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「ハイデッガーとユダヤ人」などを著しているリオタールは自身がユダヤ人でしょうか?

A 回答 (1件)

おそらくユダヤ系ではないと思います。


これまでにリオタールの、もしくはリオタールにふれてある本を何冊か読んだことがありますが、ユダヤ系である旨の記述を見たことはありません。

『こどもたちに語るポストモダン』の巻末、非常によくまとまった概説でもある管啓次郎氏の「訳者あとがき」にはこのような記述があります。

----(p.279-280)----

 なぜなら彼にとって哲学者とは、何よりも自分が所属しえない土地で、「メテク」(古代アテネの居留外国人にして雇われ教師)として生きる者だったからです。…

 メテクとは、いいかえれば、小文字ではじまる「ユダヤ人」のことでもあります。キリスト教ヨーロッパの歴史にとって最大の内なる「異物」であり、ヨーロッパにとってはどのように処遇すればよいのかわからない相手だった(大文字ではじまる本来の)ユダヤ民族を、いわば範型とするかのように、黒人やアラブ人、あるいは芸術家や無政府主義者といった、不透明な外見をもち理解しがたい(つまりどのような規則にしたがって生きているのかがよくわからない)異人としての、さまざまな「ユダヤ的存在」がいる。もちろん「哲学者」も、そんな小文字の「ユダヤ人」のひとりなのです。そうした周縁的存在としての哲学者は、社会に広く公認された「知識人」と、鋭く対立します。

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もしリオタールが管氏のことばを借りれば「大文字ではじまる本来の」ユダヤ系(実はこの定義もなかなかむずかしいものがありますが)であれば、こういう記述は意味をなさないように思います。

以上、参考まで。
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