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自分なりに調べたのですが、難しかったので、お聞きします。

神経細胞が興奮すると脳内分泌物?(アドレナリンなど)を出すが、
それを抑制するものが他の神経細胞からでて、普段は抑えられる。(理性というのでしょうか)

しかし、アルコールがはいると、抑制する神経細胞が働かなくなって、
「怒るぞぉ~!泣くぞぉ~!笑うぞぉ~!」と作用する脳内分泌物が、だだ洩れになってしまって、酔っ払いはああいう行動を起こす。


こういう解釈であってますか?
どなたか教えてくださいお願いします。

A 回答 (1件)

こんにちは。



>神経細胞が興奮すると脳内分泌物?(アドレナリンなど)を出すが、それを抑制するものが他の神経細胞からでて、普段は抑えられる。(理性というのでしょうか)

喜怒哀楽など、脳内に発生する情動に係わる神経伝達物質は複数あり、またそれぞれに抑制性を持つ伝達物質によって我々の感情はコントロールされています。ですが、実際に理性を働かせているのは飽くまで我々の「意志・判断」であり、それは必ずしも抑制性の伝達物質によって維持されるものではありません。
例えば、「NA(ノルアドレナリン)」といいますのは情動反応に対しては興奮性の伝達物質であると同時に脳内の覚醒状態を亢進し、注意力や判断力を一時的に高める機能を持っています。「5-HT(セロトニン)」はこれに対して抑制性であり、脳を安静状態に戻す働きを担います。
ですが、この5-HTの抑制作用によってもたらされるのは飽くまで「安静状態」であり、理性ではありません。確かに平常心は保たれますが、同時に注意力や判断力、記憶力といったものも低下します。
「理性」とは「その場の感情に捕らわれない冷静な判断力」と定義されます。従いまして、我々が情動を抑制し、理性的な行動を選択するためには必ずやNAの一時的な分泌によってある程度の注意力や緊張状態が作り出されなければなりません。そして、これによって問題が解決され、事が済みましたならば、脳は5-HTの抑制作用によって速やかに安静状態に移行します。従いまして、5-HTは情動反応に対して抑制性でありますが、それは決して理性を維持するための伝達物質ではないということになります。
このように、我々の脳内で理性といいますのは「冷静な判断力」のことであり、それは情動を抑制する伝達物質の作用によって生み出される特定の機能というわけではありません。

>しかし、アルコールがはいると、抑制する神経細胞が働かなくなって、

アルコールの作用といいますのは一貫して脳の機能を低下させるものです。ですから、もしこれによって伝達物質の抑制機能が損なわれ、それが垂れ流し状態になってしまおうものならば理性的な判断はおろか、こうなってはもはや歯止めは効きません。ですが、幸いなことに幾ら大量のアルコールでありましても、我々の脳内でこのようなことはまず起こりません。
とは言いましても、質問者さんがご指摘をなさいますように、酔っ払ったひとを見ていますと何か肝心なものがすっぽりと抜け落ちてしまっているようにしか思えません。では、それがいったい何かと言いますならば、これはもうズバリ! お酒を飲んだひとには「不安」というものが発生しなくなるからです。

我々の脳内広域で伝達物質の代表的なものとしましては、
「興奮性:Gul(グルタミン酸)」
「抑制性:GABA(ギャバ)」
がります。
アルコールといいますのはほとんどの神経機能を低下させるものですが、どういうわけか「GABA-A(抑制性)受容体」に対しましては逆にその「抑制機能を高める働き(GABAアゴニスト)」として働きます。このため、お酒を飲みますと誰でも必ずや脳は「抑制状態」に陥ります。
では、脳機能は間違いなく低下するのにも拘わらず、どうして興奮状態のように感情の起伏が大きくなるのでしょうか。それは、GABAの抑制機能が強められることによって、まず真っ先に我々の脳内では「不安状態」というものが発生しにくくなるからです。このため、アルコールとは異なる成分の「GABAアゴニスト」は「うつ病」などの「抗不安薬」として用いられています。

アルコールの作用としましては、以下の三つは誰でも体験したことがあると思います。
「緊張感の緩和(リラックス効果)」
「判断力の低下」
「運動機能の低下」
このうち、判断力と運動機能の低下は確実に現れますので、飲酒運転は絶対にやらないで下さい。
では、リラックス効果というのは分かるのですが、不安が解消されるとどうして判断力が低下するのでしょうか。果たして、それは気が大きくなるからですね。
脳機能が低下するといいましても、直ちに思考が混乱したり相手の話が理解できなくなるといったことはありません。個人差はありますが、私でしたらバーボンのボトル半分まではぜんぜん平気です。
それはさて置き、一見、正気のように思われるのですが、アルコールといいますのはGABAアゴニストでありますから、脳内では既に不安状態というものが発生しづらくなっています。これがどういうことかと言いますと、心に不安を感じないということは、取りも直さずそれは、自分の行動を冷静に評価することができなくなっているということです。

最初に申し上げました通り、我々が理性的な判断を下すためには必ずやNA(ノルアドレナリン)の分泌による一時的な緊張状態が必要となります。ならば、これが行われませんと、我々は与えられた状況に対して適切な行動を選択することはできないということになります。このため、お酒を飲んだときと飲まないときでは、その判断力には大きな違いが現れます。
NAといいますのは中枢系では直接の情報伝達に用いられるものではなく、脳内で思考や記憶に使われる「Gul・GABA」の信号伝達を活性化させる働きをしています。これを「神経伝達の促通効果」といい、これにより、脳内の注意力や判断力が一時的に高められます。
ですが、アルコールといいますのはこのNAの促通効果をGABAアゴニストによって寸断してしまいますので、緊張感は一気に削がれてしまいます。5-HT(セロトニン)はNAによる興奮状態を抑制する伝達物質でありますが、アルコールを摂取しますと5-HTの分泌を待たなくとも速やかに緊張状態を緩和してリラックスすることができます。

最後に、お酒を飲むと何故感情の起伏が大きくなるかに就いて述べます。
我々の脳内において「不安」といいますのは、それは「全ての行動を抑制する要素」であります。アルコールが入りますと、これがスッポリと抜け落ちてしまいます。
只今述べましたように、NAの分泌によって緊張感が持続しますならば、通常、我々は結果に不安を感じる行動を選択することはありません。これが理性行動です。
次に、この不安状態といいますのは、情報が不足するために特定の結果を選択できない状態を指します。例えば、それが危険と判定されますならば「恐怖」という感情が生まれ、利益であるならば「喜び」や「期待」に分岐します。ですが、与えられた状況に対して何らかの判定が下せない場合は不安状態が継続されますので、「喜び」や「悲しみ」といった具体的な感情を発生させることはできないわけです。
ですから、このように不安状態といいますのは全ての情動行動を抑制する要素であり、まだ何れの感情にも到達できない状態を言います。では、この不安状態が発生しないというのはいったいどういうことなのかと言いますと、それは、心に不安が発生しないということは、我々の脳はアルコールの作用により「喜怒哀楽」、如何なる行動も直ちに選択の可能な状態になってしまうということです。果たして、これがお酒を飲むと脳の機能が低下するにも拘わらず感情の起伏が大きくなる理由です。
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この回答へのお礼

すごいわかりやすくて面白かったです!
何度も読み返してしまいました。
脳のことでわからないことばっかりだったので、大変助かりました。
素人なりに自分でももっと脳のこと調べてみようと思います。

ありがとうございました!

お礼日時:2008/11/11 22:52

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