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仕事で必要なため質問させて頂く物理素人のおじさんです。
書籍類を見ると連成振り子の物理モデルとしては2つの単振り子の質点をばねで連結したモデルが多く出ていますが、ばねではなく剛体の棒で結んだモデルを考えています。棒の一方の端を揺らしたときにもう一方の端がどのような動きになるか知りたいのです。揺らす方向は棒と直交する方向です。参考となる書籍、WEBサイト等でもかまいませんので考え方のヒントを教えていただきたくお願いいたします。

A 回答 (1件)

貴方の考えているモデルは、2つの単振り子の質点をばねで連結したモデルとは全然違った物です。

この剛体棒のモデルの運動は、非線形力学系で起こるカオスの典型的な例です。だから,カオスや非線形力学系を扱った高いレベルの物理の教科書にならその例を載せている物を見かけたことがあります。幾つかあるはずですから、その辺りを探してみて下さい。

2つの単振り子の質点をばねで連結したモデルは線形力学系の例です。そして線形系の運動方程式はフーリエ変換で簡単に解けます。

一方貴方のモデルは現代物理学の最先端の問題で、「ポアンカレの非可積分性の定理」の典型的な例です。この定理は共鳴特異性による力学系の不安定性の問題やカオスに関わった、非線形力学の大定理です。

その定理を,少々粗っぽく述べると、
「いくつかの自由度が相互作用を通して結合しているほとんどすべての系は、力学的性質を保つようなどのような解析的な変数変換(専門語では正準変換と言います)をしても、その新しい変数の間の相互作用を消し去ることは出来ない」
というものです。

貴方のモデルがなぜ難しいかというと、剛体の振り子には往復運動ばかりではなく、回転運動があるからです。例えば初期条件として、2つのうちの一方が、ぎりぎり往復運動をするはずのところを選んだ時に、無限に小さな初期条件の違いによって、それがその後往復運動をするか回転運動をするかの違いが出来てしまうので、運動方程式を解いても長時間的な予測が出来なくなるからです。ポアンカレの定理によってその予測はもちろん解析的な計算では出来ません。コンピューターは無限の桁数の計算ができませんから、それを使ってもやはり出来ません。

ポアンカレの定理にでてくる共鳴特異性は「われわれの世界のなかでは、時間はなぜ過去から未来へと一方向にきり流れないのか」という問題を解く鍵を与えてくれる大変重要な概念です。
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この回答へのお礼

詳しい回答ありがとうございます。
難しい言葉が多くでてきて素人の私には太刀打ちできないことがよくわかりました。
>剛体の振り子には往復運動ばかりではなく、回転運動があるからです
なるほど難しくなるわけですね。
連成振り子、連成振動の基礎もまだ理解していないので、まずはそこから勉強し、簡易モデルに置き換えて検討可能か模索してみます。

お礼日時:2007/08/28 23:27

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