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学生実験でポリスチレンをそれぞれベンゼンとトルエンに溶かし粘度を測定する実験を行ったのですが、溶媒が違うと高分子溶液の粘度が変わる理由がわかりません。教科書にはsakuradaの式にあるaの値がそれぞれの溶媒によって違いそれが高分子溶液の粘度に依存するとありますが、そのaが何を意味しているのかがわかりません。わかる方いましたらよろしくお願いします。

A 回答 (1件)

高分子希薄溶液の極限粘度[η]と分子量Mの間の関係式


Mark-Houwkin-Sakuradaの式
[η]= KM^a  a=0.5~1.0
は多くのポリマーについての実験から見いだされました。

その解釈には次の2つの立場が有ります。
1)a=0.5の場合はガウス鎖の中を溶媒が通り抜けず、鎖は詰まって
 いるかの様に振る舞う、
 溶媒が通り易くなるとa値は増加し、巣抜けではa=1.0に近づく。
2)高分子鎖は溶媒に対し基本的に不透過性で、排除体積効果により
 鎖の占める体積が増加し、その為にaが0.5より大きくなる。
(主にFlory の見解。)
現在では1)と2)を合わせた精密な理論解析により説明されています。

あるポリマーを溶媒に溶解させると、溶け易さから
a) 溶け易い溶媒、良溶媒、混合熱は負、
b) 溶け難い溶媒、貧溶媒、混合熱は正、
の2種類に分類されます。

これは、ポリマー分子と溶媒分子の相互作用の違いから来るもので、
同じポリスチレンでもベンゼンに対する場合とトルエンに対する
場合では相互作用が違ってきます。
良溶媒中ではポリマー鎖は拡がり、粒径は大きくなります、他方
貧溶媒中ではポリマー鎖は収縮し、粒径は小さくなります。

この粘度への影響は主に2)の立場から説明されています。
良溶媒中→粒径大→粘度大→aは1.0に近づく。
貧溶媒中→粒径小→粘度小→a は0.5に近づく。
2)の理論では同じ溶媒でも、鎖の重なりが見かけ上無視でき、
ポリマー分子が理想的なガウス鎖として振る舞う温度、
Θ温度(Flory温度、第2ビリアル係数A2=0となる)では
a=0.5 になります。

ちなみに、Θ温度は良溶媒なら負、貧溶媒なら正で、常に測定
できるものではありません。ポリスチレン/ベンゼン系では
-100℃程度と推定されています。

以前似たような質問に回答しています。ご参考までに。
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa5344541.html
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