A 回答 (5件)
- 最新から表示
- 回答順に表示
No.5
- 回答日時:
辛口で鳴らしたコラムニスト山本夏彦のエッセイ集の一つに『「戦前」という時代』がありました。
戦前というと軍靴の響く何となく薄暗い時代だなというイメージがあったんですが、その勝手な思い込みを払拭させられた一冊でした。二十年くらい前のことなので、いま本屋さんでは手に入らないかもしれません。
その山本氏が絶賛していたのが向田邦子。
戦前~戦中を少女時代で過ごした彼女の作品の多くは、あの時代の雰囲気をよく伝えるものだったようです。
たとえば『あ・うん』などは小説でもシナリオでも読め、名作テレビドラマとして今でも再演され、DVDなどでも観られているので、とっかかりやすいのではないでしょうか。
「卓袱台」に象徴されるように、戦前から昭和三十年代にかけて、庶民の生活は基本的に変わらなかったという指摘があります。
それからこれは戦中~戦後が扱ってあり、まだ本になってないのでご紹介するのにためらいがあるんですが、
ドナルド・キーン『日本人の戦争』(「文學界」2009年2月号に掲載・角地幸男/訳)は、
著名な作家はもとより、当時はまだ無名だった作家たちの日記を引用した著作で、意外なことに、これほど大量に一挙に比較検討したものは他にほとんど類書がないようなのです。
あとづけでない、当時リアルタイムで書かれていた日記の数々から赤裸々な日本人像が浮かんできます。
部分的には知っていたつもりだったものの、あらためてさまざまに驚かされました。
※すぐのぼせる私とは違って^^;↓こちらは批判的に読まれています。
http://d.hatena.ne.jp/hinonaname/20090211/123437 …
野坂昭如『「終戦日記」を読む』も忘れずに付記しておきます。
著者の鎮魂と感慨が主になっていて、今回のご質問の趣旨とは必ずしも一致しませんが。
軍隊、軍部関係についても、すでに膨大な書籍があり、しかもいまだ「新事実」が現れる分野です。とまどうばかりですが、
総合雑誌などでよく特集が組まれたりしますので、そうした雑誌数種の、ここ二三年分くらいのバックナンバーを読み散らし、そこで話題にされている書籍や興味を引かれたものを実際に読んでみるという方法もあるかと思います。
文芸春秋4月号の「決定版 教科書が教えない昭和史」記事は、「なんだ、またか。似たようなことを」と思いつつ読みはじめたものの、興味深く読み終えてしまいました。
No.3
- 回答日時:
こんにちわ。
戦前でもなく、戦時中でもないのですが、戦後すぐの状況を描いた実話があり、すごくお勧めで、読んでほしいと思います。
藤原てい著「流れる星は生きている」です。
朝鮮(満州)に行かされた日本人兵とその家族の物語です。
戦後の朝鮮での日本人の置かれた運命はひどい。残酷です。
こんなことが本当にあったかと思うと、信じられません。
読んでいて、ポーランドのアウシュビッツでの悲劇を想記しました。
この本は頭に焼きついていて離れません。
藤原ていさんの夫がシベリア送りになって、ていさんは赤ちゃんを含めた3人の幼い子供とともに、アメリカ兵がいると言われている38午線まで南下し、かろうじて生き残ることができたのですが、それまでの脱出記が壮絶です。
気が狂って発狂してしまう人がいたり、自分が生き残りたいがために子供に虐待し、虐待餓死で殺したりした人、朝鮮人の家に行って恥をしのいで「食べ物下さい‥」といったり「布を下さい‥人形作って5円で売らないと‥」と言って生きようとするが朝鮮人はもちろん助けてはくれない。
そんな中、ていさんの子供がジフテリアにかかってしまって、注射を打たなければすぐに死ぬ、しかし、その注射には1000円というお金がかかる、そんな夢のような大金、とうてい届かない‥。
この本には奇跡のドラマが描かれています。
私は私のとある先生が「『流れる星は生きている』には感動した。本当に感動した。でもあなたはちょっと読まないほうがいい‥」と言われて、そう言われたが故に余計に読みたくなって結局読んでしまいました(笑)。
すごい1冊でした。
でも、私はアウシュビッツでの悲劇を勉強してよく知っていて、人はどれほど残酷になれるかを分かっていたので、読んで衝撃は受けたけれども、具合は悪くなりませんでした。
ぜひ、読んでみて下さい。
No.2
- 回答日時:
最近読んで面白かったといいますか興味深かったのは、
梯久美子著「散るぞ悲しき―硫黄島総指揮官・栗林忠道」です。
この栗林中将の話は映画化され話題になったのでご存知かもしれませんが、「硫黄島からの手紙」の主人公です。
この硫黄島の攻防が日本軍からの視点(当たり前ですが)で書かれており、戦地に届く妻や子供の手紙なんかも出てきますし、大本営とのやりとりなんかも興味深いです。
No.1
- 回答日時:
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 歴史学 日本軍と戦った中国側の資料に南京事件はどう書かれているか? 何応欽上将著、呉相湘編、第一版は1948 2 2022/06/14 20:22
- 歴史学 平安時代の庶民、農民の暮らしが知りたいです わかりやすい書籍や漫画やブログサイトやドラマなどはありま 7 2023/01/05 09:38
- 歴史学 対米宣戦布告が遅くなった理由 9 2023/08/02 18:28
- 歴史学 日本はどのように対英宣戦布告をしたのか 5 2023/08/02 15:47
- 歴史学 終戦時、久留米陸軍予備士官学校在籍者の記録 2 2022/05/27 20:18
- 軍事学 おじいちゃんおばあちゃんが語っていた、戦争の話。 9 2022/04/01 03:45
- 歴史学 戦後の歴史教育の中で、最初の遣隋使が無視された理由は何だと思いますか? 10 2022/03/31 04:01
- 戦争・テロ・デモ 今は優しい時代なんですか?昔はハラスメントの概念すらなかったです。更に昔は鉄拳制裁 2 2022/12/09 00:39
- 政治 阿南陸相は自決の直前に、なぜ、「米内海相を斬れ」と言ったのか? 2 2023/03/29 13:46
- 政治 日本人義勇兵が2千人も居れば、日本人義勇兵連隊を作れますね? 3 2022/03/24 10:57
おすすめ情報
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
小説フランケンシュタインは当...
-
女性の「…だわ」「...なのよ」...
-
西洋の中世の小説でお勧めを教...
-
福祉系で有名な偉人の伝記(自伝...
-
漢文翻訳サイトを教えてください
-
青空文庫を読もうとするのです...
-
時代小説が苦手です…。魅力を教...
-
新鉄道唱歌
-
高校生です。私は読書が趣味な...
-
なぜ男性は成人してからも、女...
-
燃えよ剣がとても好きなのです...
-
尋常小学校唱歌『さくら さくら...
-
落語のオチ(?)かな
-
信長の野望 創造 会戦について
-
戦前、鉄道の駅でパリまでの切...
-
押し絵の歴史について
-
今度の文化祭でよさこいを踊ろ...
-
柳生石舟斎が斬った花
-
ファンタジー小説に出てくる役職
-
鎌倉が舞台の面白い小説
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
女性の「…だわ」「...なのよ」...
-
漢文翻訳サイトを教えてください
-
なぜ男性は成人してからも、女...
-
高校生です。私は読書が趣味な...
-
炎のミラージュのラストの展開...
-
ファンタジー小説に出てくる役職
-
願いが違うミサンガを2つつけ...
-
原文に(かなりの程度)忠実で...
-
ぶっちゃけ、アガサ・クリステ...
-
新鉄道唱歌
-
尋常小学校唱歌『さくら さくら...
-
信長の野望 創造 会戦について
-
世界史が趣味という人はどのく...
-
インディアンポーカーについて
-
桔梗の花は、裏切りと関係が深...
-
福祉系で有名な偉人の伝記(自伝...
-
本が現代の仮名遣いになったの...
-
桜の枝を折った大統領は誰??
-
飛行船が活躍する冒険ファンタ...
-
救いの無い小説ありますか?
おすすめ情報