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恐竜の生活は現代の野生の動物とは何か違ったんでしょか。
何せ1~2億年前の動物ですから。やはり夜は活動しなかった
んでしょうか。

A 回答 (2件)

恐竜は鳥類の先祖であり、鳥類と共通の特徴がいくつかあります。



一般論から言えば、脳が完全に外部からの情報入力をシャットダウンし、深い眠りにつくという現象は、哺乳類にしか見られません。渡り鳥などは、飛びながら一瞬だけ眠れば十分なのです。したがって、恐竜が夜は活動できない動物であったと考える必要はありません。ただし、暗闇の中で活動できる恐竜がどの程度いたのかについては未知数の部分が多く、本格的な鳥類に匹敵する視力を持っていた恐竜は、脳の構造上、マニラプトラと呼ばれる一群の恐竜に限定されること、恐竜が哺乳類のような極度に発達した聴覚を持っていたとは思えないことなどを考えると、夜行性恐竜は、存在したとしても、少数派だと思われます。多くの恐竜は、おそらく夜になると、巣のある場所に帰るとか、単に休息するとかの行動をとっていたと考えるほうが合理的でしょう。また、恐竜時代は現代よりも乾燥した気候であったためサバンナ的な気候条件の場所が多く、森などの障害物の多い地域は少なかったため、夜になってもかまわず活動を続け、ひたすら葉っぱを飲み散らすという草食動物がいたとしてもおかしくはないでしょう(特に、首の長い巨体タイプの4本足草食恐竜に、この可能性がありえます)。

恐竜の生活が現代の動物と大きく違う点は、巨大化に向いた身体構造をしているという点です。恐竜は現生鳥類と同様、肺の奥にさらに空気の袋があるという構造を持っていた可能性がたかく、体内に空間が多いため、見た目よりも軽い動物だったと思われます。また、恐竜は筋肉で体と支えるのではなく、アキレス腱のような腱が発達して骨格を固定しており、姿勢を保つのにほとんど筋力を必要としない傾向があります。特にあの長い尻尾は腱による固定の傾向が強く、「あんな巨大な生き物が、姿勢を維持できるわけがない」とか「恐竜は巨大すぎて、走る速度が遅い」という見解は、哺乳類的な発想であり、恐竜には当てはまりません。弱点としては、腱による固定の結果、体が固くなってしまい、上下左右への手足の稼動範囲が狭まってしまうという傾向があります。最大級の陸生生物である四足の首長草食恐竜などは特に、首の稼動範囲が狭かったものと思われます。ただし、恐竜の基本である「後ろ足と腰に重心を置き、後ろ足での2本歩行を原則として、長い尻尾で前半身とのバランスを取る」という建築力学的構造を維持して二本足動物であることにこだわり続けた一群は、前足(当然、腕になっている)の可動範囲が広がっていく傾向があり、この広い可動範囲をもった腕という要素が、腕を翼に変形させ、鳥類へと進化する道を開いたと言うことはできます。また、多くの恐竜が、完全な意味での恒温動物ではなく、巨体を生かした慣性恒温動物であったと推測されている以上、恐竜にとって、生まれたらすぐ、速やかに巨大化するという傾向を持っていたことが推定できます(慣性恒温動物とは、身体が2倍大きくなると、表面積は4倍になるのに、体積は8倍になるという原理を利用して、周囲の温度変化の影響を減らすことができ、本質的には冷血動物レベルの代謝能力しか持たない生物でありながら、実質的には恒温動物として活動できるというタイプの生き物です)。

恐竜の謎のひとつは、「あんな巨大な動物が、本当に卵を割ることなく、温めることができたのか」という点です。後ろ足による二足歩行にこだわり続けた小型肉食恐竜は、代謝能力があがって鳥に近くなっていく傾向があります。恒温動物は卵の段階で、すでに親と同じ恒温環境を必要とするので、代謝能力が上がっているタイプの恐竜は、卵をなんとかして温めなければなりません。恐竜と鳥は、固いカラで覆われた卵を産むという点で一致します(他方、カモノハシの卵は膜で覆われただけのブヨブヨしたもので、昔の爬虫類にはこのタイプの卵のほうが多かったと想定されます)。鳥に近い仲間で抱卵状態の化石も見つかっているオヴィラプトルについては、最近の発表によれば、従来は小型動物だと思われていたのに、かなりの巨体の化石が見つかったとされており、恐竜の抱卵についての謎が増えました。また、あのチラノサウルスは、実は本質的には小型恐竜で、恐竜時代の末期に突如として巨大化した生き物ですが、子供の時は羽が生えていて体温の低下を防ぎ、大人になると羽はほとんど抜け落ちるという生き物であったとする見解が提起されています。そのような巨大生物が本当に卵を割ることなく卵を温めるのに、どのような方法を使っていたのか、興味深いところです。単に卵の横に寄り添うだけの抱き方をしていた可能性もありますが、奇抜なアイデアとしては、植物の発酵熱を利用して卵を温めていたのではないかという意見もあります(現生鳥類に、ごくまれに見られる方法です)。
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この回答へのお礼

参考になりました。

お礼日時:2008/04/07 19:04

現代の野生動物でも夜行性のものがたくさんありますが?



下の本、面白かったですよ。
「発見!恐竜のミイラ 」

参考URL:http://www.amazon.co.jp/
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