No.2ベストアンサー
- 回答日時:
「じっちょう」と読むというのは、私は初耳でした。
普通は「じゅうじょう」でしょう。『広辞苑』にも、うじ‐じゅうじょう【宇治十帖】ウヂジフデフ
とありました。
専門家ではないので、「絶対に“じっちょう”とは読まない!」と断言はできませんが、「じっちょう」というのはあんまり聞たことないですね。
最近は『源氏物語』千年とかで、テレビなどで『源氏物語』が話題になっていますが、どの番組でも「うじじゅうじょう」と読んでいるような気がします。
ありがとうございました。大変参考になりました。私もそう思うのですが、「うじじゅうじょう」「うぢじふでふ」と表記されている例も見つからずご質問した次第です。
No.4
- 回答日時:
大学で源氏物語をやっています。
専門に研究されている教授も「じゅうじょう」と読んでいますが…
国語(言語)学については広辞苑よりも日本国語大辞典のほうがよいかと思います。
角川古語大辞典など大きな古語辞典で調べても何かわかるかもしれません。
回答というよりは回答への手立てになってしまいましたね、すみません。
ありがとうございます。
読みの問題は大変難しく、例えば、いろは歌ですが、「いろはにほへと…」と書いて、「いろはにほへと…」とも「色は匂へど…」とも読めます。つまり、読みに関しては、古来相当に寛容でした。ですから、源氏物語の読みを断定する際の参考資料として、アルファベット表記の日葡辞書が使われることもあるわけです。
日本語の表記には、表意文字の漢字が中心にありますから、意味が伝わればいい、という捉え方は、相当長く続き、いわゆる正書法が本格的に日本に定着したのは、戦後の国語改革によってではないかと思います(もちろん明治期も無視はできませんが)。頻出する(むしろ頻出するからこそ)「御」の読みでさえ憶測でしかなく、最近の古語辞典には、平安期は「おおん」が基本だったのではないか、と書かれています。
私の質問の主旨は、「宇治十帖」の読みが古語辞典等を調べても明記されておらず、それでどなたかご存じの方はいらっしやいませんか、ということでしたので、広辞苑等に明記されている、というご回答がございましたので、それで私の目的は達せられました。ありがとうございました。
ただ、一つ気がかりなのは、例えば広辞苑では、どこを根拠にそう断定しているか、ということです。つまり、具体的な古書での箇所をご指摘いただければ、すっきりするのですが、専門的なことで、難しいことかもしれません(おそらくそのため古語辞典などでは明記していないのではないか、と憶測しています)。
No.3
- 回答日時:
「帖」は常用漢字には入っていませんね。
日本では「じょう」(歴史的仮名遣いは「でふ」)と読む慣習になっている、としか言えないようです。そのばあい「十帖」は「じゅうじょう」とよみます。「じょう」の前が促音になることはありません。「帖」は本来は「ちょう」とよむべき字です(歴史的仮名遣いは「てふ」)。薄くて平らなもののことで、それが10枚あると「十帖」です。漢籍にもしそういう言葉があった場合、厳格な漢文の先生なら「じっちょう」と読むでしょう。その読み方を転用すれば「うちじっちょう」?。
「じっちょう」の歴史的仮名遣いは「じふてふ」で平安時代の音韻は /dзiptiep/ で、pt は tt になり ep は eu になって、/dзittieu/ → /dзitt∫ou/ となります。
「帖」は本を数える単位で、「冊」と同じなのでしょうが、日本でなぜ「ちょう」でなく「じょう」と読むのかよくわかりません。一つの推測ですが、折本のように畳む形態の本は1畳、2畳と数えますが、その「畳・じょう(でふ)」が転用されたのかも知れません。
ありがとうございます。
確かに古語辞典には「帖」を「ジョウ」と読む例しか載っていませんでしたが、「チョウ」と読む例はなかったのかなあ、と思います。漢和辞典・国語学事典によりますと、「ジョウ」は呉音。唐の読み方で、漢音より新しく、遣唐使廃止後は一般にも広まり、書名などに使われた、とはありましたが。例があれば、と思います。
No.1
- 回答日時:
決して詳しいわけでもありませんが。
下記の全てがて約束の上では、「じっ」と発音するものです。
十巻、十キロ、十クラス、十軒、十個
十才、十色、十センチ
十反、十チーム、十通、十点、十頭
十羽、十匹、十分、十ページ、十歩
これを考えると「じっちょう」で良いのかもしれません、
「じゅう」が音便をとるとき「じっ」と発音するそうです。
↑私には意味がわかりませんが。
この回答への補足
ありがどうございます。
「じっちょう」の「っ」、つまり促音ですが、源氏物語が成立した時代には、すでに存在したようです。
また、もし、「じっちょう」と読むのでしたら、元々は「じゅうちょう」と読んでいたのでしょうか。
とすれば、やはり、「帖」の読みが問題になるでしょう。
すると要点は、濁点がいつからどの程度使用されたか、ということでしょうか。「じょう」と読めば、表記は「でふ」、「ちょう」と読めば表記は「てふ」とのことですから表記は微妙で、しかもここが決め手となると思います。国語学事典によりますと、濁点の初出は1030年頃で、室町時代までは表記が揺れていたそうです。
さらに、面倒なことは、現在の読みは案外参考にならない、ということです。たとえば、「世論」。私は、「よろん」と習いましたが、今は「せろん」。「早急」も「さっきゅう」から「そうきゅう」に変わっています。枚挙にいとまがありません。
古典でも、私は、「本意」は「ほい」と読むと習いましたが、今の辞書には、「ほんい」の「ん」が表記されていない、つまり読みは「ほんい」だ、と書かれています。ここ数十年でこのように変わっています。
どこかの古本に「じふでふ」または「じつてふ」と明記されている例があればいいのですが……。
ありがとうございました。
じつは私も古語辞典は確認たしまして、確かに「十」を「じっ」と読む読み方は多く、かつては一般的だったと思いました。
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