うことを想像していました。
風=陰鬱な嵐が丘の風
one tree=ヘアトン
another=自分自身(ヒースクリフ)
歪んだ=性格の歪み
皆さんのご意見はどうですか?
No.2
- 回答日時:
お礼欄拝見しました。
一瞬、何のことを言っていらっしゃるのかわからなかったんですが、シガニー・ウィーバー……というのは、わたしのHNのことですね。
ええ、あの映画から来ています。
わたしはあれでピーターを演じたビル・マーレイが大好きなんですが、あの役はダン・エイクロイドが最初に脚本を書いたときには、ジョン・ベルーシを想定していたことはご存じ?
ベルーシがドラッグの過剰摂取で死んでしまって、マーレイがやることになった。
マーレイ演じるヴェンクマン博士というのは、ほかのふたりとちがって超常現象なんてちっとも信じていない、ゴーストたちを目の当たりにしても、ゴキブリか何かを見るようで、「信じる」というのとはまったく別の次元で対処している印象を受けます。子供のように信じているエイクロイド、学者的なアプローチをするライミスと、現実的で皮肉なマーレイというキャラクターの差が、それぞれのキャラクターをいっそうくっきりとしたものにしているわけです。
もちろん当初設定ばかりでなく、マーレイがそういう人物としてヴェンクマンを作っていったということもあるだろうし、ものごとを斜から見ているのにどうしても巻きこまれ、深くコミットする羽目になっても、それでもやっぱり斜から見てどこかおもしろがっている、みたいな、彼その人から来るイメージでもあるだろう(この人はドタバタをやっても、シリアスをやってもそんな感じがします)。おそらくベルーシが演じたとしたら、まったく別物になっていたにちがいありません。
何でこんな話を長々と始めたかというと、作品の中でのひとつのせりふを解釈するときも、やはりその人物の統一的なイメージを考える必要があるだろう、と思うからなんです。
どんなせりふも、その登場人物のイメージにそぐうものでなければならない。
同時に、そのせりふが登場人物のイメージを作り上げるものでなければならない。
たまに、そのイメージに一致しない言動を登場人物がするとしたら、それは作者がそこで「仕掛け」をしているのだと理解すべきでしょう。
『嵐が丘』に関しては、さまざまな解釈があるとは思うのですが、ここではジョルジュ・バタイユの『文学と悪』の「エミリ・ブロンテ」の章に依拠して話を進めます。
バタイユはまず、幼いキャサリンとヒースクリフが駆け回った荒野(ムーア)を「かがやかしい王国」と呼びます。
「ながい旅行からもどってきたヒースクリフが、ふたり一緒に身も心もささげつくして属していた少年時代の絶対至高の王国をキャサリンは裏切ったのだと考え」た。
そうして、
「いかなる起きても、暴力も、因襲も、憐憫の心も、いっときもヒースクリフの激情をとどめることはできなかった。死すらもそれができなかった。それというのも、彼は悔恨の思いもなく、情熱にかられるままに、キャサリンの病気と死とを、しかもそれがほかならぬ自分自身の病気と死とであることをはっきりと感じながら、まき起こしていったからだということである。…
この反抗とは、善に対する悪の反抗である。」
こうしたことを受けて、ヒースクリフは復讐に邁進する「行動の人」であると考えることができると思います。
一方、「自分自身の性格を歪んだもの」ととらえるのは、内省的な心の働きです。
バタイユはヒースクリフのこんなせりふを引用します。
「法律がもっとうるさくなく、趣味がもっと洗練されている国に生まれていたなら、わたしは宵の間の気晴らしに、このふたりのやつらをゆっくりと生体解剖しながら、じっくりたのしむこともできるんだが」
自分の性格の歪みを意識する内省的な人物から、このような暴力的なことばが出てくるものだろうか。
むしろ、このせりふからは「キャサリンの死は、自分の暴力のつぐないとして、ヒースクリフがたえしのばなければならない「永劫の苦しみ」」を抱えるがゆえに、片時も立ち止まることなく復讐へと深く駆り立てられているヒースクリフの姿を感じます。
したがって、ご質問の箇所も、やはり自分はヘアトンを歪ませる風となってやろう、という意志を表明したものというふうにわたしは解釈しています。
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