振幅A,振動数ν,波数k~(ベクトル)の波の変位は,
ψ=Acos(k~・r~-ωt),r~=(x,y,z) (1)
とかけますよね.
(1)k~・r~は角度を表しているのですか?
(2)k~は
k~=(kx,ky,kz)=2π(λx,λy,λz)
でいいのでしょうか?
(3)本によっては,計算が便利だからと言って(1)を
ψ=Aexp{i(k~・r~-ωt)} (2)
としている場合がありますが,こう書くとψは複素数になりません か?変位が複素数というのは意味がわかりません.複素数を使って書くなら,
ψ=(A/2)[exp{i(k~・r~-ωt)}+exp{-i(k~・r~-ωt)}] (3)
と書くのが正しいと思いますが,(2)で書かれているのはどうしてでしょうか?
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
質問文にも書いてあるとおり、kは波数というものです。
これは文字通り波の数で、波長というものが波ひとつあたりの長さであるということに注意すれば、その逆数である1/λが単位長さあたりの波の数になるのがわかると思います。したがいまして、本来の意味からすると1/λが波数であり、それに2πをかけた2π/λには別の名前をつけるほうがいいと思うのですが、多くの分野で2π/λを波数と定義しています。(分野によっては1/λを波数と呼ぶことがあります。)
振動数のほうは単位時間当たりの波の数であるνを振動数と呼び、それに2πをかけたω=2πνは角振動数と区別してるんですけどね。
大きさが波数2π/λであり、方向が波の進行方向であるベクトルは波数ベクトルと呼ばれます。質問文のk~がこれです。
(1) 高校で波を習うときには波の式はsin 2π(x/λ-t/T)と書いたと思います。(最近はこの式すら教えないといううわさを耳にしたことがありますが、どうでしょうか?)
x方向に進む波、つまり、k=(2π/λ,0,0)である場合はk~・r~=2πx/λとなるので、k~・r~-ωt=2πx/λ-2πt/T=2π(x/λ-t/T)となり、上のサイン関数の場合と同じになるのがわかると思います。
これを三次元に拡張したのがk~・r~です。
(3)
>ψ=(A/2)[exp{i(k~・r~-ωt)}+exp{-i(k~・r~-ωt)}] (3)
>と書くのが正しいと思いますが,
はい。正解です。そのように書くのが正しいです。
論文によっては丁寧にこう書いてある場合もあります。
ですが、いちいちこのように書くのは大きな労力が必要になりますので、
物理的に意味があるのは実数部のみであるという暗黙の約束でψ=Aexp{i(k~・r~-ωt)}と書きます。
exp{-i(k~・r~-ωt)}はexp{i(k~・r~-ωt)}の複素共役なのでexp{i(k~・r~-ωt)}+exp{-i(k~・r~-ωt)}/2はその実数部を表すので
ψ=A Re[exp{i(k~・r~-ωt)}]
とも書けます。ψ=Aexp{i(k~・r~-ωt)} と書くのはこれのRe[]を省略したものです。
ただし、複素数のまま計算できるのは線形計算のみです(要するに足し算・引き算)。たとえば強度計算でψ^2を計算するような場合には
(A/2)[exp{i(k~・r~-ωt)}+exp{-i(k~・r~-ωt)}]
を二乗する必要があります。ψ=Aexp{i(k~・r~-ωt)}を二乗して
ψ^2=Aexp{2i(k~・r~-ωt)}
とするのは間違いですから、気をつけてください。
No.1
- 回答日時:
こんばんは。
>>>(1)k~・r~は角度を表しているのですか?
角度です。
角度なんですが、(-ωtと合わせて)「位相」と言うのが普通です。
>>>(2)k~は k~=(kx,ky,kz)=2π(λx,λy,λz)でいいのでしょうか?
いえ。
(2π/λx,2π/λy,2π/λz)
です。
>>>(3)本によっては,計算が便利だからと言って(1)をψ=Aexp{i(k~・r~-ωt)}としている場合がありますが・・・
複素数になりますが、
計算が終わってから、最後の仕上げに
e(iθ) = cosθ + isinθ
の虚部(isinθ)を見捨てて、実部(cosθ)だけ見ればよいということです。
私は光に関わる仕事をしたことがあるのですが、
やはり、そうやって計算していました。
便利ですからね。
ちなみに、交流回路の計算では、1回微分する代わりにjωをかけたりします。
電気工学でjは、数学でiのことです。
(iと書くと電流と混同されるので、jという記号を使います。)
それを利用すれば、微積分を知らない高校生でも、回路の計算ができるということです。
以上、ご参考になりましたら。
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