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地産地消の背景の一つに、「食品自給率低下への対策」があるようです。
しかしある筆者さんは、「食料自給率の低下の原因は、国内での生産量が減ったのではなく、国内の消費量が増えたから」と言っていました。
それが本当だとすると、地産地消を推進しても食料自給率にはあまり効果的ではないのでは?と思います。
食料自給率低下は、国内生産量が減り、輸入に頼っているからではないのでしょうか?

A 回答 (2件)

 ●コムギ、ダイズなどの品目により事情は違う●


 先ず現在の食料自給率がどのような数字なのか見てみましょう。
 農水省のHPからです。「食料自給率の推移」  http://www.kanbou.maff.go.jp/www/fbs/dat-fy18/sa …  
 食料自給率(平成18年・概算)%   米94%、(うち主食用)100% 小麦13% かんしょ92% ばれいしょ76% 大豆5% 野菜79% みかん94% りんご56% 果実全体39% 牛肉43% 豚肉52% 鶏肉69% 鶏卵95% 牛乳・乳製品66% 食用魚介類59% 海藻67% 砂糖32% 油脂類13% きのこ類81%  飼料用を含む穀物全体の自給率27% 主食用穀物自給率60% 供給熱量ベース総合食料自給率39% 生産額ベース総合食料自給率68% 飼料自給率25%
 これから分かること。自給率とは、米、小麦、大豆、豚肉などの品目の総合した自給率だということです。国内の生産が減ったために自給率が下がった品目もあるでしょうし、国内の消費が増えたから自給率が下がった品目もあるでしょう。すべての品目を調べて、どちらの要因が大きいか?調べた人はいないと思いますし、あまりにも厖大な作業になると思うし、それにあまり意味のないことだと思います。
 たとえば、小麦は国内生産量が減ったからだ、とか、大豆は消費量が増えたからだ、とか、豚肉は輸入量が増えたからだ、などと分かってもあまり意味はないでしょう。
 地産地消とは、結局「国産品愛用運動」のようですね。 
 なぜ自給率が低いのか?品目により原因は違うでしょうが、小麦の例を調べてみましょう。
 アメリカ、カナダ、オーストラリアでの小麦(外麦)価格、いわゆる国際価格は、1トン当たり、3万円台であるのに対し、国内生産(内麦)価格は15万円台。国際価格の4倍の価格なので、政府が何もしなければ、一般消費者・加工業者は100%輸入小麦を買うことになる(つまり自給率0%)。 これだけ価格差がありながら、それでも内麦が売れている。自給率13%。何故だろう?それは農水省が価格調整しているから。どのような価格調整か、と言うと、農水省は3万円/トンで外国から外麦を買い、これを5万円/トンで製粉会社に売る。これで利益を出し、その資金を使って、内麦は15万円/トンで国内生産者から買い、これを製粉会社に4万円/トン程度で売る。こうして、農水省による価格調整によって国内生産者を保護していることになる。  http://www.flour.co.jp/01_updates/2007/ud_m07072 … 
 コムギの自給率を上げるには、農水省の価格調整の価格を変えること。たとえば、内麦を1トン当たり16万円で買上、これを製粉会社に3万円/トン程度で売れば、間違いなく、コムギの自給率は向上します。
 ダイズは生産補助金を出しているので、その金額を大幅に増やせば自給率は向上します。 http://www.maff.go.jp/soshiki/nousan/hatashin/jo …大豆価格' ちなみに内外価格差は3倍とも10倍とも言われています。補助金がなくなれば、ダイズの自給率は0%になるでしょう。
 これが「食料自給率」の現実です。ちなみに主食用米は100%なので、今後いくら米の生産量を増やしても食料自給率向上には貢献しません。
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この回答へのお礼

hirosi3さん、ご丁寧に回答してくださってありがとうございます!自分では見つけきれなかったサイトのURLも貼ってくださって、有難いです。

少し話がそれてしまうのですが、「食料自給率が低い」と言われながらも、生産額の自給率で見ると、それほど危惧するような数字ではないですよね?

それに、政府の価格調整によって、バランスはそれなりに取れていると思うし、日本で小麦やダイズをたくさん生産してもコストが高くなってしまいますよねぇ。

となると、カロリーベースでの自給率は低いけど、事情が事情だからこのままでいいんじゃないのかな、なんて思ってしまいました。
カロリーベース自給率が低い!と問題視する核心はつまり「食べ物を大切にしよう」ということなのでしょうか?

お礼日時:2007/11/26 11:10

あまり詳しくないので,参考程度に.



筆者さんの言ったことも,質問者様が思ったことも大きな間違いはないと思います.

間違い箇所は,地産地消と自給率を結びつけたその「背景」とやらです.「(カロリーベースでの)食品自給率低下への対策」は,私自身はあまり意味のある施策とは思えません.以下,その理由.

・畜産物の場合は,飼料を輸入している段階で自給率向上にそぐわない
・米は,元々国内産.小麦製品は,元々輸入物.この構図には変化なし.
・かろうじて地産地消により国産の割合を増やすことが可能な青果物は,非常に低カロリーなので,自給率には大きな影響を及ぼさない.

なお,生産額ベースの自給率なら意味は変わります.しかし,生産額ベースの自給率は,これだけ輸入しまくっているにもかかわらず,68%あります.

カロリーベースの自給率が下がってきているのは,日本人の食生活が大きく変わり,日本で生産するにはコストがあわない食材が多くなったからだと思います.牛肉や油,小麦などがその最たる例だと思います.だから,政府の目標もきわめて控えめで,45%としています.

カロリーベースの自給率を向上させるには,「米をもっと食べる(単位面積あたりの収量が小麦より多い)」「食べ過ぎ,食べ残しを減らす」「流通ロスを減らす」の施策が最も有効だと思いますが・・・どうでしょう?このあたりは,食育に期待したいところです.

正直,書ききれないのですが,現時点での地産地消は,「輸送コスト削減」「地域振興」「食育」のみに絞って考えた方がいいテーマだと思います.
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この回答へのお礼

bill-berryさんへ
あまり詳しくないとご自身でおっしゃっていますが、とてもわかりやすい説明だな、と感じました。
私は地産地消について卒論を書いていますがなんだか行き詰ってしまって。。。もう一度、「輸送コスト削減」「地域振興」「食育」というまずは3っつのポイントに絞って、考えます。ありがとうございました^^

お礼日時:2007/11/24 15:39

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