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冷戦当時日本人がソ連に観光旅行に行った人達がいたという事をつい最近知って、大変びっくりしました。それでは冷戦で直接対峙していた当事者のアメリカ人が観光でソ連に旅行に行っていたのでしょうか?

ソ連(今のロシア)は私にとって、謎に包まれている部分が多いミステリアスな国という印象があります。

ご存じの方どうかご教授下さいます様、お願い致します。

A 回答 (6件)

>冷戦当時 ~ 直接対峙していた当事者のアメリカ人が観光でソ連に旅行に行っていたのでしょうか?


 
 スターリン全盛時代の、いわゆる「冷戦」当時でも観光することは出来ました。
 
 ソ連側の理由として、観光客が来ることによってドル外貨を獲得できる。ソ連政府指定のコースをはみ出さず、撮影の制限を遵守させれば害はない。しかも観光客を通じてソ連の優位性を宣伝させる効果がある、などが挙げられます。ただ、冷戦時、じっさい対立する相手国へ気軽に観光へ行こうという人の数は少なかったし、入国が好ましくない人物、団体に対してはパスポート発給を遅延させる(拒否するとはいわない)ことで実質拒否していました。
  
 実際に観光客が増加したのは、スターリン死後のいわゆる「雪解け」からで、政権交代、政策変更のたびにおこなわれたソ連憲法の修正によって70年代には相当数のアメリカ人を含めた外国人観光客が入国しました。

 70年代当時のソ連を紹介したノーボスチ通信社編による『ソ連邦の生活・文化』(1979年 労大新書)のなかにこういう文章があります。

 一九七七年にソ連邦を訪れた外国人は四四〇万人以上で、外国旅行に出かけたソビエト人は二七〇万人でした。~ この数年間に外国人と結婚したソビエト人は、一万人以上に達しています。そのうちの七〇〇〇人が、結婚相手とともに定住のために、世界の一〇〇ヵ国以上の国々に出国しています。同時に、ソ連邦に移住を希望する外国人の受け入れもおこなっています。
 
 日本人の感覚ではピンとこないことですが、ソ連邦へ観光を含めたプライベートな理由でソ連へ行った人々の特徴のひとつとしてソ連国内に親族がいるユダヤ人たちの往来が挙げられます。一口にアメリカ人といってもユダヤ系アメリカ人が多く出かけております。ソ連国内におけるユダヤ人問題は現在も続いており、先に挙げた『ソ連邦の~文化』のなかにもユダヤ人のイスラエル出国について書かれています。

 ソ連の内政はその都度硬軟に変化したものの、基本的には入国を拒否することはなく、情勢が悪化すればパスポート発給を無期限に遅延すればすむことだけなので、決して観光客が0になることはなかったのです。

 冷戦当時のソ連については、古書店に行けば、そのころの岩波新書や労働大学(自治労)が出版していた「今日のソ連邦」とか労大新書など、左派系の書籍が埃をかぶって一山いくら程度の値段で売っていることと思います。ちなみに『ソ連邦の~文化』は25円でした。そんな宣伝本でも当時のソ連を知る手がかりのひとつになると思います。
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この回答へのお礼

当時のことを知る上で役立つ様々な雑誌・書籍等のご紹介誠にありがとうございます。古書店で探そうと思います。ありがとうございました。

お礼日時:2007/09/27 00:25

No3です。


>キューバ危機やアフガン侵攻の時でも観光は可能だったそうです。
この点は日本からということではなく、一般的に西側諸国から可能だっ
たということでしょうか?

70~80年代初頭まで父親の友人が、ロシア物産の輸入業をやっていました。
子供のころでしたので、記憶が曖昧な部分もありますが、かなり羽振り
はよかったようです。
家にはマトリョーシカやキャビア、ロシア製の冷凍食品とかが
送られてきました。

80年のアフガン侵攻で、家に遊びに来たその人に父親が
「(仕事に)支障はないのか?」と聞いたら
「キューバ危機でも、ソ連への出入国は関係なかった(から大丈夫)」
と返答していたのを憶えています。
あの時、日本では大騒ぎでしたがソ連国内はあんまり変化がなく
相変わらずドイツやトルコからの観光客や輸入業者が普通に出入国
してたようです。

ソ連というと怖いイメージもありますが、けっこうおおらかな国民性
という面もあったらしいですよ。
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この回答へのお礼

冷戦といっても入国については完全に拒否する方針ではなかったのですね。ロシア人は確かに人なつっこいというかあたたかな面も感じたりしますが、そういう民族がソ連というなぜ政府の管理統制の強い国を作りあげてしまったのでしょう?

お礼日時:2007/09/27 00:35

>エスピオナージの小説や映画


すみません、最近遠ざかっていて、すぐに思い出せませんでした。
ジョン・ル・カレのスマイリーとか、フリーマントルのチャーリー・マフィンが一般的なのでしょう。

私が思い出していたのはアダム・ホールのクィラー・シリーズです。
http://homepage1.nifty.com/ta/sfh/hall3.htm

映画では『ファイヤーフォックス』で、クリント・イーストウッドの扮するミッチェル・ガントがソ連に侵入して戦闘機を奪いだすのですが、後半の空中戦のイメージが強くて、どうやって侵入したのか覚えてません。ビジネスマンとして入ったのではなかったかと思います。
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この回答へのお礼

ご紹介ありがとうございます。図書館で借りて読んでみようと思います。『ファイヤーフォックス』は残念ながら観たことがありませんでした。是非観てみたいです。

お礼日時:2007/09/27 00:28

ある程度の緊張感は必要でしたが、50年代からアメリカ人をはじめ


西側各国(日本は国交正常化後)から観光には行けました。
ただし、ソ連の旅行会社が用意した観光ルートがメインで、観光客が
ルートから外れて好き勝手に行動することはできませんでした。
キューバ危機やアフガン侵攻の時でも観光は可能だったそうです。

ゴルバチョフ政権末期(冷戦終了期)には、かなり観光客への制限も
緩みましたが、チェルノブイリの影響と共産党政権崩壊による物不足
から観光客の数は激減。
90年代後期から自由市場経済の導入で観光客(ビジネスマン)の数も
回復しましたが、最近は若者らによる右翼活動でアジア系や中東系の
人たちは警戒の必要があるそうですが。

ケネディ暗殺犯(に仕立てられている?)オズワルドは、60年代に
頻繁にアメリカからソ連に出入国していたそうです。
彼は、観光以外にも「留学生」としてもソ連に入っていたそうですが
ミンスクで知り合ったロシア女性を結婚するためにアメリカに連れて
いってますね。ただし、彼はソ連のスパイという噂もありますが。

20世紀初頭、ロシアから大量の移民がアメリカに渡っています。
その子孫が、自分たちの民族的故郷を確認したいためか、当時の
アメリカからの観光客にロシア系アメリカ人も少なくありません
でした。
ソ連崩壊後、それらのツテを頼ってアメリカに移住したロシア人も
多くいました。
しかし、アメリカ社会での疎外感に悩まされ自殺や犯罪に走った
人も少なくなかったそうです。

すいません。余計なことばかり書いてしまいました。
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この回答へのお礼

多岐に渡りいろいろと詳しくご回答頂き大変感謝しています。
bossnassさんは当時の状況について大変詳細な点までご存じの様で
そのような方にご回答頂きありがたいです。

bossnassさんは、ロシアの歴史に関係したお仕事に就いておられるとか、お知り合いにそのような方がいらっしゃるのか、よくご存じでうらやましいです

>キューバ危機やアフガン侵攻の時でも観光は可能だったそうです。
この点は日本からということではなく、一般的に西側諸国から可能だっったということでしょうか?

重ねてご質問してしまい申し訳ございませんが、
よろしくお願いいたします。

お礼日時:2007/09/23 18:28

日本生まれのアメリカ人です



冷戦中と言えどもソ連は外貨が欲しいのでアメリカ人の旅行者を大歓迎していました、ニューヨークにソ連の観光事務所があって雑誌にキャビア食べ放題とか毛皮が安いとかの広告を盛んに出していました

その反対にソ連人が単なる旅行で外国に出るのは不可能だった筈です
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この回答へのお礼

実際に体験した事を具体的に教えて頂き、大変ありがとうございました。

お礼日時:2007/09/23 18:17

行けたはずです。


冷戦であって、ホットな戦争をしていたわけではありませんから。
現在の北朝鮮にだって観光旅行に行けますよね。ガイドがべったり張り付いてくるらしいですが。
自分の国のよいところは見せたいわけです。
同様に、ソ連でもインツーリストという国営旅行会社のガイド(当然、KGBの)が張り付いていて、自由気ままに行動できたわけではありません(軍事施設に近づくなどもってのほか)し、宿泊できるホテル(たぶん、盗聴付き)も限定されています。
冷戦当時の、エスピオナージの小説や映画などでは、モスクワにいるアメリカ人観光客などがよく登場します。
スパイさんたちは、ビジネスマンや観光客に偽装して、ソ連に入国し、監視役のガイドを振りきって…と、なるわけです。
冷戦当時の、英国のエスピオナージを読んでみると面白いですよ。
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この回答へのお礼

回答大変ありがとうございます。
重ね重ね申し訳ございませんが、もしよろしければ、ohbacomeonさんがご存じの冷戦当時のエスピオナージの小説や映画がありましたら教えて頂けますでしょうか?よろしくお願いいたします。

お礼日時:2007/09/23 18:12

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