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今、x≦yとします。このとき、関数列{f_n}がf_n→f(n→∞)と収束したとします。
このとき、f_n(x)≦f_n(y)ならば、f(x)≦f(y)は一般に成り立つのでしょうか?極限操作で不等号が成立しなくなる場合ってありますか?

回答お願いします。

A 回答 (1件)

こんにちは。



> 今、x≦yとします。このとき、関数列{f_n}がf_n→f(n→∞)と収束したとします。
> このとき、f_n(x)≦f_n(y)ならば、f(x)≦f(y)は一般に成り立つのでしょうか?

一般に成立ちますよ。

> 極限操作で不等号が成立しなくなる場合ってありますか?

不等号が≦のように等号付きのものであれば、成立しないことはありえません。


x < y に対して、

f_n(x) < f_n(y)

のように等号が入らないときには、極限は

f(x) ≦ f(y)

のように等号が入ります。




[証明]

要するに何かというと、f_n(x) と f_n(y) が f_n(x)≦f_n(y) を守りながら、それぞれ f(x) と f(y) にいくらでも近づいていくのに、大小関係が逆転することはないということですが、それを数学的にきちんと証明するには、次のようにします。


関数列の収束は、

任意のεに対して、十分大きな N を選べば n > N なるすべての n に対して、

| f_n(x) - f(x) | < ε
| f_n(y) - f(y) | < ε

が成立つと書くことができますね。

すなわち、

f_n(x) - ε < f(x) < f_n(x) + ε … (1)
f_n(y) - ε < f(y) < f_n(y) + ε … (2)


いま、x ≦ y に対して、f_n(x) ≦ f_n(y) がすべての n に対して成立しているのに、f(x) ≦ f(y) が成立たなかったとします。

つまり、f(x) > f(y) となる x≦y が存在したとします。

その差を a > 0 とおきますと、f(x) = f(y) + a ですが、

ε=a/3 ととることができるので、(1), (2) より、

f_n(x) + a/3 > f(x) = f(y) + a > (f_n(y) - a/3) + a = f_n(y) + 2a/3

f_n(x) > f_n(y) + a/3 > f_n(y)

となってしまい矛盾です。

(証明おわり)



x<y に対して、f_n(x) < f_n(y) のときに、極限が f(x) = f(y) になることがあっても良いのは、この証明で a=0 とすれば明らかで、そのときには ε=a/3 にとることができませんので、矛盾を導くことができません。

簡単には、f_n(x) = x/n という例でよいでしょうね。

x < y では、必ず f_n(x) = x/n < y/n = f_n(y) が成立ちますが、極限 n→∞ では、f(x) = 0 = f(y) になります。
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この回答へのお礼

非常に丁寧な説明をつけてくださり、ありがとうございました。大変参考になりました。

お礼日時:2007/08/17 23:09

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