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e^(2πai)があるとして、aは実数、iは虚数単位とします。

このとき、オイラーの公式により、

e^(2πai)=cos(2πa)+isin(2πa)-----1

ですよね?

そして、e^(2πai)=(e^(2πi))^a------2

ですよね?

で、a=1/2としたときに、1では、

e^(2πai)=cos(π)+isin(π)=-1

になって、2では、

e^(2πai)=(cos(2π)+isin(2π))^(1/2)=1^(1/2)=1

になるから、1と2で答え違いませんか・・・?どこがおかしいか教えてください!!

A 回答 (6件)

こんにちは。




複素数の1/2乗などを考えるときには注意が必要です。


> e^(2πai)=(e^(2πi))^a------2
> e^(2πai)=(cos(2π)+isin(2π))^(1/2)=1^(1/2)=1

この最後で 1^{1/2} = 1 としたところが違っています。

また最初に^(1/2)が出てきたところでも、以下に説明するような「但書き」が(少なくとも式を書いた人の頭の中に)必要なのです。


z^{1/2} は2価関数といって、ひとつのzの値に対して2つの値を持ちます。

というのは、一般に、z=r e^{iθ} と置くことができるわけですが(r、θは実数で、r>0、2π>θ≧0)、nを任意の整数として、

z=r e^{iθ} = r e^{i(θ+2nπ)}

が成立つので、

z^{1/2} = r^{1/2} e^{iθ/2} e^{inπ} = (-1)^n r^{1/2} e^{iθ/2} = ±r^{1/2} e^{iθ/2}

になり、二つの値を持ちます。これを「ブランチ」といいます。z^{1/2}という関数には二つのブランチがあり、ケースによって、どちらのブランチを取るのかを明確にしないといけません。

最初に言った「但書き」とは、このどちらのブランチをとるつもりで^{1/2}と書いたのかです。実用的にはとくに書かないことが多いですが、少なくとも式を書いた人の頭の中では明確でなければなりません。

さて、1も虚部が0の複素数ですので、これを適用すると、

1^{1/2} = ±1

になるわけで、どちらの符号のものをとるのか、その都度考えるわけです。
(√1=1 は√の定義ですので、それとは関係ない話です。)

結論から言うと、今の場合には -1のほうをとるべきで、そのことをこれから説明します。


まず、z^{1/2} = ±r^{1/2} e^{iθ/2} = r' e^{iφ} (r'>0、2π>φ≧0)と複素数表示にしたとき、

 +の符号に相当するものは 0≦φ≦π/2 または 3π/2≦φ≦2π になり、
 -の符号に相当するものは π/2≦φ≦3π/2 になる

ことを覚えておいてください。


> e^(2πai)=(cos(2π)+isin(2π))^(1/2)=1^(1/2)=1

の式で、左辺の e^{2πai} = e^{πi} はもちろん一つの値をもつの複素数であり、それを複素数表示 z=re^{iθ} にすると、r=1、θ=π になります。

π/2≦θ≦3π/2 になるので、上で説明したことにより、マイナスのほうのブランチをとらなければなりません。


つまり、正しい式は、

e^(2πai)=(cos(2π)+isin(2π))^(1/2)=1^(1/2) = - 1

になります。


ちなみに、e^{2πai}=(e^{2πi})^a と書くのが間違いというご意見もあるようですが、そのご意見は、正しいとも間違いともいえます。

正確に言うと、その段階でz^{1/2} という関数が出てきたわけですから、どちらのブランチを取るのかを明確にして式を書かなければなりません。それが明確でなかったという意味では、この式は十分に正しくはないですが、かといって等号自体が間違いというわけでもないのです。

つまるところ、+-どちらのブランチを取るつもりだったのかは、

1^{1/2} = 1

と書くか、

1^{1/2} = -1

と書くかによって明らかになるので、今の場合は、そこで1^{1/2}=1 としたのが間違いとしては決定的なところです。
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この回答へのお礼

なるほど・・・

詳しいご説明ありがとうございます!!参考になりました!

複素数、一から勉強しないと・・・(x_x)

お礼日時:2007/08/13 01:16

No.2です。



No.3さん、No.4さんの丁寧な回答を読ませて頂き、とても参考になりました。

私も初めはお二人の趣旨と同様の回答を投稿しようかと思ったのですが、いきなりaが実数として2の式が出てきていたので、2の式そのものの妥当性(通常の「=」の理解では間違い)を喚起したかったため、「2を断罪」する形で投稿しました。

aに たまたま1/2を代入した場合だけ解説しても、aが一般の実数の場合の状況を想像するのは困難でしょうから、教育上は矢張り2の式自体について注意を促す方が良いのではないでしょうか?(いろいろなご意見があると思いますので、固執するつもりはありませんが)
たとえば、根号の適切なブランチを個々の場合に選ぶという作業が「この=は適切なブランチを選ぶものとする」で片付けられるような安易な方向に流れる心配はありませんか?(老婆心過ぎますか?)

質問者さんのNo.2回答へのレスポンスについて;
nが自然数と暗黙のうちに前提としているようですが(その場合は間違いではありません)、今は一般にaが実数の場合を考えているのですから、「=」を通常の一価関数の等号とみなす立場からは、2の式は「間違い」です。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます!

= の使い方が間違っていたようですね・・以後、注意しますっ!

お礼日時:2007/08/13 12:35

式2が間違いです。


変数を複素数まで拡張した時の関数には注意が必要です。
対数関数w=ln(z)は多価関数であることはご存知ですよね。
複素指数の関数は、その対数関数を用いて定義されます。たとえば、
a^(z)は、
a(z)=e^{z*ln(a)}
と定義されます。対数関数が多価関数ですから、それを用いて定義される指数関数も、必然的に多価関数となるのです。
以上のことを使って、少し遊んでみましょう。

e^(2πai)=(e^(2πi))^a=1^a=1
となりそうですが、ちょっとまった、
1^a=e^{a*(ln(1)+2πni)}=e^(2πnai)
となりますね。

指数関数の、この定義を使えば、3の1/2乗は、
3^(1/2)=e^{1/2*(ln(3)+2πni)}=±√3
となります。

しかし、普通は、ややこしいので、あまり厳密に定義にこだわることはしません、
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます!

そうですかぁ・・対数を用いたアプローチもあるんですねぇ・・・わかってきましたー!!

お礼日時:2007/08/13 12:21

「ある意味」では, 2 が常に成り立つともいえるんだけど....


今の例の場合, 根は「x < 0 なら √(x^2) ≠ x」と同じです. つまり,
「(-1 = ) e^(2πi/2) ≠ (e^(2πi))^(1/2) (= 1)」ですが, この両辺は「どちらも 2乗すれば 1」という意味では同じです.
考えてみれば, 「1^(1/2)」の値としては 1 と -1 の 2個がありうるんですよね. そのはずなのに, 単純に「1^(1/2) = 1」としてしまったというところが問題です.
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この回答へのお礼

あー!そうです!なるほど・・・ありがとうございます!!

お礼日時:2007/08/13 00:28

2がおかしいのです。


一般にx,yが実数でないときは、
(exp(x))^y = exp(xy)は成り立ちません。

『数学文化』8号、p38にも親切な解説があります。(上野健爾氏)
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この回答へのお礼

そうなんですかぁ・・それはx、yがともに実数でないときですか?質問のような、2πiとa(実数)に分けられるときもいっしょですか??

e^(iθ)のn乗、
(e^(iθ))^n=e^(inθ)
もおかしいんですかねぇ・・・

よくわかんなくなってきました・・・涙

お礼日時:2007/08/12 23:53

式2


e^(2πai) = (e^(2πi))^a
がまずいようです。
e^(2πai) は一般には(絶対値が1の)複素数。
ところが、aでくくって (e^(2πi))^a にしてしまうと、
e^(2πi) = 1 なので、
(e^(2πi))^a = 1^a = 1
という恒等式になってしまいます。
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この回答へのお礼

なるほど・・んーわかったようなわからないようなです・・・

お礼日時:2007/08/12 23:48

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