A 回答 (6件)
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No.6
- 回答日時:
No.3です。
興味深い問題ですが、忘れてはならないのは「和歌をよむ」という行為の社会的な意味が万葉集の時代と現代では大きく変わっていることでしょう。現代では和歌(ほとんどは短歌)を詠むということは個人的な行為であり、文学(文芸)作品を作ることだと理解されています。一般には文学好きの教養のある人の趣味だとも考えられているでしょう。日常的に歌を詠む人が成人のどれだけの割合かはよくわかりませんが、仮に全国に100万人いたとしても成人の約1パーセントに過ぎないことになります。しかも紙かネット上かはともかく、文字情報として表現されます。ところが万葉集の時代はこれとは異なります。和歌を詠むことは、とりわけ「歌垣」などの場合には集団の中でのコミュニケーションの必須の手段であり、単に個人が文学作品を作ることではありませんでした。文字は知らなくても歌を人並みによめて(音声表現)相手に気に入ってもらえなければ、恋人もできないおそれがあります。こんな切実な動機付けがあれば、当時の若者の大半は、意思伝達の大切な手段として上手下手は別として懸命に歌を詠もうとしたと思います。その意味では歌を詠む人の割合は成人の1パーセントどころではなく、現代よりずっと高かったと推測されますが、正確な数字は誰にもわからないでしょう。
以前テレビのドキュメンタリーで、中国・雲南省の少数民族の「歌垣」のような催しを紹介していました。青年男女が民族衣装で、決められた日時に決まった山に登り、まず男性が朗々と歌い上げます。これを気に入れば、女性が歌を返し、これにさらに男性が歌を返し、これを繰り返すというものです。この男女は普通の村人ですが、相手の歌の内容に対して即興で歌い返すことが求められているそうです。こうした古来の風習を見ても、口承文芸である歌の起源のほうが文字の起源より古いことは確かで、日本だけではなく「歌詠み率」は文字がなかった、あるいは文字が普及していなかった時代・社会の方が高かった可能性があると思いますがいかがでしょうか。
また万葉集が編纂された時代には、九州(最南部を除く)・四国・本州(東北北部を除く)では一部の渡来人の集団を例外として、おおむね共通の言語・文化をもつ集団(方言や地域差はあるとしても)であったと考えられます。そうでなければ、国家が戸籍を作って全国的に租税を物納で徴収したり、東国の農民を防人として西国に動員したりすることは困難でしょうし、何より万葉集に全国各地の「○○国の歌」が多数載せられている事実がそのことを示しているのではないでしょうか。
No.5
- 回答日時:
詳しくは存じませんので感想程度で。
古代には「歌垣」なんていう習俗もあったようですし、一般庶民にも「うたごころ」は
あったのではないかと。但し、万葉集に収録されているそのままを庶民が詠んでいたかは
疑問で、当然民間歌謡や即興詩や口承文芸のようなものを編纂者が添削・整形したんでしょうけど‥
世界のあちこちにかつて文字を持たない民族がいて独自の文化、特に口承文芸のようなものが
発達していたことを考えるならば、むしろ文字を持たない庶民の方が頭でっかちで理屈っぽい
貴族よりも「うたごころ」があったのかもしれませんね。
No.4
- 回答日時:
万葉集にも、幾つかの時代があります。
いわゆる、万葉歌人(額田王女・柿本人麻呂・憶良)の以前の、地方に伝来した歌謡もあります。これらは、和歌になる前の古い歌謡の形式(旋頭歌)などというものもあります。
また時代が下がってからも、防人の歌のように自ら詠ったものもあります。識字率が低いから歌がないというのは大間違えです。現代の私たちからすれば、古文で難しいかも知れませんが、当時の人とすれば、口語で自分の感情を歌っているのですね。
英語を読めない黒人が歌った黒人霊歌の中に心を打つものがあるのと同じです。
あなたが、古典を読む力が無いだけです。
同じ日本語なのですよね。
情けないです。
丁寧なご回答ありがとうございました。
私の疑問はあの時代、現在の本州、四国、九州に存在した人口のうちで同じ言語、共通の文化を持つ集団は人口の何%程度存在し、かつ歌を詠う習慣はどの程度普及していたのかはっきりしないと万葉集はあらゆる階層の人の歌の集大成などとはとても言えないのではとういのが疑問の発端です。当時は帰化人、土着人も含め征服、被征服者間の壮絶な闘争もあっただろうし、また被征服側の文化は抹殺されることは歴史上の常識ですから。このため質問を文学でなく歴史のカテゴリーに掲載しました。歌の良し悪しについては全く個人の主観の問題ですので本論点とは違うことご了解ください。
No.3
- 回答日時:
>万葉集の時代に歌を詠める人は相当な高学歴者であったと思うのですが
文字の読み書きができなければ「歌をよむ」ことができないかといえばそうではありません。防人の歌は、防人が詠んだ歌を、引き連れてきた役人が記録して上進したものと考えられ、防人本人が読み書きができなくても文字として残ったわけです。実際に、「□のたてまつれる歌の数○首 但しつたなき歌△首は取載せず」とあって、(○ー△)首の歌が記されています。万葉集の選者から見れば下手な歌でも防人が読んだところが重要です。
万葉集の「よみ人知らず」にはさまざまな事情があると考えられますが、すべて貴族の創作と考えるのは無理だと思います。東歌など都の貴族がわざわざ東国方言を使って技巧的でない歌を創作したとは考えづらく、むしろ多くの人がかかわった民謡のようなもので、特定の作者が決められないということではないでしょうか。また、このように天皇から庶民まで有名・無名の多くの人の歌が残っている点に、千二百年余り経った今でも、万葉集が歌集として人気を集めている最大の理由があると思います。
ご回答ありがとうございました。
ただ歌を詠うことの出来る人の人口比率、歌詠みの普及率がどのくらいあったのかがわからないと庶民かどうかは判断できないのではないでしょうか?
No.2
- 回答日時:
ん~, 「誰かが言ったものを書き写す」ということなら, 識字率はそんなに高い必要はないですよね. 「書き写す」人が知っていればいいだけだから.
奈良時代だと, 「地方の役人 (郡司くらい) はだいたい文字を知っている」レベルの識字率だそうです. いくつかの郡庁跡から, 文字を練習したあと (やら落書きしたあと) が見付かっているはずです.
ご回答ありがとうございます。この時代の庶民の生活がわかるような
記録もないので歌読みの習慣が普及していたのか判断できないのでは。
ここからは私の推測ですが、この時代 庶民=奴隷のような気がして
おり生きるだけで精一杯の人がいわゆる大衆であったと想像しています。
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