
下のURLの「区分」のところに、次の文があります。
「近年のDNA分析の成果によれば、現生人類発祥の地はアフリカにあるとされ、ネグロイドはその直系の子孫とされる。」
この文とその右側の図を見ると、ネグロイド→コーカソイド→モンゴロイド と進化しているように見えるのですが、そうなんですか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E4%BA%BA
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>ネグロイド→コーカソイド→モンゴロイド と進化しているように見えるのですが
一言で言ってしまえば「そのとおり」です。ただ、非常に誤解しやすい表現なので説明が必要でしょう。
ご質問の系統樹はヒトの遺伝子の変異を調べ、それぞれの「遺伝的距離」を調べたものです。このような変異は単に「遺伝子上の塩基配列に変異があったかどうか」を調べているのであって、その変異が生じた"結果"についてはまったく考慮していません。
例えば遺伝子上のある塩基が変異しても、翻訳されたアミノ酸は変異しない場合がありますし、アミノ酸が変異しても結果として作られる蛋白質の機能には影響しない場合も多々あります。
つまり、遺伝子が変異しても結果的に「形質」には何の影響ももたらさない場合がけっこうあるわけですが、このご質問での進化系統樹ではそれらは問題とせず、単に「遺伝子に変異があったか否か」のみを見て系統樹を描いているわけです。
で、分子生物学ではこのような形質には影響がない遺伝子の変異も「進化」と呼んでいるわけです。ですから、「ヒトがネグロイドからモンゴロイドに進化した」という言い方は分子生物学的には間違いではありません。
ですが、一般的な言葉の定義としては「進化」という言葉は、生物の形質に何らかの変化が生じ、その結果環境への適応性が変化した場合に使う言葉ですよね。ですからそういう意味では「進化したというわけではない」というのが正しいということになります。
ただ、そういう意味での「進化」の定義はけっこう曖昧で、別に「交配不可能になること」が進化の結果というわけではありません。というかそもそも「種」というものの定義が「混血できなくなること」とは限らないですから。
つまり「人類は互いに混血できるから全て同一の種である」とは、必ずしも言えないわけです。
遠い未来の学者が現世人類のいくつかの人種の化石なりDNAサンプルなりを入手して解析した結果、それこそネグロイドやコーカソイド、モンゴロイドといったいくつかの「種」に分類するかもしれませんし、その場合はまさに「人類はネグロイドからモンゴロイドに進化した」と記述するかも知れませんね。
こういう系統樹は様々な目的で様々なものが描かれます。
この場合は、人類の起源と世界への拡散の過程を調べるためにヒト遺伝子の分子生物学的な解析がなされているわけで、これらの解析の結果、全ての現世人類は10万年前にアフリカに住んでいたあるグループを共通祖先であり、さらに数万年経った後にそれが分岐した1つのグループがアフリカを脱出し、それが「アフリカ以外の全人類の共通祖先」になった、ということが解明されたわけです。
そしてその結果、旧来の北京原人→モンゴロイドのような、世界各地に分布していた旧人類がそれぞれの人種の祖先となった、という旧説が否定されてきたわけです。アフリカを出た現世人類が全ての旧人類を駆逐した、というわけです。
なのでこの話は「一般的な意味」での「進化」とは無関係な話、なのです。
例えば、この先何万年か経って「ホモ・サピエンス」とは違う「新種の人類」が出現するときに「人類が進化した」ということになるのでしょうが、その時その新人類がネグロイドから出るかコーカソイドから出るか、またはモンゴロイドから出るか、それは誰にも判らない話です。
現世人類も皮膚の色を始めとして様々な人種に独特な形質を得ていますが、それはNo.1さんの回答にもあるとおり、単に居住環境に適応して分化しているというだけの話で、一般的な意味での「進化」とは違います。
北極に住むシロクマと日本のツキノワグマと、「どちらが進化しているか」というのと同じで意味がないことです。クマも分子生物学的に解析すれば、「進化系統樹」を描くことはできますし、その時には「クマはアジアのクロクマからツキノワグマ、灰色グマ、シロクマに進化した(この記述そのものは適当です)」という記述にはなるでしょうけどね。
No.3
- 回答日時:
No1です
この話で危険なのは、
「ネグロイド→コーカソイド→モンゴロイド と進化しているように見える
つまり黒色人種から白色人種、黄色人種に進化している
そして、この話の流れから、黒色人種は、より旧人に近い
もっと言えば猿に近い」
という人種差別的な話へ連想されてしまうことだと思います。
現在の定説は、No2さんの回答にもありますが
現在人種のホモ・サピエンスは、旧人とは別の「種」です
「旧来の北京原人→モンゴロイドのような、世界各地に分布していた旧人類がそれぞれの人種の祖先となった、という旧説が否定されてきたわけです。アフリカを出た現世人類が全ての旧人類を駆逐した、というわけです。」
この箇所です。
昔の教科書や解説本では、北京原人がアジア人種の祖先で、
ネアンデルタール人がヨーロッパ人の祖先みたいな説明もあったかと思いますが
今では、それらはすべて旧人と呼ばれる「種」で、今のわれわれの祖先ではない
というのが定説です
なのでネグロイド(つまり黒人)の人が旧人に近いということではなく
ネグロイドも含め、モンゴロイドも同じ「ホモ・サピエンス」という種と解釈
するのがいいかと思います
一般的な進化の話として、語る場合には
「ネグロイド、コーカソイド、モンゴロイドの間に進化の程度の違いはない
同一の種である」という考えでよいと思います。
No.1
- 回答日時:
こんにちは
ネグロイド、コーカソイド、モンゴロイドは
生物学的には「ホモ・サピエンス」に属するので、進化したというほどの
違いはなく、同一種の中での環境に応じて多様化したという程度ではないでしょうか?
実際、ネグロイド、コーカソイド、モンゴロイドは双方に交尾を行い
子孫を残すこと出来るという意味でも、「進化」の程度に違いはないと思います
ご回答ありがとうございます。
微差ということですね。
モンゴロイドに比べ、ネグロイドが旧人に近いとは言えない、というわけか。
どうもありがとうございました。
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